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タカシの外資系物語

外資の 12 月2005.12.27

地獄の 1 週間

みなさんは「 12 月」というと、どんなイメージがありますか ? クリスマスツリーにサンタクロース、靴下の入ったプレゼント ・・・ ほとんどの方は、クリスマスの華やかな雰囲気を思い浮かべることだと思います。


ロマンチックで華やかな雰囲気とは裏腹に、外資系企業における 12 月は非常に忙しく、バタバタと過ぎていきます。その最も大きな理由は、外資系企業のほとんどは 12 月決算を採用していることにあります。この 1 年の間に仕掛かっていた案件や経理に関する処理を、何とか年内に終えてしまうために、通常業務と並行して様々な処理を行なう必要があるのです。


もう 1 つの理由は、ただでさえ忙しいにもかかわらず、外資系企業ではクリスマス以降はほとんど仕事にならないのです。なぜなら、多くの外国人はクリスマス休暇をとるために、 12 月 20 日頃から外資系企業は「開店休業」状態に陥ります。つまり、そもそも 31 日 ( 営業日数は 20 日ぐらい ) あったとしてもやることが多くて忙しい月なのに、実質的な営業日数は 12 日ぐらいしかないわけですから、忙しさに一層拍車をかけることになるのです。


私の会社でも、 US 本社の承認が必要な案件については、12 月 16 日が締め切りとされています。また、私の直属の上司である Jim が 19 日からクリスマス休暇でドイツに遊びに行くなどとふざけたことを言っているもので、 12 月第 3 週は「地獄の 1 週間」になってしまいました。


私 「US のアドミ ( Administration部門: 経費などを申請する部門 ) にはこの書類を提出して、 Jimにはこれにサインをもらって、と ・・・ 」


私は通常の業務と並行して、様々な庶務作業を、毎晩遅くまでこなしていました。

日系企業の年末年始

さて、 12 月は「師走」というぐらいでして、日系企業でも忙しいのは同じことです。でも、日系の忙しさは、外資のそれとは少し異なるような気がします。日系の 12 月が忙しい理由は、はっきり言って、「お客様への挨拶回り」や「忘年会」で忙しいのであって、いわゆる「実務」が忙しいというわけではありません。一方で、外資では挨拶回りや忘年会はほとんどやりませんから、そういう意味での忙しさはありません。日系企業でいう「 3 月決算前の忙しさ」+「クリスマス休暇で日が短い」というのが、外資の 12 月が忙しい原因です。

 


私も日系企業に勤めているときは、 12 月になると社名入りのカレンダーや手帳 ( いったいだれが使うねん、と思いながら ・・・ ) を持って、お客様への挨拶回りをしていたように思います。また、 2 日に 1 回ぐらいは忘年会が入っていて鍋ばかり食べていたために、締めの「雑炊」作りがうまくなったりします ( 卵の入れ頃とか ・・・ )。


典型的な日系企業では、「仕事納め」の最終日、夕方早くには仕事を切り上げて、ビールとかおつまみを職場に持ち込んで、ささやかな宴会を催したりします。そのうち、担当の役員とかもやってきて、「いやぁ、みなさん、今年 1 年よく頑張ってくれたね。来年もよろしくたのむよぉ、ガッハッハ ! 」みたいな感じで 1 年を締めくくっているように思います。


また、日系企業の新年も、仕事始めの初日はほとんど仕事になりません。会社のいたるところで、「あけましておめでとうございます ! 」と言いながら頭を下げ合っている光景が見られ、それが済むと、部長や役員あたりが一席ぶったりします。「いやぁ、みなさん、昨年はよく頑張ってくれたね。今年も 1 年よろしくたのむよぉ、ガッハッハ ! 」( 年末と全く同じじゃねぇか ・・・ )


それに比べると、外資系企業の年末年始は、非常に淡白なものです。クリスマスをみんなで祝うわけでもなく、また冒頭に述べたように、クリスマス以降は会社に来る人も激減します。おそらく年末直前と年始直後は、会社に来なくても、まずバレないように思います。なぜなら、日本人も含め、全体の 30% ぐらいしか来ていないわけで、年末年始にバカ正直に会社に来ている人は単に要領が悪いのだと考えられているかのようです。そのわりは、私は毎年最終日の夜 10 時頃まで会社にいるような気がしますが ・・・ トホホ ・・・

聖なる夜のドタバタ劇

さて、楽しい年末を過ごすためにも、今頑張るしかありません。私は地獄の 1 週間の最終日である 16 日、夜遅くまで残って仕事をしていました。


「あと 1 時間でこのシートを US に送らなきゃ ・・・ 急げ、急げ、と ・・・ 」


私がバタバタと US への申請書類を作っていると、急に携帯が鳴りました。「この忙しいのに、いったい誰なんだよ ・・・ 」


「ハーーイ、タカシ ! Steve デーース ! オヒサシブリネ、How are you? 」


・・・ ヘッドハンターのSteveです。こいつの「オトボケ」ぶりには、私もほとほと手を焼いておりまして ・・・ ま、今は忙しい、後回し、後回し ・・・ ( ヘッドハンターSteveとの「攻防」については、No 258 & 259 『ヘッドハンターに会おう ! - Steve のケース - ( その 1 & 2 )』 および No 267 『So disappointed …』 をご参照ください )


私 「あ、Steveさん ・・・ 今ちょっと忙しいから、また明日電話しますよ、じゃ ! 」( ガチャン ! )


ふー、早くしなきゃ ・・・ 締め切り、締め切り、と ・・・ すると、5 分もしないうちに、また携帯が !


「ハーーイ、タカシ ! Steve デーース ! 」


「あ、あのなぁ ・・・ I will call you back, tomorrow morning! Because I’m so, so, very, very busy, now ね ! わかった ?! 」


「チョット、イイ話アルネ ! 10 分デ済ムヨ ! 」


「( その10 分が惜しいんだよ ・・・ ) いやね、話を聞きたいのはやまやまなんだけど、ホントに時間がないんですよ ! じゃ、メールください、メール。それ読んで、 1 時間後に電話するから、じゃ ! 」( ガチャン ! )


ハァハァ、ゼィゼィ ・・・ 早くしなきゃ ・・・ 締め切りが ・・・ すると、またまた携帯が !!


「Steveさん ! いい加減にしてくれよ ・・・ 」


「Hi, Takashi. I’m Jim ・・・」


・・・ (T−T) ・・・ Jim でした ・・・ 


Jim 「You, OK?」


私 「Uh, OK! OK! ちょっと、別件でイライラしてたもんで ・・・」


Jim 「そ、そうか ・・・ それはそうと、来年 1 回目のセクターミーティングの件なんだが、 1 月 2 日の火曜日でいいかな ? 」


私 「・・・ 2 日って ・・・ その日、休みなんだけど ・・・ 」


Jim 「なんだ ? いきなり休むのか ? 」


・・・ あ、あのなぁーーー ! あんた、何年日本に住んどるんじゃーーー ! 正月三が日は休みやと言うとろーーがーーーーーーーーーーーーー ! ! ! (T−T)


私 「・・・ その日は日本の National Holiday なんですよ、申し訳ないけど ・・・ 」」( って、実は祝日は 1 日の元旦のみで、 2 日・ 3 日が休みなのは単なる日本の慣習なんですけどね )


Jim 「しょうがねぇなぁ ・・・」


・・・ なんでわしが謝らにゃならんねん ・・・ (T−T)


ハァハァハァハァ、ゼィゼィゼィゼィ ・・・ は、早くしなきゃ ・・・ と、メールボックスを見ると、Steve からの E メールが来ていました。


【 タイトル 】 Ohisashiburi. Are you still looking?

( お久しぶり ! まだ転職先探してる ? )


【 本文 】 I hope you are well and taking care in the cold weather. 

( 寒くなったけど、元気してる ? ) 
I am writing to you to ask if you are still interested in looking at other opportunities.

( まだ転職先探しているかと思って、連絡しちゃったよ ) 
Please let me know if you would like me to come to meet with you for 30 minutes and explain fully.

( 30 分だけ時間をくれたら、全部話せるんだけどね ・・・ )


・・・ なんじゃ、こいつは ・・・ い、いかん、早くしなきゃ、締め切りが ・・・ って、すでに時間過ぎとるやないかぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー !!! (T−T)


12 月、聖なる夜。みなさんも、年末は余裕を持って仕事をしましょうね ! ・・・ トホホ ・・・ (T−T) ・・・


あ、そうそう、 1つお知らせが ! 『タカシの外資系物語』が、来年 1 月に単行本として出版されることになりました。これまでの名作 ( ? ) に大幅な加筆修正をするとともに、半分以上の新作書下ろし ! ( パチパチ ! )


来年早々には、さらに詳しい情報をお伝えできると思いますので、楽しみに待っていてくださいね !


それではみなさん、Merry Christmas! & よいお年を ! 奈良タカシ

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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