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タカシの外資系物語

「ルール」を作る人になれ ! ( その 2 )2008.06.17

タカシ ゴミ出しに悩む …

( 前回の続き ) 今回は、ルールを作る側とその背景・理由の話をしましょう。 「ルールを作るなんて、そんなこと、できるの ? 」 確かに、法律というレベルで見た場合、政治家にでもならない限り、ルールを作る立場にはなりえません。ルールを作るということに対して、実感が持てないのもわかります。

 

もう少しミクロの単位で見てみましょう。例えば、家庭内でのルール。我が家では、お風呂の掃除とゴミ出しは私がやるというルールになっています ( 一応 ! )。「あなたは何もしなくていいから。全部私がやるから、無理しないでね … 」と、奥さん。なんと泣ける言葉でしょう。オーイオイ … (T-T) 実は昨年までは、全てを奥さんに任せていたのですが、子供が産まれたこともあり、少しでも家内の負担を減らすことができればという、私の一世一代の大宣言なのです ( そんな大げさなことか … 私がしゃしゃり出ると、かえって手間がかかるという説もあり )。

 

風呂掃除はいいとして、ゴミ出しが結構大変。うちのマンションでは、ゴミ収集日の前日夜間に生ゴミを出す人がいて、深刻な「カラス被害」が起こったことがありました。再三の警告にもかかわらず、夜間のゴミ出しを止めない人がいたために、組合の理事長がブチ切れて、ゴミ置き場をビデオで撮影するという事態にまで発展 ! 平和なほのぼのマンションが、まるで仁義なき戦い、修羅場の様相を呈した時期がありました。

 

というわけで、ゴミは必ず、当日の「朝」に出すという鉄のルールが設定されたのです。ただ、この「朝」っちゅうのが、超ビミョー。一体何時からが朝やねん ! 例えば私の場合、1 週間に 1 日程度は、ほぼ徹夜で仕事をせざるをえない状況に追い込まれます。午前 4 時頃に床に就く場合、ゴミ収集車が来る 8 時まで、4 時間しかありません。4 時間後にゴミ出しのためだけに起きるのか ? 4 時まで仕事したんだから、できれば 10 時頃までは寝たい … ( もちろん、午前中に別の用事がない場合だけですが )。 では、寝る前にゴミを出しに行くか … いや、4 時では「朝」とは言えんから、ビデオで撮られて糾弾されても困るし … どないせぇちゅうんじゃーーー ! (T-T) おちおち寝てられんわーーー ! (T-T)(T-T) ハァハァハァ … なんて言いながら、毎回ものの 1 分で寝てしまうのですが。大騒ぎした挙句、結局、奥さんにゴミ出しをお願いしています。なんか、情けなし …

ルール = 役員の都合

さて、話を戻しましょう。ゴミ出しに悩んでいる部分だけを見ると、「何をくだらんことを悩んどるのだ ! ゴミなんか出したらしまいやろ、はよ出せ ! 」と言いたくなります。しかし、「カラス被害」「組合によるビデオ撮影」という背景まで読めば、私が夜中にのたうち回って悩んでいる理由もわからんでもないでしょう ? ( わからんかな … ? )

 

上記のように、ルールというのは、必ず何らかの理由・背景を持っています。それを正確におさえていないと、「なんで、こんなくだらんルールがあるんだろ ? アホらし、やーめた ! 」という話になりがちです。

 

例えば、私の会社では、1 週間の「稼動実績」( =どのプロジェクト or クライアントのために、何時間仕事をしたか ? ) を、その週の金曜日夕方に、社員全員に報告させるというルールがあります。実はこのルール、実際に報告する立場に立ってみると、かなりウザい。「金曜の夕方ってことは、まだ今日の仕事が残っとるやんけ ! これから何時間働くかわからんのに、事前に報告なんかできるかーっ ! 金曜が完全に終わってからにせぇやーー ! 」という気持ちになるわけです。

 

しかし、違う観点で見ると、金曜の夕方に報告させることには、強い理由があります。それは、報告時期を「土曜」にズラしてしまうと、ほとんど人は報告しなくなるからです。結局、月曜になって、全員の報告が終わるのは月曜夜、結果がわかるのが火曜の朝 … とズルズル遅れていきます。

 

そもそも、週ごとに稼動を報告させている最大の理由は、わが社の経営陣が、その週のビジネス状況を把握することにあります。金曜の夜に、当該週の稼動状況を把握し、問題があるようなら( 例えば、稼動していない人 ( ヒマ人 ) が多い、逆に残業が多い など )、週末に対策を検討し、次の月曜早々に手を打つためにやっているのです。

 

なので、報告上のルールとしては、「金曜分は “見込み” で構わない。見込みと実際がズレた場合には、月曜に上書きして構わない」となっています。仮に、金曜の見込み数値が正しくなかったとしても、月曜から木曜までは正しいわけで、「80% ( 5 日のうち 4 日分 ) は正しい結果」を、金曜夜の段階で把握することができます。これを、金曜も正しい結果で報告するとなると、正しさは 100% に向上するものの、把握する時期が次の火曜の朝になり、外資の経営スピードとしては遅いわけです。

 

さて、金曜夕方報告のルールがあるにもかかわらず、多くの社員が報告しなかった場合、経営陣は何と言うか ? 「うちの社員は、私に正しい判断をさせようとしていない。会社をより正しい方向に持っていく気がないのではないか ? 」となり、極端な場合、「意思決定したくてもできない ! 」と言い出します。こうなると、かなりヤバイ。客観的に見て、だれが悪いかというと、金曜夕方報告をしなかった人が一番悪いわけで、非常に厳しいペナルティが課せられる可能性があります。つまり、ルールの背景を理解しないで、自分の都合だけで解釈していると、思わぬしっぺ返しが来る可能性があるということです。

外国人がルールに従順な理由

私が、「( どんなにくだらないと思えても ) ルールは守るべし ! 」と言っているのは、まさに上記の理由からです。ルールには、必ず背景・理由があります。そして、その背景や理由は、ほとんどの場合、経営陣や管理職の都合が優先されます。一般社員の目から見ると、「なんじゃこのルール、アホらし … 」と思えるものでも、経営の観点から見ると重要なわけでして、そこを見誤ると、単なる「反乱分子」でしかありません。現状の経営を、その経営陣に任せている以上、ルールには従うべきなのです。

 

外国人の同僚と仕事をしていると、ルールを守ることについて、極めて従順なことに気付きます。フリー・ディスカッションのときには、あれだけ口うるさい連中が、ひとたび定められたルールに関しては、ほとんど異論をはさむことなく、ひたすら従います。

 

一方、ルールに関してブーブーうるさいのは、ほとんどが日本人です。
ブーブー日本人 「んったくぅ … こんな面倒なルール、意味あんのか ? なくなればいいのに …」

 

これに対して、外国人の多くは何と言うか。
従順外国人 「文句があるなら、ルールを作る側 ( =経営陣・管理職 ) になってから言え 」 
まさにその通り。自分の都合だけでブーブー文句を言う暇があるなら、チャッチャとルール通りに処理した方が、はるかに生産的です。

 

もし仮に、現状のルールがおかしいなら、そのルールを作った経営陣は、そのうちいなくなります。逆に、その経営陣が好業績を上げて長期間居座るようなら、そのルールはそれなりに正しかったことになります。ルールというのは、そういうものなのです。

 

ここで強調したいのは、外国人というのは、ルールに無頓着だから従順なわけではないということ。ブーブー言うことに意味がないと考えているから言わないだけで、常に「自分が経営陣になったら、こんなルールにしよう」ということを考えています。その証拠に、外国人の経営陣というのは、着任早々、非常に具体的なルールを設定して、組織を自分の「色」に染めようとします。こんなことができるのは、常日頃から「自分色のルール」を考えているからに他なりません。役員に着任しても、ルールはおろか、方針さえ出さない日本人経営陣の何と多いことか … 反省すべき点が多いように思います。

 

余談ですが、私は来年、マンションの理事長になることが決まっています ( 輪番なので )。私が就任した暁には、「ゴミ出しは、収集日前日の午前 4 時より可能 ! 」を通したいと企んでいる、今日この頃です ( 話のスケールが、ショボい ! )

 

さて、次回はいよいよ 「連載 400 回」 です ! お楽しみに !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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