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タカシの外資系物語

書きながら話せ !2006.02.02

いきなりで恐縮なのですが、『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』( あさ出版 ) が先週末ぐらいから書店に並び出しました。売れ行き絶好調~ ! かどうかは、よくわかりませんが、是非一度お手にとっていただけたらと思います。よろしくお願いいたします !

自分のペースで話すことが重要

このコラムでも、これまで何度か、「英語によるコミュニケーション」の話をしてきました。私の主張は、「英会話がうまくなくても、それなりになんとかなる」ということで終始一貫しています。事実、私の英会話力は極めてヘナチョコなレベルですが、外資系企業で 9 年間何とかやっています。なので、英語が得意でなくても外資系企業でやっていくことは可能なのだと、経験を通して理解しています。


しかし、こういうことを言うと決まって、「ホントにぃー ? なんか、うそ臭い … 」などという意見をもらうのも事実です。実際に、本来私より英語がよくできるはずの人が、外国人との会話になった途端に、ダンマリとしてしまうケースも結構見受けられます。それは、なぜなのでしょう ?


一番の原因は、「自分のペースで話ができないから」なのだと思います。英会話というのは相手があって初めて成立するものですから、前もって先の展開を読むことができません。相手が次に何を言い出すかもわからないし、どんな結末になるかもわからないわけです。一方で、知識としての英語は、テストに代表されるように、自分の好きなところから解答することができます。「まずは長文読解から … 」などと、自分勝手な順番に解いても、得点さえ取れれば文句は言われません。


知識としての英語が主体の人は、たいていの場合、相手のペースに飲み込まれて、知らず知らずのうちに会話が終わってしまいます。「経験を積んで、慣れればうまく話せるようになるよ … 」という人もいます。確かに経験は重要ですが、相手のペースに合わせてばかりの英会話にいくら慣れたところで、結局のところ、相槌がうまくなっている程度の上達しか見込めません。ビジネス英会話というのは、自分の意志を相手に伝えて、その方向も導くことが目的なのですから、「自分のペースで話す」ことが必要となるわけです。

通訳なしで話してみる

では、英会話において相手を自分のペースに乗せてしまうには、どのようにすればいいのでしょうか ?

 


実は先日、ある企業の役員 R 氏と話す機会がありました。彼はアメリカ人で、その日の話題は、「 R 氏の考える企業戦略」。何とも、胃が痛くなるようなタイトルです。


彼には専属の通訳がついていました。「英語で話されますか ? それとも、通訳しましょうか ? 」 うぅ … 私は、「じゃ、通訳で」と言いたいところをぐっとこらえて、英語で話すことを伝えました。こういうケースで、初めから通訳をお願いしてしまうと、はっきり言って「負け」なのです。通訳というのは、どうにもこうにも話が伝わらないときの最終兵器ぐらいに考えた方がいいのです。


私 「Please tell me your company’s business strategy ( 御社の経営戦略を教えてください )」


R 氏 「OK ! ペラペラペラペラ … 」


彼は自社の経営戦略を、数値目標を交えて話し出しました。こっちも、ついていくのに精一杯です。


私 「 … ( こりゃ、自分のペースに持ち込まないと、一方的に話されて終わってしまうな … )」


完全に相手のペースで話が進むことに危機感を感じた私は、彼の話が一段落したタイミングで席を立ち、ホワイトボードにその内容を書き出しました。


私 「Robert, please discuss it on the white-board!」


私と R 氏のその後の会話は、すべてホワイトボードの上で、重要事項を書いて確認しながら進んでいきました。

“内容を書きながら進める ” の術

これぞ、私が外国人と話をする際に多用する、「 ” 内容を書きながら進める ” の術」です。この術には、多くのメリットがあります。まず、会話の内容を文字や図表で確認しながら進めることができるので、お互いに誤解がありません。また、いきなり聞いた話を図表にまとめてやることで、「お、こいつなかなかやるなぁ。さすが、コンサル … 」と思わせて、ハッタリをきかせることができます ( これについては、それなりの訓練が必要です。書いてはみたものの、かえって話を混乱させるような図表を書いたのでは、意味がありません )。


その中でも一番のメリットは何かというと、「自分のペースで話ができる」ということです。そもそも、自分のペースで話をするというのは、自分の論旨展開に、相手を乗せるということです。しかし言うは易し、これが日本語の会話でも結構難しい話でして、英語ならなおのこと。無理やり、自分の得意な話に方向転換させるのでは意味がありません。あくまでも、会話する双方が納得する内容・枠組みを保持しておく必要があります。では、どうすればいいのか ?


ポイントは、会話だけに頼るな、ということです。コトバだけで自分のペースに持ち込もうとしても、相手はネイティブ・スピーカーなのですから、相手に勝てるわけはありません。なので、視覚に訴えるわけです。会話の内容をホワイトボードやノートに書いて、お互いに書きながら話を進めていくのです。話の方向転換をしたい場合にも、キーワードを書いていきます。万が一、元の話題に戻った場合でも、内容が残されていますから、スムーズに戻ることができるのです。


とかく日本人は、会話のときは会話だけ、聞けといわれれば、何も言わずに黙って聞くだけ … という具合に、複数の方法で意思疎通をしようとしません。しかし欧米では、話しながら書いて、さらに大げさなアクションを交えたりするのが通常の意思疎通の方法です。彼らは複数の方法を駆使することで、自分のペースで話を進めることに成功しているのです。


是非みなさんも、内容を書きながら会話をしてみてください。きっと、話がスムーズに進んでいくはずですよ !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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