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タカシの外資系物語

コンサルタントになろう ! ( その 1 )2002.11.29

私が勤めているのは、某外資系コンサルティング・ファームです。よく友人から、「コンサルタントって、どんな仕事をしているの ?」と聞かれるのですが、そんなとき私は迷うことなく次のように答えています。


「どんな企業にもあるシステム部門が、『本来やるはずの仕事』をしているだけだよ」


実は、コンサルティング・ファームにはいくつかの種類があります。大別すると 4 種類に分かれると思います。


1. 戦略系コンサルティング


2. 会計・IT 系コンサルティング


3. 人事系コンサルティング


4. 法律系コンサルティング


それぞれ実名を挙げて説明するとわかりやすいのですが、「 A 社は 2. です」とか言うと、「いや、1. の分野もやっている。誤解しないでほしい !」などと言われるのがオチなので、ここではあえて触れません。私が所属しているのは 2. のカテゴリーに当てはまります ( 多分、社長は 1. も 3. もやっていると怒るはずですが )。


そもそもどうして 1. だの 2. だのとムキになるかというと、どちらかというと 1. がカッコよく、スマートな印象があるのに比べ、2. はなんだか泥臭いイメージがあるからなのだと思います。実際に面接を受けに来る多くの志望者は、「企業の社長や経営層と一緒に、経営戦略を立てたりするような仕事」ができると考えているようです。


はっきり言いましょう。甘い ! そんなことにお金を払ってくれる会社などありません。逆の立場になって考えてみるとわかります。あなたが経営企画部門に所属しているとします。ある日、どこか知らないカタカナの会社の若造がやってきて、「おたくの会社はココがおかしい。こういう戦略をとりなさい」などと言われた日にゃ、どう思うでしょう。少なくとも私ならブチ切れます。


なので、戦略系のコンサルティングというのは非常に難しいのです。日本でも名が知れたある戦略系コンサルティング・ファームでも、本当に仕事ができる人はごくごくわずかで、それ以外の大多数は一部の花形コンサルタントのために新聞の切抜きなど資料集めをやっているようです。


ということで、世の中の大多数のコンサルティング・ファームは 2. に当てはまるということになります (3. はまだまだ数が少なく、4. は弁護士や司法書士などの資格が前提なので一般的ではありません)。ダイジョブなどの求人情報を見ても、コンサルタント職募集の多くは、2. から出ているものです。ではコンサルタントというのは、どうしてこれだけ多くの需要があり、人気も高いのでしょうか。


一番大きな理由は、インターネットの Web 技術やオープン系をはじめとする IT の進歩に、企業がキャッチアップできていないことが挙げられます。社内のシステム部門にはスキルがないために、外部からスキルを買ってくるのです。あと、 IT 関係で言うと、 ERP パッケージの影響も大きいと思います。実は私の仕事は ERP パッケージの導入コンサルティングなのですが、この分野の人材が大きく不足しています。世に言う「IT コンサルタント」の過半数は、SAP やオラクルなどの ERP パッケージのコンサルタントを指しているといっても過言ではありません( ERP に関しては、またの機会に詳しくお話したいと思います )。


てなわけで、求人市場が欲している「IT コンサルタント」というのは、実際には非常に限定された職種のことを言っていたりします。その一方で、応募する側はそのような市場のニーズなどおかまいなしに申し込んできます。ですから人数的には需要と供給がマッチしていても、本当に欲しい人材という意味では、条件を満たしていないケースが多いのです。

私が今の会社に転職した 5 年前でも、状況はほとんど同じでした。私はそれなりに名が通った銀行員という肩書きだけを武器に面接に挑んだのですが、私を評価してくれた企業が見ていたのは、「元銀行員」ではなく、「システム部門の経験者」という部分のみだったような気がします。私はそのときの面接担当者の質問を、今でも覚えています。


面接担当者 「ERP について、どのような考えを持っていますか ?」


私 「え ? なんすか、それ ?」


面接担当者 「( ガーーーーーン、こいつ ERP も知らずにうちの会社受けとるんか ! )エ、エヘン ! では、あなたは『コンサルタント』という言葉に、どのようなイメージをお持ちですか ? 」


私 「はい、結局のところシステム入れてナンボですよね。経営戦略とか、マーケティングとか、なんだかカッコいいこともやってみたいですけど、私が客なら、システム作ってくれるのが一番うれしいですから。カットオーバー前は 1 週間ぐらい徹夜したりするんですよね。それならやったことあるから慣れてますよ ! 」


これは後日談ですが、私はこのセリフ一発で合格したそうです。「こんなに実態を理解し、開き直った人はなかなかいない ……」というのが、面接官の私に対する評価だったとか。喜ぶべきか悲しむべきか、ま、微妙なとこですが。


入社してからも、仕事の内容自体は、私が銀行のシステム部でやっていたことと大差ありませんでした。予想通りってとこですね。しかしその会社のシステム部がやっている仕事と同じことをしていてもお金はもらえません。冒頭にも書いたように、「システム部が『本来やるはずの仕事』」をする必要があるのです。さて、お金がもらえる「仕事」とは何なのでしょうか ? そしてそれこそが、コンサルタントが評価される唯一のバリュー ( 価値 ) ということになるのです。

 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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