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タカシの外資系物語

経済理論と外資系2006.02.07

先週に引き続いて、またまた恐縮なのですが、『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』 ( あさ出版 ) が絶賛発売中です。電車の中でもサクッと読める内容になっていますので、是非一度お手にとっていただけたらと思います。よろしくお願いいたします !

 

日本史から学び取れること

みなさんは、学生時代に勉強したことで、現在の仕事に役立っていることはありますか ? 「英語 ? 大学まで入れると 10 年やったけど、まったく読めんし、しゃべれんし … あとの科目なんて、何を習ったかすら覚えとらんわーー ! 」 こんな感じではないでしょうか。


私の場合も全くその通りで、10 年もの間勉強したにもかかわらず、その内容はほとんど覚えていません。なので、日本の銀行にいた頃などは、「学生時代にコンピュータとか会計とかの勉強をやっておくべきだったぁ … (T-T) … 」などと、ことあるごとに後悔していたように思います。


では、学生時代の勉強は、全く無駄だったのでしょうか。まず、高校ぐらいまでに勉強した知識というのは、具体的にどこかに役立っているということを実感しにくいものだと思います。つまり、普段は強く感じることはないけれども、社会で生きていく上で、万人が共有すべき事柄だということです。


例えば日本史に出てくる為政者というのは、天下を統一するまではそれなりにカッコいいのですが、統一した後はその地位に慢心して、たいていの場合没落の一途をたどります。平清盛の平家、源頼朝の源氏、室町時代の足利義満にいたっては、金閣寺なんてのも作ってしまいます。「いくら金持ちだからって、お寺に金箔貼っちゃいかんだろ ! 成金趣味もいいとこだな … 」で、ご存知の通り、その後義政が銀閣寺を作ったときには、銀箔を貼るお金が底をつき、「だから無理すんなって。そこまでして見栄張らなくたっていいじゃん … 」なんて思ったりするわけです。


このような歴史的事実を学んで、私たち日本人は「ちょっと成功したぐらいで調子に乗ると、痛い目に遭う」ことを学びます。歴史というのは、単に年号を覚える暗記科目というわけではなく、歴史的事実から教訓を学び取って、それを将来に活かすために存在します。しかし、中には個人差があるようで、このような歴史的教訓を学び取れずに、お金のために法律を犯してしまうような某 IT 企業の社長連中もいるわけですが …

経済学から学び取れること

では、大学で学んだ知識は、何の役に立っているのでしょう。もちろん、簿記やコンピュータ、英語のなどの知識は、仕事に直結するものです。しかし、大学で勉強したことの大半は、卒業のための単位が欲しくて勉強したに過ぎず、「何事も調子に乗っちゃいかん ! 」なんていう、日本史から学び取れる教訓のようなものは少ないような気がします。


私は経済学部の出身ですが、「経済学」なんてのも使えそうで使えない学問の 1 つです。経済学部を出ているからといって、株に強いわけでもありません。経済社会の世渡りがうまいわけでもありません。


しかし最近、ふと自分がやってきた外資系での仕事の仕方を振り返ってみると、経済学から学んだことが役立っているような気がしてきました。例えば、ケインズの理論に「有効需要の創出」というのがあります。これは、不況をなくすためには、政府が公共事業などを通じて仕事を作り、失業者をなくすようにすればいいという話なのですが、これなどはまさに外資系企業の仕事そのものを表しています。つまり、自分で仕事を作り出せない人は、外資系企業で生き残ることはできないと読み替えることができます。

経済理論における仕事術

ケインズ以外にも、こんなものが思いつきます。


○ シュンペーターの「創造的破壊」

イノベーション ( 革新 ) を起こすためには、前例 ( 成功体験も含めて ) を破壊することによって、新たな価値を創造していくという考え方です。外資系の仕事はまさに、破壊の連続です。去年正しかったものが、今年もまた正しいとは限りません。過去にとらわれず、臨機応変に立ち回れる者だけが勝ち残れる世界なのです。


○ ドラッカーの「企業家精神」

企業家精神というのは、自分で事業を興して、市場を切り開いていくような人のことを指します。外資系企業には、「サラリーマン」という安穏とした地位はありません。常に企業家精神を持って、自らが社長のような意識で仕事にあたる必要があります。


○ リカードの「比較優位説」

2 つの国があって、 A 国は農業国、 B 国は工業国だとします。この場合、 A 国が農産物を B 国に輸出し、 B 国が工業製品を A 国に輸出して相互に融通しあった方が、それぞれの国が自前で農業と工業をやるよりもお得だね、という話です。 

人には得手不得手があります。何から何まで自分でやろうとせずに、その道のエキスパートに任せた方がうまくいくのです。いかにして仕事を振って、他人にやらせ、その成果を自分に取り込むか、これこそ外資系企業で生き抜く最大の知恵のような気がします。


さてさて、結局のところ、学生時代に学んだことは何らかの役に立っているということです。確かにそのときは、受験のため、単位取得のためだったのかもしれませんが、その勉強を通して得た知識は、知らず知らずの間に、自分の血となり肉となっています。


また同時に、あまりにもガツガツと仕事ばかりしていると、そのことに気付かないのも確かです。私の場合も、上に書いたような考えを持つようになったのは、ごく最近のことです。それまでは、日々の仕事に追われるだけで、そんな余裕などありませんでした。就職して 15 年も経って、やっと仕事に余裕が出てきたというのも情けない話ですが … みなさんも、自分が学生時代に学んだことが、今の仕事にどのように活かされているか、じっくり考えてみることをオススメします。きっと、新たな発見があるはずですよ。あ、そうそう、もうひとつ重要な経済理論を忘れていました。


○ アダム=スミスの「神の見えざる手」


自由市場における市場価格は、それを買いたいと思う人 ( 需要 ) と売りたいと思う人( 供給 ) によって、自然とある価格に決まるというもの。ま、何事も、最終的には「神頼み」ということでしょうかね … では。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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