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タカシの外資系物語

外資における部下の叱り方・叱られ方 ( その 1 )2008.07.15

タカシ、営業会議で叱られる !

「今月の売り上げは○○円、目標に対して 20% の未達 ! チーム別の成績を順に言うと、John チームは 25% の未達 ! … 」

 

私が所属する事業部では、月初めの第一月曜日の午前中に営業会議を行います。会議では、その時々の様々な話題が議論されるのですが、メインは前月の「営業成績 (=売り上げ、稼働率など )」の発表とその対策。事業部長である Thomas 自らが司会し、チーム毎の成績を、全マネージャーのいる前で発表していきます。事業部には 7 つのチームがあるのですが、私はその中の 1 チームのリーダーをやっていますので、毎回成績を読み上げられる対象となっています。

 

「… タカシチームは 17% の未達 ! …」

 

げげっ ! やっぱりかぁ …(T-T) トホホ … まぁ、当事者である私は、自分のチームの成績ぐらい事前にわかっていたんですけどね。でも、何かの計算違いで「タカシチームは目標に対して 17% を上回る達成 ! おめでとう ! …」なーんてことにならないかなって、淡い期待を抱いていたんですが。やっぱ、無理か …

 

私の会社では、営業目標のことを Committed Target といいます。実は、この「Committed」という言葉が曲者でして、辞書を引くと「約束する、誓う」とあります。つまり、Committed Target は「約束した目標」という意味。一般に、外資系企業で Commit という場合、「絶対に達成することを約束する」ということになります。要は、雨が降ろうが槍が降ろうが、何が何でも達成しなければならないことであり、どんな言い訳も通用しないことと認識されています ( ちなみに、「22% の未達 ( 下回った )」は、
22% de-committed、「22% の達成 ( 上回った )」は、22% achieved と言っています )。

 

ま、日系だろが外資系だろうが、何らかの売り上げ目標が存在し、その成績に一喜一憂しているのは同じこと。読者のみなさんの中にも、営業会議で同じような目に遭っている方は多いと思います。

 

今回のコラムで私が取り上げたいのは、このような営業会議での上司の反応と部下の反応について。これについては、日系と外資系、または日本人と外国人でかなりの「差」があるように思います。言い方は人それぞれですが、明らかにパターン化されているのです。

日本人上司の叱り方・3 パターン

営業成績が良くなかった場合、上司は会議でどのように反応するか ( つまり、どのように叱るか )? 私の経験では、日本人上司 ( 日系・外資系とも ) は、以下の 3 パターンに分かれます。

 

( パターン 1 ) 長時間かけて「責める」タイプ
大声で怒鳴って罵倒するタイプと、ネチネチと文句を言うタイプがありますが、実は「言い方」は大した問題じゃない。とにかく、長いんです、このタイプは … 私が経験した「最長記録」は、約 3 時間に渡って、会議室の壇上に立たせて罵倒し続けた上司がいました ( 幸いなことに、怒られたのは私ではありませんでしたが )。怒られた本人は、さすがに憔悴し切っていましたけどね。でも、その上司、その夜に罵倒した部下を飲みに誘って、翌日からは普通の関係に戻っていました。ま、日本人上司の典型的なタイプかもしれません。

 

( パターン 2 ) 何も言わない、つまり「責めない」タイプ
会議では結果だけを淡々と告げて、後から呼び出されるかと思いきや、何も言われないタイプ。部下にしてみれば、扱いにくい上司です。その割に、ボーナスの査定では、数字だけを根拠に評価しているし。傾向として、高学歴の上司に多いように思います。

 

( パターン 3 ) 俺はなんて不幸なんだ、俺のどこが悪いんだ … と 「自分を責める」タイプ
私が一番びっくりした上司は、なんと部下の前で涙を流して、リアルに泣き ( ! ) ました。「このままでは俺は出世できない。みんなで俺をいじめているのか … オーイ、オイ (T-T)」… って、まぁ、しかし、泣かれてもねぇ … 怒られているはずの部下に、「課長、まぁそう言わずに、頑張りましょうよ ! 」って、慰められたりして … なんじゃこりゃって感じです。

 

最近、「コーチング」なんて言葉が流行っていまして、そこでは「効果的な部下の叱り方」なんてのも紹介されています。しかし、現実問題として部下の成績が自分の給料に直結するような局面で、「どうにか部下を育ててやろう ! 」なんて殊勝な態度をとる上司は、私の知る限りあまりいませんでした。営業分野で出世するタイプは、間違いなく ( パターン 1 ) が多いように思います。( パターン 2 ) は、企画・管理畑を本職にする人が多いかな、って感じですね。

外国人上司は叱らない ?

さて、外国人の場合はどうでしょうか ? 結論から言うと、外国人上司の反応も、日本人と大差はありません。強いて言えば、( パターン 3 ) は少ないかもしれませんが。一方で、外国人上司に共通した日本人との「差」があります。それは、叱るのに「時間をかけない」ということです。

 

外国人だって、怒る人は怒ります。しかし、3 時間もつるし上げるようなことはしません。なぜか ? それは、その場で部下を吊るし上げたところで、何も解決しないと考えているからだと思います。

 

基本的に、日本人というのは、「相手も自分と同じ気持ちで聞いていてくれるはず … 」という前提で話します。「自分なら、カミナリを落とされればショックを受けて頑張るので、相手も頑張ってくれるだろう」「泣き落としされれば、哀れに思って頑張るので、頑張ってくれるだろう」… という前提で、上記のような態度を取っているように思います。そこには、単一民族国家として、「言えばわかる」という前提の考えが底流にあるように思います。

<BR/>一方、外国人 ( 特に、グローバル外資系企業に勤めている人 ) というのは、異なる民族や文化的背景を持った部下を管理することを前提に行動します。外国人が前提としている部下は、「言ってもわからん」場合が圧倒的に多いわけで、そういう相手に時間をかけて怒鳴っても、または泣き落としをかけても、ほとんど効果はないと考えています。

 

その代わり、外資系の外国人上司は、必ずといっていいほど、成績の悪かった部下に「対策をレポートせよ ! 」という命令を出します。これは、「過去の成績をクドクド言っても仕方ないので、次のアクションを重視している」という見方もできますが、それは結果論にすぎません。私の感覚では、外国人上司は、考え方の違う人種、例えば日本人に自分の考えを伝えるのが面倒なので、喜怒哀楽を交えて話したりしないという理由の方も大きいように思います。

 

Thomas 「Takashi, 17% de-committed!」
あっちゃー、…(T-T)

 

Thomas 「Send your recovery plan, asap! ( すぐに対策のためのプランを送るように ! )」

私 「Uhh, OK … 」

会議が終わって、Thomas が私のところに近付いてきました。

 

Thomas 「Takashi … 」

私 「( おいおい、何だよ … レポート上げればいいんだろ … ) ん ? な、何 ? 」

Thomas 「今日の会議、俺はお前にガッカリしたぞ … 」

私 「へ ? (T-T)」

Thomas 「数字もそうだが、それよりも、お前の態度にガッカリした … 」

Thomas は、一体、私のどういう態度にガッカリしたのでしょうか ? 次回は、営業会議での「部下の反応=叱られ方」についてお話しましょう。

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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