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タカシの外資系物語

転職を考える ( その 2 )2003.06.20

前回の続き )今回は、ヘッドハンティングや人材紹介会社との付き合い方についてお話しましょう。これらの会社は、いくつかのタイプに分かれます。


( タイプ 1 ) 「一本釣り型」 ヘッドハンティング会社

この手のタイプは、ターゲットを特定個人に絞って、いわゆる「一本釣り」を仕掛けます。「ある企業があなたを欲しがっています …… 」確かにこう言われて悪い気はしないでしょう。私が何度かこのコラムでふれてきたのは、このタイプです。


特徴としては、MBA ホルダーや有名国立大卒など、高学歴の人が担当しているということが挙げられます。ですから、はっきり言って「高飛車」です。「あなたのキャリアでは、この企業が精一杯ですねぇ ……」なんてことを平気で言うので、最初のうちはかなりムカッとしますが、気にしてはいけません。彼らの言うコメントはまさにその通りのことが多いので、客観的な評価として受け止めればいいのです。


私のところに、初めてこの手のヘッドハンターから連絡があったのは、ちょうど 3 年ぐらい前でした。(『ヘッドハンターに会おう !』 参照のこと )

「とうとう自分にも、こういう誘いが来るようになったかぁ ……」などと、かなり有頂天になっていたのですが、実はそうでもないのです。


彼らのターゲットは、IT 業界や特定製品のセールスなど非常に狭い業界です。そういう業界というのは、どこどこの A さんという感じで、だいたいどんな人がどこに勤めているか、その業界にいる人なら知っています。ヘッドハンターはそういう業界人から、「A さん、今の会社で冷や飯食ってるらしいよ」みたいな話を聞きつけ、アプローチしてくるのです。ですから、何も急に有名人になったわけではありません。


私はこの手のヘッドハンターとは、定期的に情報交換をしています。当然、情報のやりとりは「ギブ & テイク」が原則ですから、私の方からもそれなりにおいしい話を持っていくのですが。


「うちの会社の B さん、転職したがってるらしいよ ……」なんて具合に、です ( つまり私の場合も誰かがこういう具合に話したんでしょうね )。


( タイプ 2 ) 「ヒト対応型」人材紹介会社

この手のタイプは、ネットで登録すると担当者が連絡をしてきます。


「この度はご登録ありがとうございます。つきましては、これまでのご経歴や今後のご希望に関する、より詳しいお話をお伺いさせていただきたく考えております。早速で恐縮なのですが、来週にでもお時間をいただけないでしょうか ? 土・日でもかまいません」


実は最後の「土・日でもかまいません」というのがキメ手なのです。「私はあなたの転職のためなら、休日も投げ打って力になりますよー。だから私の紹介するところから決めてねー」てな感じ。


まぁ、こういうのも「縁」が重要ですから、「この人にすべて任せてしまおう ! 」とするのもひとつの手ではあります。ですが、忘れてはならないのは、彼らにとって応募者は「いち商品にすぎない」ということです。重要なことは、自分の希望する企業に転職することであって、彼らを喜ばせることではありません。ということもあり、私はこのタイプの人には直接会いません。会ってしまうと、彼らの気合に負け、かつ情がうつってしまい、冷静な判断ができないからです。彼らとのコンタクト・ツールはもっぱら E メールです。実際に合わなくても E メールでの情報交換に応じてくれた人とは、お付き合いしてもいいのではないかと思います。


( タイプ 3 ) 「システム対応型」人材紹介会社

この手のタイプは、すべてネット上で自動的に処理が進められます。ネットにアクセスすると、「履歴書」と「職務経歴書」の登録を求められます。


人材紹介会社の登録画面「経歴書を登録しないと企業からのスカウトが受けられません」


( いや、ちょっと情報交換したいだけなんだけど …… しょうがないなぁ、登録するか ……)


登録画面「スペシャル・スカウトに登録しますか ? スペシャル・スカウトに登録すると、な、なんと ! 企業の人事担当者と直接話ができます ! 」


( ま、どっちでもいいんだけど …… ハイ、登録完了、っと )


-10 分経過 …… この会社からメールが来ました-


「おめでとうございます ! 厳正な審査の結果、あなたの希望にマッチングする企業が 6 社見つかりました ! 」( 厳正な審査って、まだ 10 分しかたっとらんがな …… )


気に入らないのは時間だけではなく、その内容。私は「 IT コンサルタント」を希望したにもかかわらず、「証券会社営業」が入っていたりもします。こういう会社のビジネスモデルは、「数打ちゃ当たる」ですから、それはそういうものとして目くじらを立ててはいけません。


このようにいくつかのタイプのヘッドハンティングや人材紹介会社にコネを作っておけば、「いざ転職 ! 」というときに困らないと思います。私の場合は、タイプ 1 では 2 名の方と仲良くしています。タイプ 2 は、会わなくても E メールで返事をくれる M さんだけ。タイプ 3 は主要な会社にはすべて登録しています。


連絡手段はほとんどの場合 E メールですが、これは MSN の「hotmail を活用しています。自宅のアドレスでもいいのですが、hotmail の場合、容量が 2MB に制限されているところが気に入っています。なんとなく整理しようかな、という気になるだけのことですが。


一番仲がいいのはタイプ 1 のひとりである Y さん。彼とはプライベートでもお付き合いをしています。かつて彼は私に、次のように言いました。


「タカシさん、あなたはまだ転職すべきではない。もっと今の会社でスキルを磨いてからの方が、将来的にあなたにとって得ですよ !」


こういう人になら大事な転職を任せてもいいのかもしれません。みなさんも、良きパートナーにめぐり合えますように !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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