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タカシの外資系物語

その中途採用は、どのパターン ? ( その 1 )2007.08.21

中途採用における応募者の事情

「どうも、はじめまして ! 奈良タカシです」( 自分の名刺差し出す )


「△△社の○○です」( 名刺受け取る )


「どうぞ、おかけになってください。何かお飲みになります ? お茶、お水、それともコーヒーにしますか ? 」


「じゃ、お水を … 」


「ではお時間も限られてますんで、早速始めましょう。よろしくお願いします。エージェントの XX さんから、 ○○ さんの履歴書と業務経歴書については頂いています。それと重複する形でも結構ですので、簡単な自己紹介と今回応募いただいた経緯、つまり志望動機をお聞かせいただけますか ? 」


「はい。大学を卒業しまして、 △△ 社に入社し、最初は支店に配属になりました … 」


… 以上のくだりは、私が中途採用の面接をする際に交わす、典型的な導入時の会話です。実は私、わが社の金融コンサル部門における「 40 歳未満採用」の責任者をしています。40 以上のシニア採用はパートナーと呼ばれる役員が個別に対応するのですが、40 歳未満の若手・中堅については、まず私が会って一次選別をしています。


どうして私のように、役員でもないマネージャーレベルが一次選別をしているかといいますと、短時間の会話で、どんな人か ( わが社に適しているか、コンサルタントとしてやっていけそうか、クライアント受けしそうか、等々 ) を見抜く能力に長けているからなのだと思っています。私の場合、事業会社 ( 銀行 ) とコンサル会社 ( 今の会社で 2 社目 ) の両方を知っているので、どんなバックグラウンドの人でも、だいたいのことはわかると自負しています。私の上司である役員も、その点を買ってくれているのでしょう。


そういえば、ここ数ヶ月の間、週に 2 回は中途採用の面接をしています。一般的に、4 月からお盆前までというのは、一年を通じて最も中途採用の応募が多い時期です。 4 月から 6 月中旬までは、ボーナスをもらったら辞めようと思っている人が、また 6 月下旬から 7 月にかけては、ボーナスの少なさにショックを受けた人が、中途採用に応募してくるような気がします。


実際に、 4 月から 6 月初旬までの候補者というのは、「ボーナスまでに意中の数社から 1 社を絞って、ボーナスをもらってからは有給休暇を消化しようか … 」みたいな、どちらかというと余裕をかましている人が多いように思います。一方で、 6 月下旬から 7 月にかけて会う人というのは、「と、ところで、御社のボ、ボーナスはいくらなんでしゅかーーーーーーーーーーー(T-T)」みたいな、ガツガツしたタイプが多いように思います。


9 月から年末・年始にかけても、これと同様のことが起こります。つまり、時期によって、中途採用の応募者の事情が異なるというわけですね。

中途採用における採用側企業の事情

実は、事情が異なるというのは、採用する側にも言えるのです。最近の IT コンサルティング業界は、慢性的な「売手市場」ですから、人材は常に不足しています。しかし、そんな状況下でも、その時々に応じて、欲しい人材の「質」は少しずつ異なっています。


例えば、以下のようなケースを想定してみましょう。


( 1 ) 数ヵ月後に大規模のプロジェクトが開始されることが決まっており、数十名単位でスタッフレベルの人材が欲しい場合

( 2 ) あるプロジェクトの PM が突然転職して、その穴埋め人材を早急に必要としている場合

( 3 ) 新規事業を始めるにあたり、その立ち上げスタッフを必要としている場合


( 1 ) のようなケースは、比較的若いスタッフを、業界問わず、投網形式でバサッと大量採用することになります。もちろん「業界問わず … 」とは言っても、例えば数ヵ月後に始まるのが銀行向け案件であれば、「元銀行員」「元銀行系 SE 」「元金融系コンサル」 … という感じで候補者を集めることになるので、全くの素人を集めているわけではありません。 MBA ホルダーの場合は、「銀行業務知らなくても、短期にキャッチアップできるだろ ! 」みたいな感じで、採用するケースもありますが … 。採用しながら、プロジェクトチームを組成していくようなイメージですね。


一方、 ( 2 ) のようなケースは、「一本釣り」することが多いように思います。エージェントから送られてきた候補者の履歴書と業務経歴書を吟味して、抜けた PM に即時に代われる人材を探すわけです。


( 3 ) のようなケースは、同業他社で実績を挙げた人材を、個人だけでなくチームで引っ張るようなアプローチをとります。当社にとっての新規事業とは、「未知」の分野なわけですから、内部的な事務作業も含めたノウハウを得ようとするわけです。

採用パターンを見抜く方法はあるのか ?

さて、中途面接を受ける側の立場に立ってみると、「自分は上記のうちの ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) のいずれで検討されているのか ? 」ということについては、非常に気になることだと思います。しかし、実際には、中途面接時に、これらのどれに対応しているのかを確認することは、非常に困難です。なぜなら、面接する側は、それを悟られないようにしようと必死だからです。例えば、 ( 1 )で採用の検討がされている人に、「あなたは大量採用の一部、バサッと採用されるんですよーー」なんてことが露骨に知れたら、何となく気分が悪いじゃないですか。なので、 ( 1 ) のような場合でも、極力 ( 2 ) のような雰囲気を醸し出そうとするのです。


「( 3 ) なら、面接時にわかるんじゃない ? 」と思われるかもしれません。確かに、募集の段階から「新規事業スタッフ募集 ! 」なんて書き方がされていれば、 ( 3 ) だとすぐにわかります。しかし、外資系企業が ( 3 ) のような採用をする場合、それが新規事業分野であることを明かして採用活動をすることは、あまりありません。なぜか ? それは、外資において新規事業というのは、失敗したらすぐに撤退する可能性のある分野なので、非常に短期間でクビになる可能性が高いのです。つまり、外資で「新規事業スタッフ募集 ! 」ということは、イコール「失敗したら、すぐクビねー」と言っているのに等しいわけです。よほど自信のある人ならいざ知らず、普通の人なら、このような採用は敬遠しますよね。よって、外資は ( 3 ) だとは明確に言わないのです。


さてさて、では、自分が受けている中途採用面接が ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) のどれに当たるかについて、どのように見分ければいいのでしょうか。フフフ ( 不敵な笑い ) … 実は、これにはとっておきの「見分け方」があるんですよ。


次回のコラムでは、その見分け方について、私の実体験をベースにお話することにいたしましょう。ご期待ください !

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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