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タカシの外資系物語

あ~アメリカ、憧れのビジネス・スクール ( その 1 )2006.08.29

ビジネス・スクールに到着 !

私は今、アメリカのある都市に来ています。何回か前のコラムでもお伝えしたように、わが社の “Deal Maker program” という研修に参加するためです。「海外で研修なんて、うらやましいじゃねぇか ・・・ 」 でもね、みなさん、これがそうでもないんですよ。この研修に参加してしまったばかりに、私は今後数年間にわたって、 US 本社から常にセールスの業績を監視されることになってしまったのですから ・・・ ( 『「おめでとう ! 」 研修参加が決定 - 待っているものは … ?』参照のこと )


日本では夏休みもあとわずか ・・・ 何の因果で、家内一人日本に残して、こんな異国の地まで来なければならないのでしょうか ・・・ トホホ ・・・ ( T-T ) 「私の夏休みを返せーーっ ! 」 いかにも観光で来ている日本人たちを尻目に、私は一人憂鬱な気分にひたっていました。


が、しかし ! 今回の研修は 1 つだけ楽しみがあるのです。それは、「ビジネス・スクールで MBAプログラムを受講できる ! 」ということ。もちろん、研修期間はたった 1 週間ですから、本当の MBA プログラムを受講できるわけではなく、そのエッセンスのみを教わることになるのでしょうが、それでも私にとっては長年憧れ続けたビジネス・スクールの夢がかなうことに変わりありません。実は銀行員時代に、社内の留学生試験に合格しておきながら、銀行の都合で留学を無期延期にされたという、悲惨な過去を持つ私 ( 詳細は、No.80 『MBA はお得 ?』参照のこと )。社会人になって苦節十数年、やっとビジネス・スクールの門をくぐることができる ・・・ この日をどれだけ待っていたことかぁーーーーーー ( T-T ) オーイ、オイ ・・・ ( 感涙にむせぶタカシ ・・・ )


私は日本から参加している同僚数人とタクシーに乗り込んで、いざ空港からビジネス・スクールに向かいました。


「さぁ、着いたぞー!まずは広大なキャンパスを散策でもするかな ・・・ って、ビルしかないやんけーー ! ( T-T )」 ・・・ 日本の大学の数倍はあろうかという広大なキャンパス、グラウンドではアメフト部にチアガール、キャンパス横の川ではボート部が伝統のレガッタに向けて猛特訓中、芝生では経営学の本を片手に語り合う未来のエリートたち ・・・ 勝手に思い描いていた私の妄想は、もろくも崩れ去りました。


到着した「XXX University - International Business School」は、大都会のビル群の中ひっそりと建っていました。キャンパスはおろか、緑などほとんどありません。企業の研修所とビジネスホテルを、足して 2 で割ったようなイメージ。「ま、観光で来たわけじゃないんだからね、と ・・・ さて、今日は疲れたから部屋でゆっくりと過ごすとするか」 フロントで受付を済ませ、部屋に行こうとする私に、突然、大柄のアメリカ人が近づいてきました。


「Hi, Takashi. Welcome to XXX Business School ! I have wonderful gift for you !」

Wonderful Gift?

そのアメリカ人、今回のプログラムを仕切っているビジネス・スクールの教授でした。


「I’m Pablo, the professor of MBA Business strategy class. How are you, Takashi-san? Had a good flight? Anyway, this is homework for you. You must look over all pages by tomorrow morning! OK, good night and sweet dream! See you tomorrow !」


・・・ しゃべるの、速いわーー ! 何言うとるかわからんわーー ! ( 実は、もっとたくさん話をされたような気がするのですが、上の会話しか聴き取れなかった ( T-T ) … )  明日までの宿題やとーー ? 見ると、電話帳のようなバインダーが一冊。もちろん、全部英語です。中身は、 Harvard Business Review の論文や Economist などの記事がどっさり詰まっていました。読めるか、こんなもん ! 明日の朝までなんて、日本語でも絶対無理じゃーーー ( T-T )


日本を発つ直前にいくつかの宿題が、 E メール経由で送りつけられていました。私はそれを機内で、ワインも飲まずに泣きながら読んできたのです。それなのに、あぁ、それなのに。追加の事前課題が、その 2 倍はあるやないですかーーー ( T-T )


とは言うものの、何も読まないで講義に臨むほどの度胸はありません。とりあえず、明日の分だけでも読んでおかなければ、ついて行けなくなること必至です。「徹夜覚悟じゃーーー」 私たち日本人は、悲壮感を漂わせながら、部屋に入って行きました。

講義が眠いとき、どうするか ?

「ふぁーーぁ … 結局、 1 時間ぐらいしか眠れんかったわいな … 」

 


翌日の講義開始前、日本人の多くは、目を真っ赤にして大あくびを繰り返していました。


今回の参加メンバーは前回とほとんど同じ顔ぶれでした。 AP ( Asia Pacific ) 中心で、日本人 10 名、アジア人 10 名、オーストラリア人 5 名、あとイギリスと北欧から 5 名の計 30 人。 5 人ずつ 6 つのグループに分けて、講義を受け、その後グループで作業をして、グループ毎にプレゼンをするという形式です。


日本の大学や大学院のゼミと比較すると、グループ作業に重点が置かれている点が最大の違いでしょう。講義 1 に対して、作業とプレゼンの時間はその 3 倍ぐらいの時間を配分されていますので、座って話を聞いていればいいというものではありません。講義で習ったことを、いかにプレゼンに盛り込むか。そういう観点で話を聞かねばならないので、常に集中している必要があります。


また、課題については、事前に読み込んで完全に理解していることを前提に講義が進むので、要注意。徹夜してでも予習しておいて正解だったというわけです。


し、しかし ・・・ それでも眠いものは眠い ・・・ 教授の話がつまらなかったり、だれかが分かりきったようなことやつまらんことを質問したりしているときには、ついつい睡魔に襲われます。コックリ ・・・ Zzzzz ・・・ や、やべっ !


さて、こんなとき、みなさんならどうするでしょう ? コーヒーや水をがぶ飲みしたり、太ももをつねってみたり ・・・ それでもまだ、眠くて仕方ないとき、どうするか ?


こんなとき、欧米人 ( オーストラリア人含む ) は、スクッと席を立って、教室内をウロウロして眠気を覚まします。中にはイスではなく机の上に座って気分転換している人もいますし、軽い運動をする人もいます。教授が説明していようが、他の生徒が質問していようが、そんなもの関係ありません。思わず眠ってしまうぐらいなら、思い切って立ち上がってリフレッシュした方がいいということです。


一方、日本人をはじめとするアジア人は、「じっと耐えてガマンする」傾向が強いように思います。私もそうですが、講義中に意味もなく立ち上がるのには、かなり抵抗感があります。話している教授や他の生徒に失礼にならないように、じっとイスに座って、精神力で目を見開いているというパターンが多いように思います。


欧米人の発想の根本には、「自分が眠くなるのは、講義そのものが面白くないことが原因である」というのがあるように思います。面白くない話、自分にとっては興味のない話をしているのだから、そのときに立ち上がろうが、ウロウロしようが勝手でしょ、ということです。確かに、眠気をこらえながら講義を受けて、その結果、面白い話まで聞き逃してしまうよりは、その方が有益かつ健康的な気がします。


教授も生徒を飽きさせないようにしなければならないので大変です。絶えず、大きな声で抑揚をつけて、大げさなアクションで気を引かねばなりません。 10 分に 1 回ぐらいはジョークを飛ばして、生徒をリラックスさせる必要もあります。それは、さながらある種の「エンターテイメント」を見ているよう。常に、観客である生徒から評価を受けているエンターテナーのようです。このように、教授と生徒の間にある種の緊張感がある関係というのは、魅力的な講義を常に維持していくために必要な要素なのかもしれません。


「OK! Let’s go to group session. Please discuss it for team presentation from now on !」


さて、講義も一段落し、ここからはプレゼンのためのチーム・セッションです。そして、私は性懲りもなく、今回もまた「プレゼンの悪夢」にさらされることになるのですが ・・・ この続きは、次回にお話したいと思います。

 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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