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タカシの外資系物語

デキる外資の時間管理 ( その 1 ) - Time Management Matrix2007.03.13

今日も残業 … って、えらい ?

A さん 「あーいそがしー、いそがしー。今夜も残業だな … 」 
B さん 「じゃ、オレは帰るよ。 Bye! 」 


一般に、外資系企業での残業は、日系企業に比べると少ない方ですが、全くないわけではありません。夜 7 時ごろになると、上記の A さん、 B さんのような 2 つの光景が、そこかしこで見られることになります。 


さて、今日も残業をしている A さん。さぞかし成果を上げているのかと思いきや ・・・ 実はそういうわけではありません。実際には、残業をしない B さんの方が、残業をしている A さんよりも、ずっと成果が上がっていたりします。日系企業でも同様の傾向はあるのでしょうが、外資の方が、この傾向はより顕著なように思います。外資で成果を上げる人は、ほとんど残業をしません。 


では、デキる外資系社員は、どのように「時間管理 ( Time Management ) 」をしているのでしょうか。これまで、このコラムにおいても、時間管理についてはいろいろと書いてきました ( 『「プロジェクト管理」のすすめ』、『日系の時間、外資の時間』 など)。また、書籍 『外資流!「タカシの外資系物語」』(あさ出版)においては、「 To Do リストなんて作っているヒマがあったら、どんどん仕事をこなしていった方がいい ・・・ 」というような主旨のことを書きました。 


 「仕事がどんどんたまっていく ・・・ どうしよう … ( T-T ) 」と悩んでいるヒマがあったら、さっさと仕事をする ! これは間違いなく「真理」だと思います。時間管理が苦手な人の大半は、何もしないでヒーヒー言っています。「忙しい、忙しい」というヒマがあったら、どんな小さなことでもいいので、仕事を先に進めた方がいいに決まっています。 


また、この手の人の特徴として、「忙しいことを誇る」というのが挙げられます。「オレは毎日終電で帰るほど忙しいんだ、えらいだろ ! すごいだろ ! 」 ・・・ 全然すごくないですから。本当にすごい人というのは、普通の人なら 11 時までかかる仕事を6時に仕上げて、涼しい顔をして帰る人のことを言います。外資では、「あいつ毎日残業で頑張っているから、いい評価をしてやろう ・・・ 」というような、いわゆる「情実人事」は一切ありませんから、時間管理がうまく、本当に仕事ができる人のみが評価されるというわけです。 

Time Management Matrix 4 つのエリア

仕事をどんどんこなしていく姿勢が身についたら、次に重要なのは「どの仕事を先にやるか=優先順位」です。では、仕事の優先順位とは、どのような要素で決まるのでしょうか。 


「お客様に影響を与えるもの」「上司からの命令」「締め切り順」 ・・・ 優先順位にはいろいろな切り口がありますが、外資系企業で教えられる時間管理法では、「重要度 (Important) 」と「緊急度(Urgent)」の観点から優先順位をはかります。これを、「Time Management Matrix」といいます ( 縦軸に「重要度」、横軸に「緊急度」をとると、2 x 2 のマトリクスができます )。 

Time Management Matrix における 4 つのエリア 

【エリア 1 】 「 重要である 」(Important) 「 緊急である 」(Urgent) 

【エリア 2 】 「 重要である 」(Important)  「 緊急でない 」(Not Urgent)

【エリア 3 】 「 重要でない 」(Not Important)  「 緊急である 」(Urgent)

【エリア 4 】 「 重要でない 」(Not Important)  「 緊急でない 」(Not Urgent) 


では、みなさん、ここで、ご自身がやらなければならない仕事 ( 手持ちの仕事 ) を、 Time Management Matrix の各エリアに当てはめてみましょう。 


一般に、お客様関係の仕事は、【エリア 1 】に入ります。上司からの指示なんてのも、このエリアでしょう。【エリア 2 】は、新規開拓や部下の育成などが入るはずです。同僚への連絡とか、社内的な処理は【エリア 3 】でしょうね。 


さて、みなさんの結果はどんな感じでしょうか。いくつかの典型的なパターンとその「症状」をご紹介しますので、参考にしてみてください。 

 

● 【エリア 2 】がほとんどない ・・・ 日々の仕事に追われ、長期的な視点が欠けています。あなたが部下を抱える管理職の場合は深刻ですよ。

● 【エリア 3 】がほとんどない ・・・ これは、【エリア 3 】がないのではなくて、【エリア 1 】に混ぜてしまっているのです。つまり、「重要」と「緊急」の区別がついていないのです。緊急であることが重要を追い出していませんか ? 本当にあなたがやるべきこと ( = 重要 ) を再認識する必要があるかもしれません。 

 

緊急を振って、重要を増やす

では、外資系企業のデキる人というのは、 Time Management Matrix において、どのような特徴があるのでしょうか。 
まず、【エリア 1 】というのは、デキる人だろうがデキない人だろうが、外資系だろうが日系だろうが、どんな人でもやらなければならないエリアです。ここに差は出ません。 


次に、【エリア 2 】に非常に多くの仕事を入れ、時間を割いています。つまり、緊急度は低いけれども長期的な視点に立って仕事をしていることがわかります。 
 一方、【エリア 3 】にはほとんど仕事を入れていません。これは上記で述べた「エリア 3 と 1 を混同している = 重要と緊急の区別がない」とは異なり、そもそも【エリア 3 】の仕事を作らないようにしているのです。 


「【エリア 3 】の仕事を作らない、って言ったって、そういうわけにもいかんじゃろう。結局は、だれかがやらないといけないんだろうから・・・」 そう、まさにその通りでして、外資のデキる人というのは、【エリア 3 】の仕事を自分でやらずにだれかに振っているのです。その分の空いた時間を使って、【エリア 2 】の仕事をしているのです。 


「 1 は万人とも同じ条件。 2 と 3 の使い方が、時間管理の巧拙と成果を分けている ・・・ 」 ま、言われてみると当たり前のことなのですが、実際にはなかなかうまくいきません。なぜなら、自分だけが意識的に取り組んでも、周りの仕組みそのものも変わらなければ、 Time Management Matrix の構成も大きくは変わらないからです。 


次回は、【エリア 3 】の仕事を作らないための外資の仕組み・考え方についてお話しましょう。 


あ、そうそう、みなさん 「家族サービス」っていうのは、どのエリアに入りますか ?  ま、まさか ・・・ 【エリア 4 】じゃないでしょうね ( 汗 )。ちなみに、外資系企業のデキる人のほぼ全員は、「家族サービス」を【エリア 2 】に入れているということを、書き添えておきましょう。では ! 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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