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タカシの外資系物語

外資系社員タカシの仕事観2003.08.15

みなさんが一番大事にしているものは何でしょうか ? 私の場合は、「家族」です。家族が健康で仲良く暮らしていければ、それだけで十分だと思っています。


では、家族の健康を保証し、仲良く、それなりに楽しく過ごしていくためには何が必要でしょう ? お互いに愛情を持ち続けることはもちろんですが、「お金」も重要な要素になってきます。では、お金はどうすれば得られるかというと、仕事=労働の対価として得られると考えるのが一般的でしょう ( 悪いことをすれば別ですが …… )。


では、高収入さえ得ていれば幸せになれるかというと、それはちょっと違います。しかし、幸せに暮らしていくためには、最低限 (+ アルファ ) のお金が必要であることも事実です。ということで、通常の場合、仕事をすることなしに幸せに暮らしていくことは非常に難しいわけです。


いささか回りくどい説明をしてしまいましたが、要するに、仕事でいくら成功しても、それがイコール幸福なのかというとそうとは限らないということです。最近は減ってきましたが、「仕事・わが命」なんて言っていたモーレツ世代だって、本当に大切なものは別のところにあったはずです。仕事というものの結果を、出世や金儲けとしてしか見ることができないと、自分にとっての幸福の本質を見誤ってしまうというわけです。


さて、外資系企業で働いている人々は、自分の「仕事」をどのように考えているのでしょうか。ひとつ言えることは、「彼ら(彼女ら)が一番大事にしているのは、仕事ではない」ということです。それは「家族」であったり、「趣味」であったりするのでしょうが、「仕事」という人はほとんどいないはずです。典型的な外資系企業の社員の考え方を、以下にまとめてみましょう。


1. 一番大事なもの=「家族」


2. できるだけ家族と一緒にいたい


3. 家族と一緒にいるために、稼げるときに、稼げる会社で、稼ぎたい


4. なので、今はモーレツに働こう


ですから、40 代で急にリタイアするような人も結構います。私の上司である Jim も、「50 歳 ( 今 46 歳 ) になったら、絶対辞める」と言い切っています。


こういう話を日系企業に勤める友人にすると、決まって「うらやましいなぁ …… 」という反応が返ってきます。「数年働けば、リタイアできるぐらい給料をもらっているのか …… 」しかしそれは違います。条件そのものは、外資系も日系も変わりません。外資系だからといって、楽に稼げるわけではないのです。このような誤解を生む原因は、上記 3. の「稼げるときに、稼げる会社で、稼ぎたい」という部分にあります。みなさん、世の中に、絶対に「短期間で他社より稼げる」ということを保証してくれる会社などあるでしょうか。あるなら教えて欲しいですよね、私が行きますから。つまり、そんな会社など存在しないわけで、「短期間で他社より稼げる」というのは一方で、「もしかしたら全く稼げないかもしれない」というリスクを併せ持っているわけです。


「リスクは高いが、30 代なら体力的にも何とかなりそうだから、頑張ってみるか。うまくいけば、将来的に家族と過ごす時間が増えるかもしれないんだから ……」とまぁ、こういうことなのです。


一方で、外資系企業は金儲けだけのためにあるのかいうと、そうではありません。かつての IBM などは、社員の雇用は絶対に守る会社として有名でした ( 結局 90 年代にリストラしてしまいましたが )。終身雇用というのは、日本企業だけの専売特許ではないのです。


つまり、外資系企業には「ハイリスク・ハイリターン」から「ローリスク・ローリターン」まで、実に様々な企業が存在するわけです。そこに勤めようとする人は、自分のライフスタイルに合わせて、一番ピッタリくる企業を選択することができる仕組みになっているのです。一方、日本では「ローリスク・ローリターン」の企業がほとんどでしたから、外資系企業の「ハイリスク・ハイリターン」な部分のみがクローズアップされる結果になってしまいました。


自分のライフスタイルを軸にして、仕事をどのような位置付けにするか、これを「ワーク・ライフ・インテグレーション」と言います。この考え方の特徴は、「最低限の仕事は必要であるが、それは一番大事なことをベースになされるべきである」ということです。なんだか当たり前のような気もしますが、これまでの日本には、このように考える人がほとんど存在しませんでした。「もっと時間があれば家族と過ごせるのになぁ ……」と文句は言うことはあっても、それを直接的に仕事のせいにする人はほとんどいませんでした。ましてや、そのために仕事を変えるなんていう具体的な行動に出る人などいませんでした。その理由は、日系企業に勤めるということが「ほぼノーリスク・ローリターン」であったからだと思います。つまり、いろいろ文句はあっても、会社が定年まで面倒を見てくれることがほぼ 100% 保証されていたので、その結果として一番大事な「家族」を守ることができると考えられていたからです。


しかしこの数年の間に、世の中は大きく変わりました。ノーリスクどころか、「ハイリスク・ローリターン」なんていう例が巷にあふれてきたのです。日本人の多くは、このような状況になって初めて、「一番大事なものは何 ?」と自問し始めたわけです。すごく遠回りをして、やっと本質にたどりついたということになります。


私とて、外資系企業の考え方が全て正しいとは思いません。しかし「ワーク・ライフ・インテグレーション」の考え方については賛同します。高度成長期から長い期間をかけて、やっと日本人が正気に戻ったのです。みなさんもこれを機に、自分の「ライフ」と「ワーク」の関係を見直されてはいかがでしょうか。何をするために働いているのか、働いた結果何ができるのか …… 外資系企業は、そのための様々な選択肢を、みなさんに与えているのだと思います。


以上、私の個人的な仕事感を書いてみましたが、それでもなお「お前の考えは納得いかん ! 仕事と家族 / プライベートは別物だ !」という頑固オヤジ諸兄がいらっしゃることでしょう。では最後にもう一度。


「あなたにとって、一番大事なものは何ですか ?」 ― 私は、愛する「家族」です !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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