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タカシの外資系物語

TOEIC 受験大作戦 ( その 1 )2005.07.05

TOEICの点数は ?

皆さんは、英語に関する資格テストを受験されたことがありますか ? 英語のテストと言って思い浮かべるのは、一般的には英検や TOEIC 、留学用としての TOEFL や GMAT が挙げられると思います。


以前にも当コラムで述べたように、私は日系の銀行員時代に、社内の留学生試験に合格したことがあり、かつ転職後は外資系企業に勤めているわけですから、英語がかなり「デキる ! 」と誤解されがちです。しかし、はっきり言って私の英語力はかなりショボい。私がこう言うと、「またまたぁー、謙遜してぇー … 」と返されるのですが、本当に泣けるほどにショボいのです …


思い切って、読者のみなさんだけに告白しましょう。「英検準 1 級・TOEIC 775 点」 … これが私の英語に関する正式な「資格」です。まぁ、世の中の平均としてはこんなもんなのかもしれませんが、仮にも『タカシの外資系物語』なんていうコラムを連載しているわりには、かなりトホホな点数であることは確かです。


「TOEIC 775 点で留学生試験に合格するのか ? 」という疑問もあろうかと思います。しかし、合格したのです。そもそも、日系企業の留学生試験というのは、いかに力の強い上司につくか、留学しやすい業務のラインに乗るか、ということが最重要なのであって、英語の点数などほとんど関係ありません。当時の私は銀行内において、「 2 人に 1 人は留学する」と言われたマーケット部門に所属し、かなり有力な上司の下で働いていました。このような「留学するための黄金ライン」に乗ったおかげで、TOEIC 775 点でも留学生試験に合格できたわけです (No.80 『MBA はお得 ? 』参照)。


社内の留学生試験に合格した社員は、半年ほど通常業務を離れ、かなり楽な部署に配属されます。通常なら、この期間中に死ぬほど英語を勉強して、実際に留学する頃には、それなりの英語力を付けてつじつまを合わせるのです。しかし私の場合、社内試験に合格した直後に銀行の海外撤退が決まり、私の留学話も無期延期になってしまったものですから、腰を据えて勉強する機会がなかったのです。


その後、私は銀行を退職し、外資系企業に転職しました。外資系企業の採用担当者というのは、上記のような日系企業の事情を詳しく知らないのか、「銀行の留学生試験に合格した」と言うだけで、それなりに英語ができるんだろうと「勘違い」していたフシがあります。なので、私の「TOEIC 775 点」というのは長く封印されたまま、今日を迎えるに至ったわけです。

社員全員、受験せよ !

私自身も、このまま自分の実力をごまかしたまま過ごしていければ … と思っていました。そ、それがですよ、私の企みをもろくも崩れさせる出来事が起こったのです。ある日、人事部より次のようなメールが届きました。

 


「HR ( Human Resources: 人事部のこと ) より社員の皆様へ このたび、社員のスキル・データベース構築の一環として、 TOEIC 受験が義務付けられることになりました … 」


にゃ、にゃんだとーーー ! 「義務付けられる」っちゅうことは、全員受験っちゅうことかいのーー(T-T)。さすが外資系の人事。問答無用で全員受験です。外資系で「全員」というのは、本当に社長以下全員を指します。社長を含め、部長連中の中には、海外で 10 年以上働いていたような人も多く、いまさら TOEIC 受験もないだろうと思うのですが、こういうのは社員一律で徹底してやらないと、うまくいかんわけです。


人事部にとっては、英語ができる人はどうでもいいのであって、要は英語ができない人の尻を叩きたいわけですから、例外を作るわけにはいきません。今回の通知では、「全員受験」とだけしかアナウンスされませんでしたが、そのうち「マネージャーは○○○点以上」なんてのが義務付けられることでしょう。


ここまでなら日系企業と同じなのですが、外資の恐ろしいところは、点数が低いことを理由に、それを「肩たたき」の理由に使われる可能性があるということです。 TOEIC の点数が低くても、業績を上げてさえいればいいのでしょうが、業績が上がらなくなった途端に、退職を迫ってくる可能性があります。

Listening の苦い思い

ま、ウダウダ言っても仕方ありません。受けろというなら、受けてやろーじゃないですか ! 775 点の実力 ( ? ) を思い知らせてやるわーー ! 私は早速、TOEIC のホームページにアクセスし、オンラインで受験申し込みをしました。 10 年ぐらい前なら、大手の書店で申し込みするしか方法がなかったのですが、最近は本当に便利になったものです。


「申し込みも済んだことだし、少しは勉強しておくかにゃ … 」


TOEIC の試験は、 Listening ・ Reading の 2 つのセクションで構成されています( それぞれ 100 問ずつ )。私は Listening に関する問題集を買ってきて、勉強することにしました。なぜ Listening なのかというと、 TOEIC の Listening テストは独特の「クセ」のようなものがあって、事前に練習しておかないと、本番でなかなか対応できない部分があるのです。


TOEIC 以外の Listening テストというのは、話し手の言っていることが「だいたい」理解できれば、それなりに点数がとれるようになっています。しかし TOEIC の Listening は、だいたい理解できたからといって、解けない問題の方が多いのです。その理由は、「問題数が多い」「 1 問( または少数問 ) ずつにストーリーが違う」「ひっかけ問題が多い」ということが挙げられます。


そもそも、私は Listening が大の苦手です。忘れもしません、あれは英検 3 級の面接試験のときの話。高校 1 年生のときです。面接官が私に向かって、何やら言っているのですが、全く何を言っているのかわからんのです …


「ペラペラ、 school ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ … 」


… ス、 school しか聞き取れん … (T-T) … 少し落ち着いて、I beg your pardon? とでも言えばよかったのでしょうが、舞い上がってしまった私は、質問を「想像」することしか頭にありませんでした。「schoolかぁ … 多分、学校にどうやって行っていますか ? って聞いてるんだろう … 通学の手段を聞いているに違いない … 」


私は次のように答えました。


「bicycle」 
面接官は怪訝そうな顔をして、「もう 1 回」と指で合図しました。


「ペラペラ、 name ペラペラペラペラ school ペラペラペラ … 」 
… nameが聞こえたぞ … 名前、名前ねぇ … ははーーん、「あなたは学校で何と呼ばれていますか ? 」って聞いてるんだな。ニックネームを答えればいいんだ !


「Takashi … or, Taka-chan」


そのとき、面接官の顔から血の気が引いていったのを覚えています。面接官が聞いていたのは、「What is the name of your school ? 」、つまり私の高校の名前を聞いていたのですな … bicycle、Taka-chanって何じゃそりゃ … トホホ、情けない …


… というわけで、私は 3 ヵ月後の TOEIC 試験に向けて、慣れない勉強を始めたというわけです。受験のドタバタ劇は、次回お話したいと思います。

 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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