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タカシの外資系物語

部下から「辞めたい … 」と言われたとき ( その 3 )2008.08.12

奥さんの意見は ?

前回の続き ) 「会社を辞めたい … 」と言い出した M 君に対して、私は「タカシの転職基準」なるものを示して、再考するように促しています。前回までに話した基準は、「( 1 ) 給料は下がらないこと。 少なくとも、現状の 1.3 倍はもらうべし ! 」「( 2 ) 仕事内容は同じでも、役割が明らかに変わる部分があること ! 」の 2 点でした。さて、残りの 1 つとは …

 

私 「ところでさ … 家族の方は何て言ってるの ? 奥さんは ? 」

M 君 「え ? … 」
一瞬、M 君の顔色が変わったように感じました。

 

M 君 「別に … 『勝手にすれば ? 』って、言ってますけど … 」

私 「『勝手にすれば ? 』って … すごく重要なことだと思うんだけど、ね ? 」

M 君 「給料上がるんだから、喜んでると思いますけど … 」
じゃ、「給料上がるから、すごく喜んでます ! 」って、言えよ。「勝手にすれば ? 」って、そりゃねぇだろ …

 

M 君 「これは私の問題なんですから、うちの奥さんは関係ないでしょ ? 」
関係ないわけないだろ ? そんなんじゃ、転職なんてできないよ、M 君 …

私 「奥さんが積極的じゃないんだったら、もう一度、考え直した方がいいと思うよ … 」

M君 「関係ありませんよ !」

その転職は、家族の賛同を得られているか ?

個人的な意見を言わせてもらうと、家族の賛同がない転職は、かなりの確率でうまくいかないと思っています。なぜか ?

 

まず、簡単なところからお話しすると、「一番身近な存在である関係者に対して、転職のメリットを説明できていない」からです。家族というのは、自分にとっての最大の理解者であり、同時に最大の批評家です。なぜなら、自分のことを親身になって聞いてくれるのは、最後は家族しかいないからです。

 

もちろん、私は M 君の上司ですから、その関係において、M 君にアドバイスはするでしょう。しかし、最終的に「タカシに何と言われようが、辞めるちゅうとうんじゃーっ ! 文句あっかーーっ ! 」と言われてしまえば、それでおしまい。いくら M 君のことを心配しても、上司-部下の関係以上に、彼の人生にまで踏み込むわけにはいきません。

 

しかし、M 君の奥さんは、ずっと M 君と一緒に生きていくことになります ( 少なくとも夫婦の関係が正常に成り立っていれば … ですが )。だから、上司である私よりも、M 君の話を親身に、真剣に聞くはずです。そんな奥さんを説得できていないということは、その転職話は、やっぱり大した魅力・メリットがない可能性が高いのです。

 

それともう 1 つ。転職には痛みも伴うということを忘れてはいけません。転職を検討する段階では、「現在の仕事の悪い点」と「転職後の良い点」のみがクローズアップされており、一種の「転職検討ハイ」の状態になっています ( これを、「隣の芝は超・青い」状態ともいいます )。「現在の仕事の悪い点」を -50、「転職後の良い点」を +50 とすれば、-50 が無くなって +50 を得るわけですから、「100点」を獲得できるような「錯覚」に陥っています。しかし、これは大間違い ! 現在の仕事にも良い点はあるし、転職後にも悪い点が必ずあるのです。仮に、それぞれを +30、-30 とすれば、転職によって得られるのは、たかだか、差し引き「40点」でしかありません ( 実際には、+30、-30 というのは過小評価です。転職によって得られるのは、実はそれほど大きくはありません )。

 

気軽に話せる同僚がいない、社内プロセスを一切知らない、即戦力であることを理由に「そんなことも知らないのか … 」と嫌味を言われる … 等々、様々な辛さ。つまり、転職というのは、得るものもある代わりに、それなりの辛さを覚悟しておく必要があるということです。そんなとき、頼れるのは家族の支えです。どんなに好条件の転職であっても、転職後に凹むタイミングが必ずやってきます。そのときに、「あなた、頑張って ! 私がついているからさ。気長にやろうよ ! 」の一言があるのとないのとでは、本当に大違いなのです。

 

特に、これまでに転職経験のない方、もっと言えば、転校の経験もない方は、要注意 ! 逆に、転職や転校の経験がある方は、私の言っていることがよくわかると思います。私は多感な中学生時代に転校を経験しています。このときは、家族のサポートが薄かったので、非常に辛い思いをしました ( タカシの学生時代については、またの機会にお話します )。ノミの心臓並みに気が小さい私が、「転校で、俺の人生メチャクチャやーーっ ! ぐれるぞーーーっ ! 」と真剣に思ったぐらいですから。同じことは転職でも起こります。1 回目の転職では、まだ家族がいなかったのでグレかけましたが、2 回目は家内の支えで、何とか最初の半年を切り抜けることができたように思います。

人生における「家族」の重要性

幸せな人生を送る上で、「オカネ」というのは大きなファクターです。だれだって、できるだけたくさんのオカネがもらえる方がいいに決まっています。でも、「幸せな人生」というのは、「貧富」よりも、「家族」に大きく影響されると思うのです。大切な家族の支援なしに、幸せな人生を歩むことはできません。

 

「俺は独身だから … 」という方、あなたの恋人は、その転職に賛成してくれていますか ? 「俺は恋人いないから … 」という方、あなたの友人や両親は、その転職に賛成してくれていますか ?  「仕事ばかりで友達なんていないよ … 」という方、まずは友達作りましょうよ。仕事という関係を超えて、自分のことを思ってくれる存在なしには、人生は無味乾燥としたものになってしまいます。

 

説教じみた話をするつもりはないので、この辺でやめておきましょう。しかし、少なくとも家族のいる人は、その人が賛成してくれる環境を作ってから、転職した方がいいということです。

 

【転職の基準 ( 3 )】家族のいる人は、家族の賛同を得ていること。「勝手にすれば ? 」なんていう反応ではダメ ! きちんと説明すること !

私 「今日、俺が話したことを踏まえて、もう一度、奥さんと話してみなよ。今日のところは、“保留” ってことにしとくから … 」

M 君 「はい … 」

 

数日後、再度 M 君が私のところにやってきました。結論は、「来月末で、転職したい。奥さんも全面的にサポートしてくれるので … 」ということでした。

 

「え !? タカシは M 君を説得できなかったの ? 」ま、そういうことですね。いつも、ハッピーエンドというわけではありません。そもそも、どっちがハッピーか、わからんし … それよりも、M 君が自発的に自分のやりたいことを「やりたい ! 」と言い出したこと、そして、それを M 君の奥さんが理解して、夫婦で頑張っていく決意をしたことを尊重したいと思います。上司としては、かなり痛いんですが、ね …

 

ということで、今日は M 君を誘って、お昼にうなぎでもご馳走することになっています。「うな重特上 3,000 円なり」餞別としては、こんなもんでいいかな、と ( 安いか ? )。

 

私 「ま、いろいろあると思うけど、奥さんと一緒に頑張れよ ! 」

M 君 「それが … 家内のやつ、今になって、『給料安すぎる、役職が中途半端 … 』とか、いろいろ言い出しまして … タカシさんから説得してもらえませんかねぇ … (T-T)」

 

し、知るかぁーーーっ ! 話し合ったんとちゃうんかーーーーーっ ! これでは、また数時間の面談が必要なようです。いつまでも手がかかるやっちゃーーーーっ、トホホ … (T-T)(T-T)(T-T)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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