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タカシの外資系物語

悩み事解決ナビ2004.09.30

相談ナビ開設 !

先日、わが社の人事部から以下のようなアナウンスがありました。


「New Portal site open ! – Work/Life Navigation -」 (新しいポータルサイト “ワーク/ライフ ナビゲーション″開設 !)


「ワーク/ライフ ナビゲーション」というのは、仕事や生活における社員および家族の様々な課題を解消するための支援を行い、個人の適切なキャリア形成や人生設計を促進するために作られた社内ポータルサイトです。このポータルサイトでは、「システムエンジニアから営業に職種変更したいが、どんなスキルを身につけたらよいか」「職場やクライアントの近くで子供を預けられる保育園を探したい」「ストレス対処法を身に付けたい」といった社員の課題に対して、産業医やキャリアカウンセラーといった、適切な相談相手を紹介してくれます。もちろん、セキュリティーやプライバシーには十分に配慮されており、人事部といえどもその内容を知ることはできないようです。


ポータルサイトは「相談窓口」ですから、チャットのようにリアルタイムで相談に乗ってくれるわけではありません。あくまでも、会社が契約している専門家につないでくれるだけのことです。しかし、私はこのことは、外資系企業における大きな進歩だと思っています。

日系企業における過剰な福利厚生

私が初めて外資系企業に転職した 8 年前には、こんなサービスは存在しませんでした。福利厚生がない代わりに給料が高い、福利厚生か現ナマか !、このことが日系と外資系を分ける差別化要因でもありました。


確かに私が日系企業に勤めていた頃の福利厚生サービスは、過剰傾向にあったように思います。例えば、私が日系銀行の本社に勤務していたときには、本社内の「保健室」に会社が契約している大学病院の産業医が常駐していました。本社ビルには 1,500 人ほどの人間がいましたから、それなりに需要はあったのでしょうが、大学病院の先生に常駐させる必要はなかったのではないかと思います。こちらも調子に乗って、せっかく医者がいるんだから使わなきゃ損とばかりに、私の同期の A くんなどは「水虫」を治療するために「通院」していました。んなもん、薬局で薬でも買って済ませろやーー ! って感じです。

外資系企業における新しい福利厚生

バブル崩壊後、景気の後退に伴い、日系企業での手厚い福利厚生も見直されるようになってきました。その一方で、従来の福利厚生にはなかったようなサポートの必要性が出てきました。病気やケガを治したり、住宅費用を補助したりという直接的な内容ではなく、社員が気持ちよく仕事をするための全般的なサポートが求められるようになってきたのです。


当初は、多くの外資系企業では、新しい概念の福利厚生サービスの導入について積極的ではありませんでした。一般的に、福利厚生などの社内サービスは、予想以上にコストがかかります。福利厚生の代わりに給料を高くするほうが、結果的には安く済むケースが多かったのです。しかし、次のような理由から、外資系企業でも福利厚生サービスを導入せざるをえなくなってきました。


最も大きい理由は、福利厚生の手厚い企業に優秀な人材が流れ始めたことが挙げられます。例えば、ある外資系ソフトウェア企業では、社内に託児所を設置することで、多くの優秀な女性戦力を集めることに成功しました。小さな子供を持つ母親にしてみれば、多少給料は安くても、職場内で子供を預ってくれる会社の方が魅力的だったわけです。福利厚生というのは、お金でははかれない要素もあるということです。


もう 1 つの理由は、インターネットの発達により、ポータルサイトのような「窓口」という形でサービスを提供することにより、自社内にサービス部門を抱える必要がなくなったことも大きいと思います。要は福利厚生をアウトソースしているわけで、かかるコストも社員が相談した分だけという具合に、従量制で変動費化することが可能となっています(自社内にサービス部門を抱えると、サービスを提供しようがしまいが、担当者が常に必要となりますから、コストは固定費化されます。社内サービスの場合、コストを固定費化すると、かえってコストがかかるケースが多いので、変動費化したほうがいいと言われています)。

サービス内容は ?

さて、わが社でも鳴り物入りで始まった「ワーク/ライフ ナビゲーション」、いったいどのようなサービス内容になっているのでしょうか。


社内 LAN から入って、ナビゲーション・サイトの入り口にいくと、支援内容が 4 つのカテゴリーに分かれています。


(1)仕事とキャリア - キャリア相談、自己啓発プログラム、在宅勤務制度の紹介等 
(2)社員と家族 - 出産・育児に関する制度紹介、ベビーシッター・ホームヘルパー紹介、介護休職制度等 
(3)健康 - ストレス・疲労度チェック、高血圧・肥満・禁煙サポート、各種健康相談等 
(4)ライフ & マネー - 住宅融資、年金・保険相談、対人関係相談、トラブル(交通事故等)相談等


「どれどれ……」 私も、物は試しとばかり、中身を覗いてみることにしました。


私は、「(1)仕事とキャリア」の中にある「キャリアパス」という項目をに入ることにしました。そこには、次のように書かれていました。


「こんな疑問に答えます… コンサルタントとしてのキャリアパスにどんな選択肢があるのか、会社はどんな人材を増やそうとしているのか、情報が欲しい など」


お ! これだよ、これ ! 今はコンサルタント一筋でやってるわけだけど、やっぱり管理畑の仕事もしとかないと出世できないかもしれないもんな……

専門カウンセラーって ?

実は私、同様の相談を上司の Neil にしたことがあるのです。コンサルタントとしてのキャリアだけで、社内でどこまで出世できるのか…… 同様の悩みは、外資系企業に勤める日本人に共通するものだと思います。Neil 自身はアメリカ本社採用の人間ですから、私のような日本における現地採用の人間に対しては、どうも歯切れよくコメントをすることができないようです。


「Takashi, maybe… you access work/life navigation…you can talk with the career counselor」(タカシ、一度「ワーク/ライフ ナビゲーション」で、専門カウンセラーに相談してみるといいんじゃないかな……)


上司の Neil の薦めもあって、私は「キャリアに関する身近な相談」という項目をクリックし、実際にカウンセリングを受けてみることにしました。サイトに入ると、次のような文章とともに、具体的なカウンセラー名(わが社では、これをキャリア・リーダーと呼んでいるようです)が記載されていました。


「2003 年度業務目標のひとつである「プロフェッショナル・スキルの向上」という命題を達成すべく事業部、部門、会社をリードする役割を担う担当者をキャリア・リーダーと命名いたしました」


ふむふむ……


「事業部長・部門長の代理として社員の育成施策を立案、展開しリードする部門代表者として……」


で、要するに、だれに相談すりゃいいんだよ……


「社員のキャリアに関する相談は、以下のキャリア・リーダーがカウンセリングします…… 金融部門 キャリア・リーダー Neil Thomas ……」


…… Neil Thomasって、おいおい ……


Neil やないかぁーーーーーーーーーーーーー ! なめとんのかーーーーーーーーーーー !


…… ということで、わが社の「悩み事解決ナビゲーション」は、まだまだ改善の余地がありそうです、ハイ…… トホホ……

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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