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タカシの外資系物語

カラオケへ行こう !2007.01.30

二次会はカラオキ ?

年末年始は、宴会の季節です。宴会といえば、日本人の場合は、二次会は「カラオケ」と相場が決まっています。では、外国人の場合はどうでしょう ?


一般に、欧米の企業においても、日本の「宴会」に似たノリの催しは実施されます。私もプロジェクトや出張などで、かれこれ 1 年ぐらい海外で働いていることになりますが、プロジェクトの打ち上げや慰労会のようなものは定期的に行なわれていました。日本との最大の違いは、一次会、二次会、三次会 ・・・ など、 1 日で複数の店を「ハシゴ」するようなことはほとんどないということでしょう。基本的には、一次会のみで終わりです。


「よーーし、場所を変えて、二次会で飲みなおすぞーー ! 」 なんて言うと、「じゃ、一次会で飲んでいたお酒は何だったんだ。お前はアル中か ・・・ 」 という目で見られます。


また、日本のように「飲み放題・ 2 時間限定 ! 」なんていう概念は、欧米にはありません。「お客さん、そろそろお時間ですんで ・・・ 」「あ、もう 2 時間たったんだ ・・・ はいはい、すぐ出ますから」 こんなのは、欧米ではありえません。そもそも、店側の都合で客を追い出すとは何事だ、仮にそう言われても、そそくさと出ていってどうする ! こんな風に思うはずです。


では、日本の外資系企業ではどうでしょうか。日系企業にも勤めた経験のある私から見ると、位置づけとしては、欧米における企業と純粋な日系企業の中間に位置していると思います。つまり、一次会、二次会、三次会といった泥沼的なノリはないですが、一次会の後にちょっとカラオケ ・・・ 、ぐらいのことはやっています。


「Karaoke? Oh, Good! I love カラオキ ! 」


英語の発音では、日本語の「エ段」が「イ段」になることがあります。「カラオキ ( カラオケ ) 」「サキ ( 酒 ) 」「カラティ ( 空手 ) 」などなど。いずれにしても、「カラオキ」が好きな外国人は、結構多いように思います。

「ノリ」を強制しない

「みんなーーっ、乗ってるかーーい ? YEAH! 」 日本人としては、ありがちなノリなのですが、外国人と行く場合には、最初からノリノリで飛ばすことは、あまりオススメしません。外国人は、自然に盛り上がってきたノリについては問題なく乗ってくれるのですが、だれかから強制的に押し付けられたようなノリについては嫌悪感を示します。「オレにはオレの楽しみ方があるんだから、お前のノリを押し付けんなよ ! 」ということです。


このことは、コンサートに行くとよくわかります。私はロンドンにいたときに、マドンナのコンサートに行ったことがあります。「マドンナなんだから、最初から最後まで、ずっと立ちっぱなしのノリノリなんだろうな ・・・ 」 と思われるかもしれません。ま、コンサートとしてはノリノリなんですが、ずっと立ちっぱなしではありません。半分以上の人は、一度も立ち上がらなかったように思います。なぜか ? それは、個人の楽しみ方を尊重するからです。立って踊りたい人は立っていればいいし、座って聴きたい人は座っていればいいと考えているからです。


これが日本のコンサートだったらどうでしょう。とりあえず、立ち上がって手拍子していないと、かえって浮きます。座りたいな ・・・ と思っても、変に座るとファンの連中から白い目で見られるのがオチですから、足のだるいのをガマンしなければなりません。バラード系の曲がかかって、「ほっ ! やっと座れるわい ・・・ どっこいしょ、と」 てな感じ。これでは、コンサートを楽しんでいるのか、気を遣いに行っているのか、わかりません。いずれにしても、外国人にはノリを強制してはいけないということです。


「あれ ? John、まだ入れてないのー ? だめだよ、入れなきゃ … どれにする ? オレが入れてやるよ ! 」 これもいけません。 John には John のペースがあるわけで、それを強制してはいけないのです。もしかしたら、気分が悪いかもしれないし、喉の調子が良くないかもしれない。あくまでも本人に任せておけばいいことで、他人がとやかく言わなくてもいいのです。


そもそも外国人の場合、気分が悪かったり、喉の調子が良くなかったりするときには、「オレは行かない ! 」とはっきり言うはずです。日本人のように、体調が悪いけど付き合いだからガマンして行く、という考えはありません。なので、逆にいうと、カラオケに来ている以上、「歌いたい」と思ってきているはずなので、少し躊躇している場合には、( 強制ではなく ) うまく誘えば歌ってくれると思います。

何を歌うか ?

先日の新年会で、ボスの Thomas と初めてカラオケに行きました。 Thomas とは 1 年以上の付き合いになりますが、これまではカラオケに行くような雰囲気にならなかったのです ( ずっと、私が怒られていたからだという説もあり ) 。


さて、ここで問題。外国人とカラオケに行ったとき、何を歌うべきか。私の場合は、日本の名曲か、外国の曲を歌うようにしています。「日本の名曲」というのは、谷村新司さんの『昴』とか、北島三郎さんの『与作』とか。日本人として誇れる歌、「どーだ、日本の歌ってすごいだろ ! 」と言えるような歌ですね。坂本九さんの『スキヤキ ( 上を向いて歩こう )』も、その類の歌です。


外国の曲は、相手がアメリカ人なら Billy Joel 、イギリス人なら Elton John を選びがちです。なぜこの 2 人かというと、アメリカ人、イギリス人にとって、この 2 人は非常に普遍的な存在だからです。つまり、だれでも知っているので、一緒に歌ってくれる可能性が高いのです。


さて、 Thomas は、「スイス生まれのドイツ人」です。ビミョーーー ! スイスやドイツに、どんな歌があるのか知らないし ! 私が高校生の頃、 NENA というドイツのバンドが歌った『ロックバルーンは99 ( 99 Luftbaloons )』というドイツ語の歌が、アメリカのヒットチャートで 1 位になったことがあります。これにするか … ビ、ビミョーーー ! どんな歌か忘れたし ! そもそも、ドイツ語知らんし ! いっそのこと、『アルプスの少女ハイジ』でも歌うか ! これも、ビミョーーー ! 加えて、ちょっと恥ずかしいし ! ( 実は、ハイジというのは、本場スイスではあまり有名ではありません。 Thomas はハイジを知りませんでした。『フランダースの犬』とかも、日本でのみ有名な話なのかもしれません ) 。 
と、Thomasに目をやると、外国曲のリストを見ています。ここはまず、先に Thomas に歌ってもらうことにしましょう。さて、一体何を歌うのか ?


ジャッジャッジャーーー♪ ジャッジャッジャジャーーー♪ ジャッジャッジャージャッジャー♪ Smoke on the Water! ♪


ディープ・パープルの 『Smoke on the Water』 ?  Thomasって、そういう激しいノリだったの ? Thomas の意外な選曲に驚いていると、歌い終えた本人がやってきました。よくよく聞くと、この曲に出てくるジュネーブ湖畔のモントレーという場所が、 Thomas の生まれた場所とのこと。われわれに、自分のふるさとを紹介したかったようです。 Thomas も、場を盛り上げようと、それなりに気を遣っているということですね。


新たな発見のある、外国人とのカラオケ。みなさんも是非、外国人と一緒にカラオケに行って、コミュニケーションを深めましょう !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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