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タカシの外資系物語

FA ( フリーエージェント ) 宣言しよう !2002.07.19

みなさんご存知の通り、プロ野球には「FA ( フリーエージェント ) 宣言」という制度があります。これは、ある一定の条件 ( 出場選手登録日数が 10 シーズンに達した場合 ) を満たした選手に与えられる資格で、選手の意志で球団を移籍できる権利です。マリナーズの佐々木投手や、巨人の清原選手は、この制度を活用して、自分が行きたい球団へ移りました。


最近、ビジネス社会においても、この「FA 宣言」が話題になっています。ダニエル・ピンクという人が書いた『フリーエージェント社会の到来』という本によると、すでにアメリカでは特定の会社に属さないフリーエージェントが 3300 万人( ! )もいるとのこと。では、ビジネス社会における「FA 宣言」とは、どのようなものなのでしょうか。


この本でいう「フリーエージェント」とは、フリーランサーや臨時社員、ベンチャー起業家などのことを言っています。日本でも「フリーター」というカテゴリーが社会的に認知されていますし、ベンチャー予備軍も相当数に上っていることは理解できます。なので、この本が言わんとすることはなんとなく理解できますが、現実として、実際に会社に所属している人が「フリーエージェント」になる = 「会社を辞める」ということを考えると、日本ではなかなか具体的に行動できないというのも正直なところです。


私は、日本のビジネス社会が一足飛びにアメリカ化するとは思えません。しかし、日本人の意識として、会社という一組織に一生しがみついていてはいけない、という意識が芽生え始めていることも事実です。年功序列、終身雇用が崩れ、銀行や大企業が倒産する昨今です。日本人にも、もっと独立心が必要になってくるのは明らかでしょう。


実は私自身、前職の銀行員時代に「FA」を経験しました。当時私はシステム部に所属し、外国為替のディーリングシステムを開発していたのですが、ある日、人事部から以下のような文書が社員全員に送られてきたのです。


「求む人材 ! ディーリング部門・システム部門で自分の実力を試してみませんか ? 現在の業務に関係なく、当該部門にチャレンジしたい方は直接人事部までご連絡ください。ただし、入社 5 年目以降の社員に限る」


本当の「FA」とはかなりニュアンスが異なるのですが、当時の私たちはこの制度のことを「FA 宣言」と呼んでいました。実際には、単なる「社内公募制」だったのですが。


私はシステム開発という緻密でプレッシャーのかかる作業に嫌気がさしていたのと、ディーラーという華やかな世界への憧れもあって、上司に内緒で人事部に「FA 登録」しました。その後、何回かの面接を経て、私は晴れてディーラー ( 実は、見習 ) として正式に部署を異動しました。本当は「外国為替のディーラー」を希望したのですが、なぜか「金利デリバティブのディーラー」として採用されたのは、誤算でしたが ……


ディーラーになったことによる最大の収穫は、外資系金融機関に出向して、「外資」という空気にふれたことでしょう。それがなければ、外資系企業に転職することもなかったと思います。一方で、外資系企業に移ってから、嫌気がさしていたはずのシステム開発の仕事に戻っているのは皮肉なものです。


私がここで強調したいのは、結局何をやっているかということではなく、「FA 宣言」することで現状の閉塞感を払拭し、新たなステップに踏み込めたという事実なのです。もちろん、若いからこそできた部分はあったでしょうが、年齢を言い訳にしているようでは何も変わりません。「どうせオレはこんなもんさ ……」というなら、それでいいでしょう。でも、それではさみしすぎやしませんか、ということなのです。


もうひとつ重要なことは、プロ野球の場合は「10 シーズン経過後」、私の場合も「入社 5 年目以降」というように、 FA 宣言するのに一定の条件が添えられているということです。つまり、ビジネスマンとして一通りのことができるようになってからでないと、移った先で能力が発揮できないことを意味していると思います。


最近、外資系企業である私の会社にも、日系の有名企業に入社して 1 年とたたずに転職したいという人が応募してきます。「日系企業の雰囲気に合わなかったので、外資でチャレンジしたい !」はっきり言って、それは言い訳にすぎません。私の経験則でも、外資で成功する人は、日系企業でもそれなりに成功できる人です。ビジネスのイロハを理解する前に会社を辞めてしまう人は、単に飽きっぽいだけなのだと思います。


一方で、ある程度の経験を積んだ後で、将来が見えなくなった人が「FA 宣言」する先として、外資系は魅力あるところだと思います。変に煽るつもりはないのですが、悶々とした日々を送っているあなた、外資に「FA 宣言」してはいかがですか ?


( 私 ) 「Hi, Kevin ! 最近、オフィスにずっといるようだけど …… 仕事ないの ?」


(Kevin) 「まったく …… 何とかしてくれよ、タカシ。こっちは早々に『 FA 宣言』してるのに、どのボス ( 部長 ) からも誘いなくてさ ……」


みなさん、こういうのは「良くない FA 宣言」ですので、くれぐれもマネされないよう ……

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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