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タカシの外資系物語

パワーランチへようこそ !2002.10.25

「タカシさーん、お昼買ってきますけど …」

「そうだなぁ … キムチ・ビビンバ丼とグリーンサラダでいいや、ハイ 700 円。よろしくね !」


最近、私は、「salad b@g」という惣菜やさん ( 弁当やさん ) にハマっています。 3 か月ぐらい前に、私の会社が入っているビルの 1F にできたのですが、それ以来、周辺に勤める OL を中心に熱狂的な支持を集めているようです。


そう言えば、外資系企業に勤めるようになってからというもの、めっきり外食が減ったような気がします。日系企業にいた頃は、「お昼ぐらい仕事を忘れてノンビリしたいしねー」とばかりに、先を争って外に飛び出していたのですが、今の会社に移ってからは昼食のほとんどはお弁当かパン、ハンバーガーなどになりました。


理由はいくつかあります。まず、常に忙しいということが上げられます。お昼にボーッとしている暇があったら、少しでも仕事を進めておきたいので、いきおい食事をとりながら PC に向かうことになります。そしてもうひとつの大きな理由は、「お昼をとりながらのミーティングが非常に多くなった」ということです。


外資系企業では、お昼の時間 ( 正午~ 1 時 ) をねらって、非常に多くのミーティングが設定されます。入社当時の私は、「これは私にお昼を食べさせないための、嫌がらせの一種なんじゃないのか … 」と真剣に悩んだほどです。でも、お昼のミーティングでは、各人が自分のランチを持ち寄って、それを食べながら打ち合わせを行います。これを「パワーランチ」と呼んでいます。


外資系企業がパワーランチを開く理由は、時間の節約、つまり夜遅くまでミーティングをしたくないのでお昼にやっておくという意味合いが大きいのですが、それよりも彼らが重視するのは「発想の転換」が上げられます。お昼をとりながらの方が、議論が活発になって、会議がよい方向に向かうというのです。


確かに、これが昼食後のミーティングだったらどうでしょうか。多くの人は睡魔と戦いながらの打ち合わせとなり、とても建設的な意見など望めません。しかし、時間を 1 時間早め、昼食をとりながらという形式に変えるだけで、事態は一変します。議論がおしゃべり感覚であちらこちらから出てくるのです。また、お昼をとりながら眠ってしまうような器用な人はいませんから、参加者全員が主体的に会議に参加することができるのです。


パワーランチは、内部のミーティングだけではなく、クライアントとの間でも行われます。ご存知のように、外資系企業ではいわゆる「接待」という概念がありません。その代わりに、ランチをとるのです。私が NY で仕事をしていたときにも、よく顧客とパワーランチをとりました。まず持ち回りで「主催」を決めます。主催側は、参加者全員から一人 15 ドルぐらいの会費を徴収し、サンドイッチやポテト、デリ ( 惣菜です ) を買ってきます。それを大皿に持って、会議室の真ん中に置き、自分の好きなものをつまんでいくのです。私は自分が「主催」になったときには、よくスターバックスのコーヒーをごちそうしていました。「ごちそうしていた」とはいうものの、一人数百円のレベルですから大した問題ではありません。各人が、自分が主催したときにはフルーツやデザートをごちそうしていましたから、そういうのは問題にならないのです。


一方で、日本式のビジネスでは、いまだに「接待」という感覚が抜けきっていないように思います。打ち合わせ目的であろうが、雇われている側=業者側が払うのが普通になっています。逆のパターンはほとんどありませんから、持ちつ持たれつという具合にはなかなかなりません。また 1 回当たりの金額が非常に高額なので、個人レベルでごちそうしたり、ということも難しいように思います。


実は「パワーランチ」というのは、ワシントンで生まれた言葉のようです。政治家が打ち合わせや勉強会を昼食時に行ったことが起源になっているとのこと。興味深いのは、現在でもワシントンにおけるパワーランチにかける費用は、各人持ちで 20 ドル以下におさめるのが普通のようです。


何はともあれ、私のボスは今日もパワーランチの連絡を入れてきました。たまにはひとりでゆっくり食べたいのですが …


Jim 「Hey, Takashi! Come on!」


私 「はいはいっ今行きますよーって、もーしょうがないなー …」


Jim 「You have salad b@g, too, Takashi? ( タカシ、今日もサラダバッグなのか ? )」

 

私 「あぁ、そうだけど … でも、Jim もそうじゃん。それがどうかしたの ?」


Jim 「スタンプはどれぐらいたまった ?」


私 「ん ? 何 ?」


Jim 「スタンプだよ、スタンプカード。オレはもうすぐ 50 ポイントたまるんだぜ。これで 500 円分のタダ券になるんだ。お前は ?」


私 「そんなの捨ててるよ、毎回 …」

 

Jim 「ぬぁんだとぉーーー ! 捨てるならオレによこさんかいーーー !」


… 年収何千マンももらってる男がスタンプカードごときで激怒すんなっての。給料上げてくれたら、サラダバッグの 1 つや 2 つ、毎日買ってきてやるよ、トホホ …

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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