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タカシの外資系物語

So disappointed…2005.08.30

「Steve…I’m so disappointed …」 


私は、ただそう言い残して携帯を切りました。


「ふぅ ・・・ これで終わったな ・・・ 」


大都会の喧騒が、やけに悲しい夏の日の午後でした ・・・ え ? 何がどうしたって ? いや、だから、私はひどくがっかりした、と Steve に告げて電話を切ったんですよ。え ? そんなこと読めばわかるって ? これじゃ、何にがっかりしたのか全くわからんじゃないかって ?


では、私が「がっかりした」理由をお話しすることにいたしましょう・・・

Steve との約束

あれは 3 ヶ月ぐらい前のことだったでしょうか。 Steve というヘッドハンターから、私のもとに電話があったのです。 Steve とは初対面だったのですが、私にアプローチしたい企業があるとのことで、話を進めていたのです ( 詳細は『ヘッドハンターに会おう ! - Steve のケース - 』 参照のこと)。


私にアプローチしたい企業というのは、「 ZZ consulting 」という IT 系のコンサルティング会社。はっきり言って、業界でもあまり名の通っていない新興企業でした。最初のうちはあまり気乗りがしなかったのですが、 Steve があまりにも熱心に誘ってくれるため、「ま、いいか ・・・ ものは試し、話ぐらいは聞いてみるか ・・・ 」という気になっていたのです。


この手の話が進む場合、次のステップとして、 Steve の方から ZZ consulting の幹部に対して、私が会う意思があることを伝えてくれるのが通常です。ヘッドハンターやエージェントの役割ってのは、採用したい企業と候補者の間に入って、面談のアレンジや円滑な意思疎通を手助けすることにあるわけでして、私もそれを期待していたのです。


私 「じゃ、 Steve さんから ZZ consulting に連絡してくれるんですよね ? 」


Steve 「モチロンデスヨ ! ZZ consulting ニハ、ワタシカラハナシテオキマス。アトハ、ヨロシク ! 」


私 「アトハ、ヨロシク ! って、 Steve さん、もしかして、どっか行っちゃうの ? 」


Steve  「シバラク London ニカエリマス。 I will be out of Japan from tomorrow until the end of August. ナンデスヨ。 Humidity ダイキライネ ! 」


私 「はぁ ? 」


Steve は日本のじめじめした梅雨や夏の気候が大の苦手なので、明日から故郷のロンドンに帰るとのこと。


Steve  「ダイジョウブ、ダイジョウブ。ナニカアッタラ E-mail クダサイ」


私 「・・・ ( ホントに大丈夫か、この人 ・・・ )」


これが梅雨真っ最中、 6 月末頃の話です。その日の夜、 Steve から以下のような E メールが届きました。


Takashi san, 
I have just completed your resume and presented to ZZ consulting. 
As I explained, I will be out of Japan from tomorrow until the end of July. I will remain in contact with you and with ZZ consulting while I am away, thru this e-mail account and I will also give you a call after your meeting with ZZ consulting.
For the purposes of setting up that meeting, I have asked Hanako Suzuki of ZZ consulting HR, to contact you directly.

 

「ふむふむ、 ZZ consulting 人事の鈴木花子さん ( 仮名 ) からの連絡を待ってればいいんだな ・・・ 」


Steve の対応に、何となく誠意のなさを感じていたものの、こちらもそれほど真剣ではなかったこともあり、私はそれ以降このことをすっかり忘れていたのです。

待ちぼうけ ?

んなこんなあって、 8 月もそろそろ終わろうとしているある日、 Steve から私の携帯に電話がありました。


Steve 「Hi, Takashi ! I’m Steve ...」


私はちょうどそのとき、ある顧客と重要な打ち合わせをしていたため、内容も聞かずに、


「Sorry, now, I have meeting with my client. Please call me back, later!」 
と言って携帯を切りました。


「ん ? Steve、Steve…って、はて ? だれだっけ ? 」


顧客との打ち合わせが終わり、 PC を開いてみると、 Steve から次のような E メールが来ていました。


Takashi san, 
Many apologies that either myself or ZZ consulting have not been in touch sooner. I returned to Japan at the end of last week, after a truly "interesting" weeks in England, and of course on my return I was enquiring at ZZ consulting why they had taken no action on your resume! 
ZZ consulting HR wish to extend their apologies to you: During most of July and August, meetings with candidates were on hold while a new business plan 
Mr. Tanaka is the Partner in charge of the Financial sector at ZZ consulting. He is currently also very busy with clients but is sincerely interested in meeting with you…


・・・ ブチッ ! ( 切れた音 )


「なんじゃそりゃーーーーーっ ! 人をバカにすんのも、ええ加減にせぇやーーーーーーーっ ! ! 」


忙しくて連絡できませんでしたって、いくらなんでもひどいと思いません ? !


Steve ! 夏休み取るな、とは言わないけど、やるべきことはちゃんとやろうよ !


ZZ consultingのMr. Tanaka ( 仮名 ) ! 忙しいから連絡できんかった、てか ? こっちもあんた以上に忙しいわーーーっ !

捨てゼリフ

私が一人でブチ切れていると、 Steve から再度電話がありました。そのときに私が Steve に発した言葉が、冒頭の 「 Steve…I’m so disappointed …」だったというわけです。


Steve は、私のこの怒りを ZZ consulting にも伝えたいらしく、怒りの内容をメールにまとめて送って欲しいと言いました。「なんでオレがそこまでせなならんねん ! 」と思ったのですが、こういうわけのわからない輩たちは、しっかりと退治しておかねばなりません。私は、 Steve と ZZ consulting とは金輪際付き合いがなくなることを覚悟で、以下のようなメールを送りました。


Steve-san, 
Ohisashiburi-desu. 
Had a good time in UK ? ( こんなこと書いてる自分が悲しい・・・ ) 
When saying from the conclusion, I would like to cancel the MTG with ZZ consulting members, because of the followings : 
( 1 ) I am also busy, same as Tanaka-san. 
( 2 ) I cannot trust the company that do not so much as reply to candidate. Is it so difficult ? 
That's all. 
Takashi


と、すぐに Steve から返事が来ました。「えらい早い返事やな ・・・ 」


Takashi san, 
That is not so difficult to understand. 
I feel the same issue. 
Your response, and my support for your response has been passed to HR and the highest levels at ZZ consulting…

コモディティ化する「転職」

ま、確かに、本件については私もすっかり忘れていたわけですから、そんなに目くじら立てて怒ることもないのかもしれません。でも、あまりにも失礼すぎる ! ZZ consulting は私に興味があって、向こうから私にアプローチしてきたはずです。そんな私に対して、最近忙しかったから、連絡できなかった、だから放置していた ・・・ は、ないでしょう ?


最近は、ヘッドハンターやエージェントなど、いわゆる転職を紹介する「キャリア・コンサルタント」が巷にあふれています。それはそれで、レベルの高いところで競争をしてくれればいいのですが、実際には非常に質の悪い「ヘッドハンターもどき」がはびこっているのも事実です。


また、求人先の企業も、とりあえず投網のように応募をかけておけば、それなりの人材がかかってくるだろうとばかりに、応募者に対して杜撰な対応しかしないケースが増えているようです。これは、新興企業で人事部門がしっかりしていないからという理由だけではないと思います。組織がしっかりしていようがいまいが、応募者に対して真心こもった対応を取ることは可能なはずです。つまり ZZ consulting は、通常のお客様に対しても、このような中途半端な対応しかできない企業と判断せざるをえないわけで、そんな企業には給料をいくらもらっても転職する気はありません。


ヘッドハンターやエージェントを使って転職活動を行っているみなさんに一言。みなさんが付き合っているヘッドハンターやエージェントは、しっかりとした対応をしてくれていますか ? 応募先企業はどうですか ? 「転職」が「モノ」として扱われる昨今、ますます応募者自身の「目利き」が必要になってくるのだと思います。心から信頼できるヘッドハンターやエージェントを使って、十分に納得できる転職を実現してくださいね !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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