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タカシの外資系物語

モチベーションを管理する2003.02.14

「なーんか、やる気出ないし、モチベーション下がってるなぁ ……」


みなさんは仕事をしていて、なんとなくやる気がなくなってしまうときはありませんか ? え、野暮なこと聞くなって ? いつもやる気ない ? まぁまぁ、そんなことを言わずに、しばしの間お付き合いのほどを。


つい先日のこと、私はあるセミナーに参加したのです。


[ モチベーション・マネジメント ~モチベーションのカリスマ・ O 氏を招いて~ ]


ううむ、モチベーションを管理するなんて、ものすごい発想だ …… それより、モチベーションの「カリスマ」ってのは、どんな人なんだ …… 会ってみたい ……


てなわけで、会場に出かけていくと、土曜にも関わらず満員御礼の大盛況です。何はともあれ、カリスマ O 氏に会わなければ……ど、どんな人なんだろう、サイババみたいなんじゃないだろうか ……


司会 「それでは、 O さんの登場です。みなさん拍手でお出迎えくださーい ! 」


うおぉーーーぉ、って、別にごく普通のおっちゃんだし ……( O さん、ごめんなさい …… )


バカ話はさておいて、モチベーション・マネジメントとは、どのような管理手法なのでしょうか。


『人間は誰しも「楽しく仕事がしたい」「自分の仕事を認めてもらいたい」という根源的欲求を持っている。そして、これらの欲求は、金銭や地位とは別の次元で存在する ……』


ふ、深い …… でも個人的には、金銭や地位も捨てがたいし ……


『顧客の役に立ちたいという欲求が、組織や評価体系・経費削減などの阻害要因によって歪められ、社員のモチベーションが下がっていく。管理職は、モチベーションを低下させる阻害要因を直ちに取り除かなければならない ……』


そ、そりゃそうだろう …… でも、経費削減も重要だし ……


『これからの人事マネジメントに必要なのは、いかにして社員のモチベーション・エネルギーを開放するかということにつきるのです ! 』


…… 結局どうすりゃいいのやら ……


2 時間弱の講演だったのですが、はっきり言って「ま、そりゃそーだ」という内容でした。そもそも、人事・労務管理の話が主題なのであって、この話を聞いたからといって、「ファイト一発 ! 」とばかりにどっかの栄養ドリンクのようなモチベーション満タンの状態になるわけではないのです ( 期待した私がバカでした )。


ではどうして、このような「当たり前」の話がうけるのでしょうか。それは、日本の管理職全体が部下のモチベーション維持に苦労しているからに他なりません ( 部下の心配をする前に、自分のモチベーションの心配をした方がいいかもしれませんが )。


O 氏をはじめとする、最近はやりの「モチベーション・マネジメント」では、本当の「やる気」というのは、金銭や地位とは別の次元で存在する、としています。私もこれには、基本的に同感です。仕事でへこみそうになったとき、最後の最後に「やる気」が出てくる源は、顧客からの感謝の一言であったりするのは事実です。しかし一方で、金銭や地位もそれなりの要因であるような気もするのです。


特に外資系に勤める人にとっては、金銭によるモチベーション維持が当然のことと考えられています ( 地位はどうでもよかったりしますが …… )。このように書くと、なんか「守銭奴」みたいに思われがちなのですが、でもそういうもんではないでしょうか。


これが日本企業なら話は別です。私も前職の銀行にいたときなら、金銭や地位よりも、それ以外の要素でモチベーションが上がったかもしれません。なぜなら金銭や地位は、どう頑張ったって、大した差が出ないと諦めていたからです。どうせ同じ給料なら、お客様に喜んでもらった方がいいに決まっています。


一方、外資系企業では、業績次第で金銭や地位に大きな差が出てきます。目の前にニンジンをぶらさげれば、人はそれなりに頑張ります。そこに顧客の満足が加われば、そりゃモチベーションも上がるってもんでしょう。でも、給料が安いのに、顧客の満足だけでモチベーションを維持しろというのは、ちょっと無理な気がします。


あれこれ考えているうちに気付いたのですが、この「モチベーション・マネジメント」というのは、経営層にとって非常に都合よくできているような気がするのです。「給料なんて安くてもいいじゃない ! お客様の笑顔が何よりじゃないか ! 」


スタッフ 「タカシさーん、最近なんかやる気出ないんすけど ……」


私 「そんなときはお客様の顔を思い浮かべてごらん …… お客様の笑顔のために、今日も一日がんばろ ……」


スタッフ 「そんな冗談はどうでもいいっすから、ちょっと給料上げてくださいよ、ねぇ ! 」


…… ほらね、やっぱり金銭の方が上だったりするでしょ。私の言った通りです。でも、もうちょっとやる気出してくれよー、トホホ ……

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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