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タカシの外資系物語

TOEIC 受験大作戦 ( その 2 )2005.07.12

三日坊主

会社の人事部から、 TOEIC 受験を指示された私は、早速問題集を購入し、受験勉強を開始しました。このまま受験日まで順調に勉強が進んで、まずは目標の「 800 点オーバー」 … となればよかったのでしょうが、そうは問屋が卸しません。結局のところ、「仕事があるから後でやろう ! 」とか、「休日ぐらいはゆっくり休もう … 」なんて言い訳ばかりを並べてしまい、 3 日もすればせっかく買った問題集も本箱の隅に追いやられて、受験すること自体すっかり忘れていました。 
  
自分でも情けなくなるのですが、一体いつの頃から、こんなにも勉強に対する集中力・執着心がなくなってしまったのでしょうか。学生時代も、計画的に勉強をする方ではなかった ( 毎回行き当たりばったりの一夜漬けで対応していた ) のですが、それでも最低限の準備はやってきたように思います。それが今や、この有り様。集中力の持続たるや、幼稚園児並みになってしまいました。思い返してみると、どうも 30 代になったあたり、マネージャー ( 管理職 ) になった頃から、このような「体たらく」が始まったような気がします。他人 ( 部下 ) の仕事に対する管理はそれなりにできるようになったのですが、一方で自分が手を動かすことがめっきり減ってしまいました。その結果、仕事の回し方はうまくなった一方で、自分自身の知識レベルの向上が止まってしまったような気がします。


「 20 代から 30 代半ばぐらいまでは貪欲に知識を吸収し、その後は蓄積した知識をベースにマネジメントなどの管理業務を実践する … 」 ま、確かにその通りやっているという話もありますが、このやり方は、外資系では通用しないのです。日系企業では、 35 歳くらいまでに知識の吸収を終えて、それ以降の出世は「運まかせ」みたいなところがあるのですが、外資系ではそうはいきません。 40 歳になろうが、 50 歳になろうが、常に貪欲に知識を吸収して自分をブラッシュアップしていかないと、あっという間に取り残されてしまいます。つまり、マネージャー ( 管理職 ) になろうが、経営陣になろうが、常に自分を磨き続ける必要があるわけです。

今日は何の日 ?

さて、 TOEIC の受験を申し込んでから 2 ヵ月後のある日曜日の朝、私は奥さんと愛犬ゴルゴを連れて、近所の公園まで散歩に来ていました。公園のベンチに腰掛けて休んでいると、外国人の家族がやってきて、ゴルゴをなでてくれました。


「Oh! This puppy is so cute!」


まだ 3 歳ぐらいの女の子が流暢な英語を話しています ( ネイティブなんだから当たり前なのですが … )。やっぱり、小さい頃から英語に慣れ親しんでると、違うよなぁ … オレなんか、この年になって英語の勉強に四苦八苦してるんだから … そういえば、TOEIC どうなったっけ … 今日は、X月XX日 … X 月 XX 日 ? XX 日って、あんたぁーーーーーー、今日は TOEIC の試験日やないかぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ ! (T-T)


私 「ちょ、ちょっと、すぐ帰んなきゃ … 」


うちの奥さん 「どうしたの ? 」 ゴルゴ 「ブヒブヒ ? 」


私 「今日、 TOIEC だったんだよーーー。すっかり忘れてたぁ … (T-T)」


うちの奥さん 「でも、受験票来てないわよ」


ん ? そういえば受験票が郵送されていません。いくら私がおっちょこちょいだからといっても、受験票が来ていれば、受験日など忘れるはずがありません。


私 「う、うん …… でもネットで申込はしたんだし、おかしいなぁ … とりあえず、家に帰って確認しよう ! 走って帰るよーー ! 」


うちの奥さん 「えーーっ ! ちょ、ちょっとーーーっ ! 」 ゴルゴ 「ブヒブヒブヒーーー ! 」


日曜朝の優雅な散歩は、一転して、一組の夫婦とブルの爆走レースに変わってしまいました。

ま、間に合わん …

家に帰って TOEIC の協会に確認してみると、どうやら手違いによる受験票未着のようでした。協会の担当者 「受験の受付は完了していますから、これからすぐに向かってください ! 受験場所は、○○高校です。 12:40 までに来てもらわないと、受験できませんから … 」


時計の針は … 「 12:20 」 な、なんとねーーーーーーーー ! (T-T) 私の家から△△高校までは、電車で行くと軽く 40 分はかかります。


私 「ク、クルマで行こう … クルマなら 20 分もあれば着くから … 」


うちの奥さん 「とめるとこ、あるの ? 」


私 「な、なんとかなるだろ … 」


おもむろにクルマに乗り込んだ私。「こういうときこそ、安全運転、安全運転 … 」 私ははやる気持ちを抑えながら、△△高校に向かいました。


「よーーし、12:40 ! 間に合ったぁ … 」


私はとりあえず△△高校の校門にクルマをおいて、受付に向かいました。


私 「受験票未着なんです。とりあえず受付を ! はぁはぁ、ぜぃぜぃ … 」


係員 「○○タカシさんですね。大丈夫ですよ、ギリギリ間に合ってますから … 」


私 「あのぅ … クルマで来ちゃったんですけど … どっか、とめるとこありますかね ? 」


係員 「クルマ ? 受験票には、公共の交通機関を使えって、書いてあったはずですよ」


その受験票が来んかったんやーーー ! って、ま、常識的にクルマで来ちゃいかんことぐらいわかっとったが、事情が事情なんだから …


係員 「校舎の裏側に、時間貸しの駐車場がありますから、そこに入れてきてください」


私 「は、はぁ … ( トホホ … )」


係員 「あ、それと … 3×4 の証明写真がないと、受験できませんから」


… あ、あのなぁ … しゃ、写真なんか … 撮っとらんわぁーーーーーーーー ! (T-T)

炎のランナー

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタ ! 私は梅雨の合間の初夏を思わせる日差しの中、ただひたすら走っています。クルマを駐車場に入れ、近くのコンビニで証明写真を撮影 ( この写真がまた、悲壮感漂う情けない出来ばえ … )。時計の針は 12:50 。それにしても、全速力でこれほどの長時間走ったのは久しぶりです。△△高校近くの閑静な住宅地を、『炎のランナー』のテーマソングに乗って、爆走する私。ちょっと、カッコいいっすかね ? ( どアホか、わしは … )


私 「はぁはぁ、ぜぃぜぃ、お、遅れてすみません … はぁはぁ、ぜぃぜぃ … 」


係員 「タカシさん、通常の会場では注意事項の説明が始まっていますから、こちらで受けてください ! 」


私 「へ ? 」


私は予備用の「特別教室」で、試験官と 1 対 1 で受験することになりました。


係員 「あと 1 分でリスニング・セクションが始まりますから、もう注意事項の説明はできませんけど、よろしいですね ? 」


私 「はぁはぁ、ぜぃぜぃ … け、結構です。す、すみません … はぁはぁ、ぜぃぜぃ … ひ、ひとつお願いがーーっ ! 」


係員 「な、何ですか ? 」


私 「え、えんぴつ貸してください … 」


係員 「 … ( 何しにきたんじゃ、こいつはぁーーーーーーーーーーーーっ ! )」


係員の方にしてみれば、とんだ災難だったに違いありません … ま、何はともあれ、私は無事 ( ? )、十数年ぶりの TOEIC 受験を果たすことができたわけです。

 

リベンジを誓う

受験開始数分前の「大爆走」のおかげで、最初の 20 問ぐらいは息がはずんでボロボロだったのですが、テスト自体はそれなりにできたような気がします。実際に受験してみて気付いたのは、ヒアリングと長文読解は、以前と比べてそれほど力が落ちていないということ。この 2 つは、会社でそれなりに英語に接していれば、何とか力を維持できるような気がします。一方、ボロボロだったのが文法の問題です。短い文章にいくつか下線が引いてあって、文法的に間違っている選択肢を選ぶ問題があるのですが、はっきり言って全くお手上げでした。この手の問題は、大学受験の直後に受ければ、かなりハイスコアを狙えると思うのですが。ま、これも踏まえた上での TOEIC スコアですから文句を言っても仕方ありません。


私は帰りに本屋さんに寄って、「TOEIC 文法問題集」とやらを購入しました。次回のテストまでにこの問題集を仕上げて、今度こそ余裕をもって受験しよう ! と心に誓う私。読者のみなさんの中で、横浜の△△高校で TOEIC を受験された方々。校庭を何往復も爆走していたのは私です。お騒がせして、本当に申し訳ありませんでした。


家に帰ると、奥さんとゴルゴが玄関まで飛び出して迎えてくれました。


うちの奥さん 「おかえりーー ! 大丈夫だった ? … あれ、なんかやたら日に焼けてるわね ? どうしたの ? 」 


( 終わり )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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