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タカシの外資系物語

手荷物チェックに見る“外資流アクション”とは ? ( その 1 )2009.12.15

12 月 1 日に変わったこと

気付いたら今年もすでに 12 月。「あーぁ、今年も代わり映えしない 1 年だったなぁ・・・トホホ・・・(T-T)」 という方も多いのではないでしょうか ?(かく言う私も、その 1 人ですが・・・) そんな代わり映えしない日常の一方で、12 月 1 日から大きく変更された事柄があります。それは、航空会社の「手荷物ルールの変更」です。ニュースでご覧になった方も多いのではないでしょうかね。


旅行者にとっては、機内持ち込み分の変更がインパクト大なので、その部分の変更内容を以下に示します。

【変更前】  重量 = 10 kgまで  サイズ = 3 辺の和 115 cm 以内、55 cm × 40 cm × 23 cm 以内(航空会社によって、適用機種が異なる)  個数 = 1 人 1 個まで
【変更後】  重量 = 10 kgまで  サイズ = 3 辺の和 115 cm 以内、55 cm × 40 cm × 25 cm 以内(航空会社によって、適用機種が異なる)  個数 = 1 人 1 個まで


「ん ? ほとんど同じ、むしろ【変更後】の方が、サイズの 1 辺( 23 cm → 25 cm )が緩くなってんじゃないの ?! 」
その通り、各航空会社からアナウンスされている内容だけ見ると、ほとんど変更はないように見えます。
が ! 事実は全く違うんです ! 【変更前】は、上記のルールはほとんど形骸化しており(つまり、守られておらず)、大型のスーツケース以外なら、多少大きな荷物でも、また、1 人何個でも機内に持ち込むことが、暗黙の了解で認められていました(少なくとも、私の感覚では・・・)。しかし【変更後】は、上記のルールが極めて厳格に適用されるようになったのです。


最近は、キャスター付の小型スーツケースを持ち歩く人が増え、いざ機内に入ってから、座席上のコンパートメント(荷物入れ)に荷物が入りきらない乗客が多発。私も、「そりゃ無理だろ、おいおい・・・」という大きな荷物を、必死になって荷物入れに押し込んでいる人を、過去に何度も目にしています。その結果、飛行機の出発時刻が遅れるといった悪影響が出ていたのです。

にっくき ! キャスター付ケース

そもそも、あのキャスター付の小型スーツケースを持ち歩く人が、なぜこんなに激増したのでしょう ? 明らかに旅行や出張でない人まで、「ガラガラガラ・・・」と町を闊歩しています。正直に言いますが、私はキャスター付ケースが「大嫌い」です。なぜか ? それは、他人のケースに引っかかって、コケそうになるからです。というのも、私は「ド」がつくほどの近眼で、かつ、左右がひっくり返るほどの乱視なもので、眼鏡のレンズがものすごく厚い。そして、厚いレンズというのは、腰以下の視野がほとんどない。見えないんです、下の方が !


最近では、ラッシュ時にも、キャスター付ケースをガラガラしながら歩いているビジネスパーソンが大勢います。朝の東京駅コンコースを私が歩いた日にゃ、30 秒に 1 回ぐらい、他人のキャスターに足を引っ掛けて、ズッコけています。ベタッ ! ズルッ ! わしゃ、若手の吉本芸人か !


話を戻しましょう。実は私、最近、地方のプロジェクトを複数掛け持ちしており、ほぼ 2 日に 1 回ぐらいの割合で飛行機に乗っています。手荷物ルールの変更当日の 12 月 1 日にも、ある地方都市から地方都市へ、飛行機で移動していました。その日、空港の手荷物カウンターにて、こんな光景を目にしました。


手荷物検査官 「お客様、手荷物のサイズオーバーで、機内に持ち込むことができません」
ある乗客 「えっ ! 先週までは良かったのに・・・ でも、どうして、一目見てサイズオーバーだってわかるんだい ? 」
手荷物検査官 「この “チェックガード” を通りませんから・・・」
見ると、手荷物をチェックするベルトコンベアの入り口に、機内持ち込みの上限サイズ( 55 cm × 40 cm × 25 cm )のガード(厚紙で作った枠)が設置されており、それ以上のサイズは物理的に通過できないような仕掛けが設定されていました。
手荷物検査官 「申し訳ありませんが、1F のカウンターで、荷物を預け直していただけますか ? 」
ある乗客 「チェッ ! ついてねぇなぁ・・・」
ま、ツキとか運とかの話ではないんですがね・・・

“チェックガード” をクリアせよ !

さて、私の順番がやってきました。私は、TUMI というメーカーのカバンを使っています( TUMI へのこだわりについては、『外資系社員のカバン』 参照のこと)。以前は、肩から提げる形式のノーマルなものを使っていたのですが、アメリカ出張時に怪力の手荷物検査官に破壊 ( ! ) されてしまい、それ以来、リュック形式のものを使っています(カバンを破壊された経緯は、『通勤電車、飛ぶ ?! ( アメリカ出張その 2 )』 参照のこと)。


私のカバンは、「平常時」は間違いなく規定内のサイズなのですが、「出張時」は 1.5 倍程度に膨らんでいます。なぜなら、書類や PC のほかに、着替え、シェーバー、出張時に読もうと買いだめしておいた本数冊、詰め将棋をするためのミニ将棋盤(修学旅行か ! )、夜くつろぐためのアロマオイルセット(リゾートか ! )、夜寝る前にジャズを楽しむための大型ヘッドフォン( DJ か ! )・・・ など、およそ出張とは思えないグッズの数々が詰め込まれているからです。


私 「・・・(通過できるかな、ドキドキ・・・)」
手荷物検査官 「お客様、手荷物のサイズオーバーで、機内に持ち込むことが・・・」
見ると、タテ・ヨコとも、3 cm ほどサイズオーバーしています。
私 「ちょっと、待ったぁーーー ! このカバンは変幻自在、いろんな形に変形できるので、通過しないはずがない ! ギューーーーって、ね」
私は、ガラクタ ( ? ) が一杯詰まって膨れきった TUMI のリュックを、無理やり規定サイズに押し込めようと、上から横から、かなり乱暴に押さえつけました。
私 「ハァハァ・・・ ほら、通ったでしょ ? 」  バキッ !(「う ! 鈍い音が ! 」・・・(T-T))
手荷物検査官 「・・・」
・・・検査官も呆れるような対応をして、何とか通したものの・・・ ヘッドフォンの耳部分が取れてしまいました。愛用のゼンハイザー(※)が・・・トホホ・・・(T-T) (※ SENNHEISER:ドイツの高級 AV 機器メーカー 5 万ぐらいするんです、このヘッドフォン・・・ グスン・・・(T-T)(T-T))


さて、前置きが長くなりました(う ! 調子に乗ってエピソードを紹介していたら、もう紙面がほとんどない・・・(T-T))。今回テーマとして取り上げたいのは、手荷物検査で引っかかったときの反応なんです。この反応が、日本人とアメリカ人では、かなり違う。上述したように、日本人は手荷物検査で引っかかった場合、「チェッ ! 」とか言って、ブツブツ文句をたれる。今回変更があった 12 月 1 日にも、手荷物検査場では、チェッチェチェッチェ、チェッチェチェッチェ うるさいわーーーっ ! というぐらい、舌打ちの大合唱でした。しかし、文句は言うが最終的にはルールに従う。これが、典型的な日本人の反応です。


一方、アメリカ人の反応はどうか ? 
「アメリカ人は、自分が納得できないことには従わないだろうから、さぞかし、検査場でモメるんじゃないの ? 」
いやいや、実はほとんどモメないんです。そして、この反応の違いこそ、ビジネスにおけるアメリカ人の価値観 = 企業で成功するコツ を表しているんですよ、これが・・・ そのコツとは ? 詳細は、次回お話します。

(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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