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タカシの外資系物語

“ 外資に必要な英語力 ” と “TOEIC” ( その 3 )2008.05.27

( 前回の続き ) 前回のコラムでは、TOEIC などの試験は「社内資格」として割り切り、ひたすら点数を上げることに特化すべきだということ。また、英語を「勉強」として捉えずに、意思疎通の「手段」として取り組む姿勢を持つことについてお話しました。

 

とは言うものの、TOEIC の点数だけでなく、英語力そのものを向上したい …、身振り手振り主体のカタコト英語ではなく、それなりの英語でコミュニケーションしたい … という欲求はあろうかと思います。今回のコラムでは、本質的な英語力を身につけるための具体的な勉強法についてお話します。

 

自分の経験に照らして考えてみると、英語力を向上するために重要なことは、以下の 2 つに集約できると思っています。

 

( 1 ) 毎日、定期的に英語に触れる機会を設けること
( 2 ) 英語ができないと「ヤバイ」状況に、自分を追い込むこと
以下、順を追ってお話しましょう。

「英語」を生活の一部に組み込む

先日のこと。ある場所に行くのに、自転車に乗る機会がありました。自転車 … そういえば、かれこれ何年、自転車に乗っていないでしょう ? 最近、移動といえば電車か車、冗談抜きで乗り方すら覚えていません。

 

「ははは … ( 乾いた笑い )。まさか、乗り方忘れた … なんてことはあるまい ! 」
… そ、それが、すっかり忘れてしまっているのです ! いきなりまたがって走り出せばいいのでしょうが、奥さんの自転車を借りているため、奥さんより股下の短い私には、またがることができないのです ( サドルを下げればいいのですが、それはプライドが許さない ! しょーもない、プライドです … )。

 

「ペダルに片足をかけて、ちょーん、ちょーん、てな感じで乗り始めた気がするぞ … よーし、やってみよう ! おりゃーー ! 」

 

私は左側のペダルに右足をかけて、いざ、前に進みだしました !
「な、なんか、違うーーーーーーーーーーった、助けてーーーーーーーーーーっ ! (T-T)」

 

賢明な読者のみなさんはおわかりだと思うのですが、「左側のペダル」にかけるのは「左足」です。私は、左ペダルに右足をかけたまま止めるに止められず、自宅の前の道路を 100m ぐらい進んでしまいました。大道芸の曲芸師か、ワシは … 。

 

さて、英語というのは「言語・ことば」です。ことばというのは、日常的に使い続けてこそ、その能力を維持できるし、いざという時に使うことができるもの。そういう意味では、自転車の運転に近いものがあります。つまり、毎日、何らかの形で接点を持ち続けることが重要なわけです。

 

では、毎日接するために、どのような方法があるか。一番お手軽なのは、NHK の英会話などを聞くことでしょう。地道にコツコツやる「自信」のある方には、この方法をオススメします。

 

しかし、NHK の英会話を 1 年間続けられた人というのは、そうそういないのではないでしょうか。私など、NHK の「やさしいビジネス英語」( 実は、内容は非常に難しく、全然やさしくない ! のですが … ) の 4 月号のテキストが、本箱に何年分も眠っています。つまり、4 月号のみ ( それも、最初の数日間しかもたない … 情けなし ! ) でやめちゃってるわけです。「バカだねーー ! 」と思ってる皆さんの中にも、実は結構いらっしゃるんじゃないでしょうかねぇ …

 

継続する上で重要なポイントは、「生活の一部として組み込むこと」だと思います。「生活の一部」とは、例えば、通勤途上で i-Pod で聞くとか、お昼休みに必ず目を通すとか、負担にならない方法で、一日の流れとしてサラッと実施できる様な方法です。NHK の英会話が続かない理由は、「録音した ( または購入した ) 放送の音声を、テキストを見ながら確認しなければならない」という固定観念があるからで、「聞きながらテキストを見なければならない ! 」というのが、何となく勉強チックな雰囲気をかもし出し、負担感が生じるのではないでしょうか。テキストなんか買わなくていいので、とにかく簡単なレベルの英語を聞く、すでに日本語で理解しているニュースを英文で読んでみる … 言い換えると、片手間でできるような状況において、楽勝でできる方法こそ、明らかに長続きするように思います。

 

私自身は、リスニングは何とかなると思っているので、毎日はやっていません。その代わり、リーディングは、ちょっとサボると英文を読むスピードが極端に鈍るので、毎日行うようにしています。私が活用しているのは、「NewsWeek」誌の Digital 版です。日本版の「NewsWeek」を定期購読しているのですが、その Digital 版では、日本語に翻訳前の英文を見ることができます。まず日本語で雑誌を読んで、その後 1 週間かけて、面白かった記事の英文を、休憩時間に読むようにしています。

ヤバい経験が「英語」力を伸ばす

さて、上記のように、毎日何らかの形で英語に接する環境が作れたとします。しかし、この環境は、「英語力を向上する」というよりは、「英語力を ( 現状レベルに ) 維持する」ことの方にこそ、より効果的です。つまり、普段の取り組みでは、飛躍的な英語力はあまり望めないものなのです。

 

私は、英語力というのは、非常に濃密な経験をしたときに、爆発的に向上するものだと考えています。その「経験」とは何か ? それは、英語ができないと「ヤバイ」状況に追い込まれた経験のことです。

 

私は学生時代に「ESS」に入っていました。ESS というのは、English Speaking Society の略で、みんなで集まって英語を勉強しようというサークルです。ESS では、毎日お昼時に集まって、英会話の練習をするのですが、これがまぁ、来る日も来る日もやっているわりには、英語力の伸びないこと、伸びないこと … 理由は簡単でして、この方法は、「英語力を維持する」ためには有効ですが、伸ばすための要素に欠けているのです。その要素こそ、「ヤバイ」状況 というわけです。

 

では、「ヤバイ」状況 とは何か ? それは、自分の英語によって、他人に迷惑をかけたり、会社に影響を与えたりするような状況のことです。人間というのは、自分が恥をかくだけですむ状況では、結局のところ、妥協してしまいます。「いやぁ …、私、英語下手なもんで ! 」と開き直れば、それで終わり。「ま、そのうち練習すればうまくなるから、次の機会に … 」 などと、諦めてしまうのです。

 

しかし、他人や会社に迷惑がかかるとなれば、話は別でしょう。「いやぁ …、ポリポリ … 」なんて言ってられません。伝えたい事がどうしても伝わらない時、それが伝わらなければ会社に損害を与えるような状況に追い込まれたら、自分がこれまでに覚えた単語を総動員して、それでもダメならジェスチャーや筆談を使って、それでもダメなら土下座して、「なんとか、理解してーーーーーーーーーっ ! (T-T)」… となるでしょう。そういう状況を経験すると、飛躍的に英語力が向上します。

 

私の経験則からしても、大学 4 年間で全く伸びなかった英語力が、外資系企業に入って 2 週間の海外出張を経験しただけで、異様な伸びを見せました。ですから、英語を使う仕事につけるチャンスのある方は、「自分なんて、まだまだ無理だ … 」と思わずに、苦労を覚悟で飛び込んでしまうことをオススメします。また、職場に外国人がいるケースなら、当たり障りのない世間話ではなく、積極的にビジネスの話を持ちかけて議論すべきです。最初のうちは確かにつらいですが、ま、何とかなるもんです。

 

私はこの事を、身をもって知っているので、英会話学校のグループクラスなどに対して、かなり懐疑的です。なぜなら、「ヤバイ」状況になりえないからです。和気あいあいとした英会話クラスに期待できるのは、英語力を現状レベルに維持する以上のものではないと思います。

 

もちろん、英会話学校でも、「ヤバイ」状況を作ることは可能です。少しコストがかかりますが、個人レッスンのクラスを選んで、講師に次のように頼むのです。「本日のレッスンでは、私がセールスマンとしてある商品をクライアントにプレゼンする設定とします。あなたはクライアントの立場で、プレゼンに対して “いちゃもん” (melicious claim/objection) をつけてください … 」実は私も試したことがあるのですが、英会話学校の講師は、このようなお願いを喜んで引き受けてくれます ( おそらく、既成のテキストで教えることに飽き飽きしているのでしょう )。 みなさんも、是非お試しあれ !

 

というわけで、3 回にわたって、英語についてお話しました。ま、かく言う私も、それほどえらそうに言えるような英語力があるわけではありません。もうすぐ私も 40 歳になりますが、英語については一生学んでいく必要があるのだと思っています。では !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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