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タカシの外資系物語

Time is “more than” money! ( その 1 )2009.02.03

電車が止まっている理由

先日、こんなことがありました。その日私は、同僚の Rick (アメリカ人) と、クライアントである A銀行に向かっていました。交通手段は「電車」です。

 

「えっ! 外資でも電車使うのか ? 」 って、驚かれているアナタ。実は外資では、みなさんの想像以上に電車を使っています。その理由は、「時間が読める」からです。ご存知の通り、月末や五十日 (ごとおび) の都内は、見込以上の時間がかかる場合がある。なので、時間を重視する外資では、電車を使うことが多いのです。


一方、海外では電車を使うことはまれで、移動のほとんどはタクシーです。日本ほど地下鉄などの交通機関が整備されていないことに加え、外をウロウロしていると、防犯上の問題があるというのがその理由です。

 

さて、 Rick と私は目的の電車が着たので、早々に乗り込んで出発するのを待っていました。と・・・、なかなか電車が出発しないではありませんか !


Rick 「What ? Something happens ? (どうしたんだ ? ) 」
しばらくすると、次のような車内アナウンスが流れました。


車内アナウンス 「・・・後続の列車が遅れているため、時間調整のため、少々停車いたします。この列車、 2 分後に出発の予定です・・・ 」
Rick 「Takashi! What? (タカシ ! どうしたんだ ? )」

Rickの質問に対して、実は私、少々ひるんでしまいました。ひるんだ理由は、以下の通りです。


(1) ( Rickには申し訳ないが・・・ ) 説明するのが面倒。というか、直感的に、理解してもらうのが難しそうな気がしたから。そもそも私自身が、この 「時間調整」 については納得していません。なんで、後続の電車の遅れのために、先に進んでいる電車が待たないといけないのか ? そんなもん、後続だけの遅れでええやんけー ! と思っている。もちろん、時間調整をする理由はわかるんですよ。電車間で間隔が空いたら、ホームに人が溜まってしまいますし、安全上もよろしくない。でも、でもーーーーーーーっ ! (T-T)
(2) 仮に (1) の説明をしたとして、Rickがブツブツ文句を言うのが目に見えており、それをなだめる自信がないから。


Rick 「TAKASHI ! 」
はいはい、説明しますよ !

私 「後続の電車が遅れてるから、時間調整してるんだよ・・・」

予想通りの反応・・・

Rick 「タカシ、意味が全然わからんな。ちゃんと説明してくれよ・・・」


予想通りやないかぁーー ! かれこれ 20 分以上、説明しとるやないかぁーーー ! (T-T) もう、クライアントのビルの入り口まで来とるわぁーーーー ! (T-T)(T-T) ハァハァハァ・・・


私 「だから、日本の電車っていうのは、1 つでも遅れた電車が出たら、みんなで時間調整するんだよ・・・」
Rick 「Why!? われわれの電車には、何の “非” もないじゃないか ? どうして待たないといけないんだ ! 」
わしもそう思っとるんやーーっ ! でも、そういう仕組みなんやから、しゃーない (仕方ない) やろーがぁーー! うがぁーーー !! (T-T)(T-T)(T-T)


・・・幸いなことに、お客様との面談時間となったので、私はRickの 「攻撃(=口撃)」 から免れることができました。しかし、このエピソードは、外資系企業 (というか、欧米人との付き合い) において、非常に重要なことを示唆してくれます。

 

その 1 つは、 「時間の重要性」 ということでしょう。特に、ビジネスの世界においてはそうです。かのシェークスピアも言っています。“Better three hours too soon than a minute too late”( 1 分遅刻するよりも、3 時間早すぎる方がいい・・・) オーバーなようですが、例えば、商談での 1 分の遅れは、命取りになるケースもあります。商談など、ビジネス上のオフィシャルな時間については、外資も日系も同じでしょう。

 

しかし、個人的な時間となると、外資と日系では、捉え方がかなり違うように思います。日系では、社内の個人対個人になった途端に、時間設定がルーズになったりします。
「3時からの打ち合わせ、ちょっと遅れるから、先に始めといて ! 」 「了解。10 分ぐらいなら待ってるから、気にしないで ! 」 なーんていうやり取りは、日系企業では頻繁に見受けられます。
一方、外資で「3 時からの打ち合わせ、ちょっと遅れるから、先に始めといて!」なーんて気軽に言った日にゃ、どうなるか ? 「どうして、約束した時間に来れないのか ?! 」「先に始めるなんて、二度手間だ !! 」「時間を返せ、訴えるぞ !!! 」 くらいの勢いで責められるのがオチです。

“ 時間 ” は返せない!

上記のような対応の違いが、なぜ起こるのか ? これは、ひとえに 「個人における時間の重要性」 が、外資と日系ではかなり違うからです。よく、“Time is money” とか言いますが、外資はそんなもんじゃない。「Moneyなら返せるが、過ぎた時間は返しようがないだろ ? どうしてくれるんだ ! 訴えるぞ !!! 」 そんな感じです。
実は私も、この考え方にはかなり共感しています。その瞬間の、その 10 分をロスしたために、素敵な何か (乙女チック !) に巡り合えないかもしれないわけで、他人の時間に影響を与えるということについては、非常に神経質に生きてきたつもりです。

 

だから、前述の Rick の気持ちはよくわかる。なんで、後続の遅れを連帯責任で背負わなければならないのか? この例は百歩譲るとして、心無い人がいたずらで踏み切りの警報機を押したり、線路内に立ち入ったりして電車が止まったりすると、「だれじゃーおらー(怒) ! なめとんのかぁーー ! 」という気になってしまいます (もちろん、人命にかかわるような場合は、そっちが優先されることが前提ですが)。


さて・・・ とは言いつつですよ ! 私も含め、多くの日本人は、時間調整で電車が遅れることについて、「ま、仕方ないか・・・」 と諦めています。しかし Rick によると、この時間調整のような仕組みは、ことアメリカではまず成り立たない (というか、そもそもそんな発想をする人がいないらしい・・・) とのこと。それは、なぜか ? そして、その考え方の違いが、金融危機時代の景気回復にも影響する可能性があるのです ! それについては・・・、次回お話いたしましょう。

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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