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タカシの外資系物語

"SOHO" として生きる2002.11.08

「やぁ、久しぶりだね !」


これは、同僚のマサトです。彼と私は同じ上司についており、つい先日まであるプロジェクトを一緒に担当していました。しかし彼と実際に会うのは、実に 3 か月振りのこと。


「今日はどうしたの ? 」


「いや、人事の面接があるんでね。たまには会社に来るのもいいかな、と思って ……」


彼はここ 3 か月の間、会社をサボっていたわけではなく、在宅勤務をしていました。いわゆる "SOHO" ( スモールオフィス・ホームオフィス ) というやつです。


そもそも彼が "SOHO" できる最大の理由は、仕事の内容が顧客に依存しないということがあげられます。彼はシステム開発の仕事を中心にしていますので、要件定義 ( システムをどのように作るかという設計書 ) が決まっていれば、どこで開発しようがかまわないのです。


一方、私は主に顧客と話し合って要件を詰める作業をしていますので、日々顧客との折衝を繰り返しています。ですから SOHO というのはちょっと無理があるのです。


会社の方針としては、一応「完全フレックス制」ということになっていますので、やることさえやっていれば文句を言われることはありません。マサトの場合も、 SOHO で仕事をするために、実は涙ぐましい努力をしています。自宅とオフィスは高速の回線で常時接続し、会社のナレッジ・データベースにもすぐにアクセスできます。プリンターもカラーのレーザープリンターを購入したようです。これらの「設備投資」にかかった費用は、しめて百万円程度とのこと。


「SOHO をやる上でのエチケットは、最低限守らないとね。そのためにはある程度の設備投資もやむをえないと思うよ」


マサトによると、 SOHO のエチケットとは次の 3 点だそうです。


1. 同僚に迷惑をかけない


2. 原稿締め切り等、時間は厳守


3. クオリティは高く ( できれば会社で作業をする以上のものを追究 )


そういえば顧客に急に呼び出されたときも、彼はカラーで印刷したプレゼン資料を持って、自宅から直行していました。また、ボスからの問いかけメールにもだれよりも早くレスを返しています。オフィスワークの中心が、フェイストゥーフェイスの「会議」から「メール」というバーチャルなものへ移行していく中で、 SOHO という就業形態でも違和感なく働ける状況が作り上げられてきました。そして、そういう働き方を真っ先に認めたのは外資系企業です。外資系が持っている「やることさえやっていれば、どこで働いてもいい」という考え方が SOHO を生み、結果的には生産性の向上につながっているわけですから、やはり外資系企業というのは柔軟な考え方ができるのだと、つくづく感心してしまいます。


さて、 SOHO を満喫しているマサトですが、いくつかの悩み事があるようです。ひとつセキュリティの問題。実はうちの会社はナレッジ・データベースへの社外からの常時接続を認めていません ( というか、その方法を公開していません )。その理由はセキュリティ対策で、常時接続を認めないということでハッカーの侵入を阻止しているのです。マサトは技術者ですので、接続そのものは難なくできるのですが、外部から接続している以上、ハッカー対策には常に慎重になっているようです。


もうひとつは、在宅勤務をすることで結果的に労働時間が長くなってしまうケースがあるということ。通勤時間を差し引けば、多少長くなったところで大差はないのでしょううが、マサトのような鉄人でも会社にいるよりは非効率になってしまうことが多いようです。


さて今日の私、めずらしく顧客とのアポが入っていません。ここはマサトにあやかって SOHO といきますかね。


「あー、たまには SOHO もいいなー。ゆっくりするよねー。時間はたっぷりあるから、とりあえず新聞でも読むかね ……」


「おっと、もう昼前か …… 食事でも行こうかな、っと」


「食後のお昼寝 …… Zzzzz」


…… ガーーーーン …… 時計の針はすでに夕方の 6 時。まだ何も進んでいません。


「えーーん、結局徹夜だー ……」


SOHO には確実に「向き不向き」がありますので、みなさんも気をつけてくださいね …… トホホ ……

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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