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タカシの外資系物語

インフルエンザ狂想曲 ( その 1 )2009.05.26

新型インフルエンザは話題になっていますか?

大きなニュースになっている新型インフルエンザ。一時に比べれば、流行もおさまった気配ですが、まだまだ油断は禁物。みなさんの職場では、どのような対応がされているでしょうか ? 
先日、広島から新幹線で東京に戻ることがあったのですが、新大阪・京都のホームではほとんどの人がマスクをしている一方で、名古屋・東京になるにつれ、マスクの人はちらほら。ま、当然のことではありますが、大阪と東京では、その対応にかなりの差を感じました。

 

私自身はいいますと、もともとノドが弱い方なので、新幹線や飛行機の中では、普段からマスクをしていることが多いです。最近は、通勤電車 (横浜-東京) の中でもマスクをするようになりました。以前なら、社内で手を口にあてずに 「ゴホゴホ、ハーックション ! 」 なんてやっているおじさんも結構いましたが、今は社内全員の冷たい視線を一斉に浴びるため、そのような人はまずいなくなりました。


さて、先日こんなことがありました。その日私は、アメリカ本社から出張で東京に来ているわが社の役員 ( IT コンサル部門のリーダー:アメリカ人 ) を連れて、ある銀行のお客様を訪問していました。目的は、 「アメリカの事例紹介」 でして、もらった時間は 1 時間、その役員の事例紹介が 30 分、残り 30 分がお客様向けのご提案。私の役割は、後半 30 分のプレゼンおよびお客様と役員との通訳です。


お客様訪問自体は、それなりにシャンシャンと終わりました。実は、役員の事例紹介が 55 分、私の提案が 5 分・・・と、まぁ、よくありがちなパターンでして、「私からのご提案は、また別途日をあらためてお話差し上げます・・・(T-T)」 なーんて感じで、逃げたのですが。


ミーティング終了後、お客様がわが社の役員と世間話をされていました。私も通訳として間に入っていたわけですが、別れ際に、お客様がこんなことをおっしゃったのです。


お客様 「アメリカでは、新型インフルエンザは話題になっていますか ? 」
通訳(=私) 「Uhhh, ・・・ new type flu get into the news, in US ? 」
わが社の役員 「 ???(「一体何の話だ ? 」と私に目で訴えている・・・)」
通訳(=私) 「(や、やべ、わからないんだな・・・ こりゃ困った・・・)」
そうこうしているうちに、エレベータが開いて、役員と私はお客様と別れました。
「ありがとうございました、失礼いたします・・・」 (ほっ、何とか切り抜けた・・・)

アメリカ人の認識

帰りのタクシーの中。本日のプレゼンそっちのけで、私は役員からの質問攻めを受けました。
役員「new type fluって、何なのだ ? 」

私「世界的に流行してるじゃないですか、豚インフルエンザってやつですよ」

役員「わしゃ、知らんぞ ! 」

私「メキシコで発生して、アメリカでもかなりの人がかかったでしょ ? 」

役員「風邪なんだから、普通、感染するだろ ! 」

私「新種だから、毒性の強弱がわからなかったんで、みんな警戒してるんですよ・・・」

役員「なーんだ、だから成田空港で、みんなマスクしてたんだな。てっきり、大気汚染 (air pollution) が悪化したのかと思った・・・」
(実は、「毒性の強弱」のくだりあたりから、私の英語はかなり怪しくなっていました。役員に正しく伝わったかどうか、かなり不安・・・)


役員「それにしても、日本人はみんなその風邪にかかったのか ? 風邪ひいたなら、家で寝てればいいのに・・・」

私「いや、ほとんどの人はかかってないんだけど。単なる予防・・・」

役員「予防 ? 日本のマスクはそんなに効くのか ? 」

私「いや、アメリカ製と同じだけど・・・」

役員「なんだと ? じゃ、どうしてみんなマスクをしているんだ ! そういう法律があるのか ? 」

私「(そんなもん、ないわーーっ!ハァハァ)・・・」


上記の会話から、いくつかのことがわかります。

( 1 ) アメリカでは、新型インフルエンザのことが、大きなニュースにはなっていない。
( 2 ) アメリカ人にとって、日本におけるインフルエンザ対応 (特に、みんながマスクをしている様)は、かなり奇異に感じられる。
( 3 ) アメリカ人の常識では、風邪をひいたら、家でゆっくり休む。日本人のように、病気を押してまで仕事をしたりしない。
( 4 ) アメリカ人は、法律で定められない限り (仮に、法律で定められたとしても・・・)、全員がマスクをつけるようなことはしなさそう。自分なりのポリシーを貫くようである。(これは仮説です)

欧米における 「マスク」 と 「くしゃみ」

少し解説しましょう。まず、はっきりさせておくべきは、日本と欧米における、「マスク」認知度の差でしょう。私はかつて、ロンドンに半年、ニューヨークに 3 ヶ月住んでいましたが、その間にマスクをしている人をほとんど見かけることがありませんでした。なぜ、そんなことが言い切れるかというと、前述の通り、私は生まれつきノドが弱いため、人ごみでマスクを多用します。外国に長期間滞在するときは、日本から 10 個ぐらい持っていきます。自分でマスクをしているので、他にマスクをしている人がいれば、無意識に認知するはずなのですが、ほとんどいない(というか、99 %いない ! )。それどころか、マスクをして歩いていると、「ギョッ ! 」てな感じで驚かれることが多い。アメリカ人の友人いわく、「マスク姿は “テロ” を意識する」 とのことで、欧米人にとってはいいイメージがないようです。


では、欧米人が風邪をひいたら、どうするのか ? ということですが、それは上記 ( 3 ) のように、休む人が多いように思います。日本では、「風邪の引き始めは、薬でも飲んで、早く寝る」というのが常識。一方、欧米人は「風邪をひいたな・・・と少しでも感じたら、会社や学校を休む」というのが徹底されているように思います。だからこそ、症状が重くなったり、長引いたりしないわけで、それはそれで合理的なんですが。

 

次に、くしゃみや咳はどうするのか ? これは実体験からくる私の印象なんですが、日本人に比べると、欧米人はかなり豪快に「ゴホゴホ、ハーックション ! 」とやる人が多いように思います。特に、くしゃみの場合、「ハーックション ! 」とやると、「Bless you! 」なんて周りから言われて、いたわられます。


余談ですが、くしゃみをした人に対して、なぜ「Bless you!」というのか ?  「Bless you!」というのは、「God bless you! ( 神のご加護を!)」という意味でして、おそらくは、くしゃみをしている状態(風邪気味、または、だれかに噂されているかも ? )に対して、状況が悪化しないように、神様にみんなでお願いしよう、ということではないかと思います。


この「ハクション ! (英語では、 kachoo とか、 achoo とかいう)」 と 「Bless you!」 の関係において、「掛け合い」のタイミングが非常に難しい。「ハクション!」ときて、何秒も経過してから「Bless you!」では、間が悪い。かと言って、「ハクション!」とやる前に言うのはおかしい。ということで、「ハクション!」ときて間髪いれずに「Bless you !」というのがコツです ( コンマ何秒の世界 ! ジャマイカのウサイン・ボルトもびっくりです ! )。


「ハァ、ハァ・・・」
(来るぞ来るぞぉ、「Bless you !」の用意・・・)
「ハァ、ファァァァァ・・・」
(こ、これは大物だぁ・・・ 気合入れるぞぉ!)
「ファァアア ! ムニュムニュ・・・」
(あ、あくびかぁーーーっ ! ややこしいわーーーーっ !  寝るなぁーーーーーっ ! (T-T))
・・・なんてこともあるわけです。


さて、日本と欧米におけるマスクやくしゃみに関する位置づけの違いをきちんと理解した上で、今回のインフルエンザ騒動について見てみると・・・ 果たして、どんな示唆が得られるでしょうか? それについては、次回お話したいと思います。
(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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