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タカシの外資系物語

昇進の条件 ( その 2 )2005.10.11

ルールは絶対

前回のコラムでは、昇進の条件である研修の受講を忘れていたために、昇進の申請ができなかったというエピソードをお話しました。読者のみなさんの中には、「研修を受講しなかったぐらいで昇進をあきらめるとは、えらく淡白なやっちゃな ・・・ 」を思われる方もいるのではないでしょうか。確かに、日系企業的な考え方で行けば、研修の 1 つや 2 つ受講しなかったところで、そのことが原因で昇進をあきらめるというようなことはないかもしれません。他の条件は全て満たしているのに、研修が 1 つ足りないだけというなら、上司が承認して「特例でOK ! 」みたいなことをするのではないかと思われます。


しかし、外資系企業では、決められた基準を満たしていない以上、どんなに好成績を上げていても、ダメなのものはダメなのです。たとえ 5 億円稼いでいても、研修が 1 つ足りなければダメ。一方で、昇進の基準である 1 億円ギリギリしか稼ぎがなくても、必要な研修をすべて受講していれば昇進できます。


研修が受けられないほど頑張って仕事をした結果、かえって自分のためにならないという、何とも割り切れない仕組みなのですが、そういうルールなのですから仕方ないのです。逆に、昇進の条件に「特例」なんてものを入れてしまうと、それを悪用するケースが頻発します。なぜなら、日系企業とは異なり、外資系企業には様々な人種やバックグラウンドを持った人が勤めています。曖昧な基準を設けると、人によって解釈が異なって、混乱を招くのです。ですから、ルールはシンプルなのものにしておくのがいいのです。

文句を言わない !

以上のような外資のルールを理解していても、一方で納得できないのも事実。一生懸命仕事をした結果、研修を受ける時間がなくなって、挙句の果てに昇進もできないとは ・・・ 泣くに泣けません。


しかし、それは自分が悪いのです。極端なことを言えば、たとえ収益を落としてでも、研修を受けておいた人が勝ちなのです。実際に外資では、本当に稼いでいる人はなかなか出世できずに、適当にやっている人がトントン拍子に出世するというケースをよく見かけます。その理由の 1 つに、このような昇進の条件があったりするのですが、そのことに文句を言っても仕方ないのです。イヤなら辞めればいいわけで、そこで働く以上は、それを承知の上で頑張るしかないのです。


今回のケースで、私がウダウダ文句を言うことなく、すぐに諦めたのはそういう理由があるからです。外資系企業では、決められたルールについて文句を言っても、聞き入れられることは 100 % ありません。それどころか、「こいつはルールを守ろうともせずに、文句ばかり言っている ・・・ 」と、かえってマイナスの評価につながりかねません。なので、こういう場合は、悔しくてもサッと引いた方がいいのです。

入社時に背伸びせよ

「外資では昇進の条件に特例はない。ギリギリでもいいので、すべての条件を満たすべし」「どんなに納得できない評価だったとしても、自分が条件を満たしていない以上は、下手に食い下がらない。かえって心象を悪くする」 ・・・ など、昇進の条件に関する、いくつかのポイントをお話ししました。もう1つみなさんにアドバイスできるとすれば、「外資への転職時には、できるだけ高いランクで入っておく」ということでしょう。


私は今「レベル 8 」ですが、今回「レベル 9 」への昇進に失敗しました。で、よくよく考えてみると、転職時にもう少しゴネていれば、「レベル 9 」で入社できていたような気がするのです。私と同時期に入社した人で、私とほぼ同じ経験と業績を有していれば、レベル 9 で入社できているようでした。つまり、私は入社時に、あまりにも淡白に「レベル 8 」というランクを受け入れていたような気がするのです。


入社時にできるだけ高いランクをゲットしておいた方がいい理由は、入社後に昇格するのに比べて、はるかに楽だからです。入社時の面接では、「じゃ、レベル 8 の一番上ということで入社してもらうから・・・心配いらないよ、すぐにレベル 9 に昇進できるから ・・・ 」なーーんて言われて、その気になって入社するのですが、実際にはそんなに簡単に昇進できるわけではありません。会社に慣れるまでに 1 年ぐらいかかって、そこでやっと昇進に対象になります。その後 1 年かけて昇進の準備を進めても、私のように失敗するケースもあるわけで、上への昇進が保証されて入社するケースなどないのです。


私のように、入社してから苦労するぐらいなら、少し背伸びしてでも入社時に 1 ランク上を狙うべきです。特にマネージャークラス以上であるなら、無理をしてでも上のランクで入社されることをオススメします。

バランスが重要

さてさて、私は早速、半年後の昇進に向けて準備を始めることにしました。昇進のために必要な研修は 3 つ。すべて E ラーニングというのも寂しいので、いくつかは実地の研修を受けたいと思っています。


ただ、研修を受ければ昇進できるかというと、そうでもありません。今回は収益面の条件をクリアできていましたが、半年後に同じ数字を上げられるかどうかはわかりません。なので、研修もほどほどにしておかないと、数字がついてこないことになります。


自己研鑽・スキルアップと営業成績、結局のところ、より上位ランクに求められるのは、「バランス」なのだと思います。どちらか一方だけでは、優れたマネージャーにはなれません。条件ギリギリで何とかこなせばいいや、なんてセコイ考えはやめて、できる限りの好成績で昇進を狙いたいと思います。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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