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タカシの外資系物語

“ 外資に必要な英語力 ” と “TOEIC” ( その 2 )2008.05.20

ギリギリでもええやんけー !

前回の続き ) 前回のコラムでは、たとえ日本語しか使わない仕事をしていても、外資では英語が要求される背景と、英語ができる / できない を測る基準として TOEIC が活用される理由の説明をしました。

 

今回はまず、「 TOEIC の点数をどうやって上げるか ? 」についてお話しましょう。

 

実は、拙著『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』( あさ出版 )においても、TOEIC の得点術については、「 TOEIC テスト “それなり” 得点取得術」として、730 ~ 800 点程度の点数を取るための方法を紹介しています。また、過去のコラムにおいても、私自身の TOEIC 受験の経験をご紹介しています『 TOEIC 受験大作戦』 参照のこと。)

 

さて、では、私が会社に申請している正式なスコアは何点なのか ? 実は、「 805 点」です。

 

【想定される皆さんからのコメント】
( 1 ) 「えらそうに言ってるわりには、低いやんけー ! 」
( 2 ) 「マネージャーとして要求される点数、ギリギリやんけー ! 」

… ま、確かに … えらそうに言えるレベルではありませんな … ( ただ、これでも銀行員時代よりは上がってるんですよ、実は ! )

 

ただ、1 つだけ言えることがありまして、「要求レベルである 800 点はクリアしている」ということです。「ギリギリやんけー ! 」でもいいんです。805 点ギリギリであろうが、満点であろうが、「クリアしていること」に変わりありません。このことは、非常に重要なことなのです。

点数さえ取れればいいではないか !

皆さんの会社で要求されるスコアが、600 点なのか、730 点なのか、800 点なのか … それは様々だと思います。ここで重要なことは、「設定されたスコアをクリアすればいい」のだということ。極端な話、英語力はそれほど伸びていなくても、点数さえ取れればいいのです。

 

もちろん、英語力そのものの上達と TOEIC のスコアが比例して伸びていくのがベターであることは、言うまでもありません。しかし、TOEIC スコア獲得の方が、優先順位が高い ( 何らかの理由ですぐに点数を上げなければならない、切羽詰っている ) 場合には、両者は切り離して考えた方がいいと思います。

 

先週のコラムで、私の部下である A くんは、TOEIC のスコアを上げるために、「 NHK の英会話とか、英字新聞読むとか … 」 という勉強をしていると言っています。が、私はこのような作戦で、短期間で点数を上げた人を見たことがありません。なぜか ? TOEIC というのは「テスト」なのですから、そのルールに則った勉強を集中してやった方が、より成果が上がるからです。大学受験でいえば、「傾向と対策」 とか 「赤本 ( 受験校の過去問集 ) 」 をひたすらやった方がいいのです。NHK の英会話や英字新聞は、スタンダードな英語力をつけるためには効果的ですが、短期で TOEIC を上げるのに適しているとは言えません。

 

では、私のオススメ勉強法は何か ? それは、「自腹を切って、対策講座などのスクールに通うこと」 です。市販の問題集ではダメ ! 理由は以下の通り。

 

・市販の問題集では、数千円レベルの出費なので、「ま、いいか … 」となりがち。スクールならば、数万円かかるので、意地でもやる ( 可能性が高い )
・自分以外の他人が、強制的にやってくれないとダメ ( そういう意味では、奥さんや旦那さん、彼女や彼氏がビシビシやってくれるなら、市販の問題集でもいいかも … )。

 

かく言う私も、銀行員時代に留学生試験を受ける際、基準となる TOEIC スコアを獲得するために、スクールに通い、10 万円近く払った経験があります。さすがに 10 万円払うと目の色が変わりまして、ものすごい勢いで点数が上がりました。今の会社で取った「 805 点」も、そのときの「貯金」で取れたようなもんです。

 

精神論で全てを片付けるつもりはないのですが、少なくとも 730 点程度までは、要は「気合」だと思います。「俺は 10 万円も払ったのに、点数上がらないでどうすんじゃー ! 意地でも上げちゃるーー ! ウガーーーーーーーーーーーー ! 」と思わなければ、上がるものも上がりません。

 

いったん気合さえ入れば、あとはスクールのカリキュラムを完全にマスターすることに専念すべきです。スクールの「○○点獲得コース」というのは、完全にマスターすれば、1 割増ぐらいの点数がとれるレベルで設定されています。例えば、「 600 点コース」なら「 660 点」、「 730点コース」なら「 800 点」が取れる内容になっているのが通常です。だから、それを信じてやれば、目標の点数は取れるはずです。

 

一番良くないのは、スクールに通っているにも関わらず、市販の問題集とかも買い込んで、結局どっちつかずになるケース。スクールが「 600 点コース」と言っているなら、それを完璧にマスターして、それで 600 点取れなければ、「訴えてやるーーっ ! ウガガーーーーーーーーーーーー ! 」というぐらいの意気込みが必要です。色々なものに目移りしてはいけません。

「英語」に立ち向かう心構え

さて、TOEIC の点数はクリアしたとして、次は「英語力そのもの」をつける段階となります ( これについても、『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』( あさ出版 ) </A>に書いてあるので、ご参照ください )。

 

まず、そもそも英語というのは、数学や理科などの「学問」ではなく、「言語」なのだということを理解することが重要です。「学問」は、それなりのセンスが必要です。また、向き・不向きがあります。なので、数学ができない人は、日本にいるし、アメリカにも、中国にもたくさんいます。しかし、「言語」については、日本人なら日本語ができるし、アメリカ人なら英語ができるというように、得意・不得意という類のものではありません。なぜなら、「学問」ではないからです。学生時代に、英語という「科目」で苦労した人の多くは、英語を「学問」として捉えてしまうために、必要以上の苦手意識を持ってしまいます。まずは、その苦手意識を払拭する必要があります。

 

「とは言うものの、単語や文法を知らなきゃ、コミュニケーションできないし … 」そんなことはありません。コミュニケーションという観点では、文法など適当でも通じます。単語がわからないなら、絵で描けばいいのです。

 

とかく、日本人の大半は、文法も正しくて、発音もそれなりで、難しい単語を駆使して … といった感じで、英語を使いたがります。しかし、コミュニケーションができるかできないか、といったレベルの人が、そんな高度なことを気にしなくてもいいのです。その証拠に、日本以外の非英語圏の人の英語は、その人の母国語なまりの英語で、文法も中途半端、単語も 200 語ぐらいしか使っていないケースがよくあります。しかし、それでも通じている。筆談だろうが、ジェスチャーだろうが、要は英語圏の人に自分の意思を伝えられれば、それが「英会話」なのだということです。このような、半ば吹っ切れた気持ちで英語に立ち向かうことが重要です。

 

では、具体的な勉強法はどのようなものか ? 自分の経験に照らして考えてみると、英語力を向上するために重要なことは、以下の 2 つに集約できると思っています。

 

( 1 ) 毎日、定期的に英語に触れる機会を設けること
( 2 ) 英語ができないと「ヤバイ」状況に、自分を追い込むこと

 

次回のコラムでは、これらについて具体的にご説明したいと思います。
( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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