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タカシの外資系物語

部下から「辞めたい … 」と言われたとき ( その 1 )2008.07.29

「ちょっと相談が … 」 = 退職 ?

「タカシさん、ちょっとお話があるんですが …」

先日のこと、メンバーの M 君から相談事があるというので、面談を実施することにしました。
「実は、会社辞めようかと思いまして … 」
やっぱりね … 部下から、かしこまって「相談事」を持ちかけられた場合、80% 以上はこの手の話です。

 

私 「で ? 」
M 君「で ? って … 、驚かないんですか ? 」
驚いていますよ、そりゃ、それなりに … でも、「えっ … ( 絶句 )」 とか、「そ、そんなぁ … 辞めないでくれよぅ … (T-T)」と言ってみたところで、辞めるやつは辞めるものです。私のリアクションひとつで気持ちが変わるなら別ですが、そうでもないなら冷静に聞いた方が体にも心にもいい。

 

数年前、マネージャーに就任した当初は、部下から「会社、辞めます ! 」と言われるたびに、「あわわわ … 」と、うろたえていました。「辞めます … 」という一言を聞くのが嫌なので、気持ちが変わってくれるのを期待して、面談を意識的に何度もリスケしたこともあります。

 

しかし、そんな私の苦労など関係なしに、やっぱり辞めるやつは辞める。なぜか ? それは簡単なことでして、そのスタッフが辞める事と私自身の行動とは殆ど相関関係がないからです。「上司のタカシが嫌だから会社を辞める ! 」というのなら、私が態度を改めるか私をクビにすれば、そのスタッフは思いとどまるかもしれません。でも、それが理由だったことは未だかつてありません。

 

また、上司である私がうろたえてしまう理由は、「あいつの穴を埋めるのは大変だ … 」「自分が上司であるときに退職されたのでは、自分の評価が下がるかも … 」などという、「上司の都合」でしかないのです。はっきり言って上司にとってみれば、部下が退職するのはヒジョーに面倒です。でも、それも含めて上司の仕事の一環ですから、この期に及んでそんなことを言っても仕方がない。本人にとっても関係のない話ですから、退職が決まってから悩めばいいのです。

 

私 「そりゃ、部下に “辞めます ! ” って言われて、驚かない上司はいないだろうさ … でも、そっちもかなりの決意で話をしているんだろ ? まずは、そっちの言い分を教えてよ … 」

「止めて欲しいの ? 」

M 君 「この会社に来て 2 年ほどやってみたんですが、どうも、自分のやりたいことができないような気がして …」
思わず「自分のやりたいことって、何やねん ? 」とツッコミかけたのですが、少し我慢して聞いてみることにしました。

 

M 君 「別の “フィールド” で頑張ってみようかな、と … 」

 

私 「“フィールド” って、何やねん ! カッコつけんな !! 」
いやぁ、思わずツッコンでしまいました、ハハハ … “フィールド” って、あんた … どこの業界やねん。“会社” と言え、“会社” と …。

 

私 「で、次はもう決まってるの ? 」

 

M 君 「いや、もうすぐオファーのレターが来ますので、それにサインしたら決定です」
あのなぁ … そういう段階を、世の中では「決まってる」って言うんだよ !

 

私 「そこまで進んでるんだったら、もう決まりじゃん。で、どうしたいの ? 」

M 君 「少し、悩んでまして … 」

私 「何を ? 」

M 君 「転職すべきかどうか … 」

私 「自分のやりたいことが、うちの会社じゃできなくて、その会社でならできるんだろ ? じゃ、仕方ないやね。ご苦労さん ! 」

M 君 「止めないんですか ? 」

私 「止めて欲しいの ? 」
ダメだコリャ … この手のパターンは、転職をチラつかせているものの、実際には「行かないでくれ ! お前が必要なんだぁー(T-T)」という一言を待っているのが大半です。

 

私 「あなたが判断したんでしょ ? はっきり言うが、私はあなたじゃないからわからんよ … 」

M 君 「本当に、辞めて大丈夫でしょうかね ? 」

知るか、んなもん ! 何が言いたいんじゃ、コイツは !!

 

私 「じゃ、話してみな。どこの会社に転職しようとしているの ? 」

M 君 「いやぁ、それだけは勘弁してください … 」
アホかぁーーーーーーーーーーっ ! (T-T) 行き先もわからんのに、コメントなんか出来るかぁーーーーーーーーーーーーーーっ ! (T-T)(T-T) ハァハァハァ ・・・・

 

私が呆れ返っていると、M 君はしぶしぶ、転職先の会社名と条件を話し始めました。
「実は、○○コンサルティングから、マネージャーとしてオファーを受けています。職種は、戦略コンサルティング部門でして、年俸はXXX万円 … 」

転職の “基準” とは ?

M 君 「 … という条件です。今の会社では IT ベースのコンサルしかできませんでしたが、あっちだと戦略系の仕事も多いみたいだし、給料も上がるので、いいかな、と …」

 

私 「イマイチだね」

M 君 「へ ? 」

私 「どうも聞いていて、納得感がないんだよね。転職するほどの魅力あるか、それ ? 」

M 君 「でも、今よりはいいと思うんですけど … 」
じゃ、行けよ ! アホか !! と言ってしまっては話が終わってしまうので、私はグッと我慢して話を続けました。

 

私 「自分で決めたんだろうから、それを止める権利は俺にはないんだけど … でも、なんか止めたくなるなぁ、その話 … 」
一瞬、M 君の目が光りました。予想通り、止めて欲しいようですな、こりゃ …

 

M 君 「1 つ質問なんですが … タカシさんはどうして、『イマイチ』だと思ったんですか ? 」

私 「“基準” に合わないからだよ」

M 君 「き、基準 ? 」

私 「基準だよ、基準。あなただって何らかの基準でもって、その会社の方がいいと思ったんでしょ ? ちなみに、あなたが決めたのはどんな基準よ ? 」

M 君 「いやぁ、何となく今よりはいいかなって … 」
はい、決定 ! M 君は転職しない方がいいし、転職する気もないようです。本当に転職をしようと思っている人は、かなり具体的に決め手となる基準を提示できるもの。逆に言うと、その基準が具体的でないなら、転職なんかしない方がいい。かなりの確率で失敗します。

 

M 君 「ち、ちなみにタカシさんの “基準” とは … ? 」
私は、自身での 2 回の転職経験と、幾多の同僚・部下の転職 ( 成功もあるが、失敗もある ) を見てきました。それを踏まえ「転職するのに満たすべき “基準” 」を、自分なりに明確に定義しています。今後の M 君のためにも、少し話してやりましょうかね。

 

私 「しょうがねぇなぁ、教えてやるよ … まず、基準 ( 1 ) は給料。給料は、現状の○倍以上もらえること !・・・」

 

続きは、次回のお楽しみとしましょうかね。

( 次回続く ) 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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