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タカシの外資系物語

自分のことは自分でしなさい ! ( その 2 )2002.02.01

前回のコラムで、「自分のことは自分ですること」の重要性を書きました。ま、実際には、このこと自体は社会人としてごく当たり前のことで、今さら強調するほどのことでもありません。しかし多くの日系企業では、その「当たり前のこと」が実行されていないのも事実です。


例えば税金の年末調整処理をとっても、かなりの差があります。年末調整の処理とは言うまでもなく、あらかじめ源泉徴収で天引きにされた税金から、保険料分等を還付してもらうために、保険料支払済の証拠書類を付けて、税務署に提出する処理です。


もちろん私は、前職の銀行でも、必要書類自体は自分で用意していました。しかしその後の処理が、外資系とは違うのです。日系企業では、個人が作成したシートを課単位ぐらいで、再度、庶務係 ( ほとんどは一般職と呼ばれる女性です ) が念入りにチェックしてくれました。ですから、人事部厚生担当に書類が届くときには、ほぼ完璧な書類が出来上がっていたのです。


一方、外資系企業ではどのように処理されるでしょうか。外資系企業では、年末調整のように、個人レベルで必要な処理が発生する場合、事前に「処理マニュアル」がメールで送付されます。


「すべてはあなた個人の責任で行ってください。締め切りに遅れたら、一切受け付けません … 」一見すると、「マニュアルもあるんだから、何も問題ないじゃない」と思われるかもしれません。しかしながら、少しでも日系企業の「いたれりつくせり」の処理に馴れた人間にとっては、この微妙な差に何ともいえない違和感があるのです。


実は、昨年の年末調整の時期に、私はちょうどロンドンに長期出張していました。処理のメールを受け取ったのはいいのですが、いかんせん遠隔地にいますので、思うように処理が進みません。これが日系企業なら、前出の庶務係さんにお願いできたのになぁ、と思ったものです。


日系企業における、このような「過保護」な処理システムは、一部の「ぐうたら社員」に支持される一方で、余計なオーバーヘッド・コスト ( 間接的な費用 ) を発生させています。外資系企業では、これらの処理のほとんどをマニュアル 1 本で終えてしまうため、いわゆるバックオフィス部門の人数が極めて少なくなっています。以前にも書いたように、一部業務では、外部業者にアウトソースしている場合もあるほどです。その分で浮いたコストは、給与となってわれわれに還元されているわけですから、煩雑な処理を「オカネ」で買っていると考えればすむ話なのかもしれません。


先日、私のチームに日系企業からの中途入社組である A 君が入りました。私は早速彼を連れて、得意先に挨拶回りに出かけました。


( A 君 )「タカシさん、今日の交通費はどのように精算すればいいんですか ?」


( 私 )「"経費申請マニュアル" に書いてあるよ。それを見てみな」


( A 君 )「タカシさん、明日以降のチームのスケジュールはどうなっていますか ?」


( 私 )「うちのチームのスケジュールは、金融部門の掲示板に載ってるよ。スケジュール表の更新の仕方は、"予定表マニュアル" に書いてあるから、帰ったら確認しなよ」


( A 君 )「タカシさん、次のお客様のところでは、どのような話をすればいいんですか ?」


( 私 )「それもマニュアルに … っと、これは載ってないよな。よし、僕が話すのを見て、話題についてくるんだよ、いいね ?」

( A 君 )「は、はい ! よろしくお願いします」


世の中には、マニュアルでは伝えきれないこともあるわけでして、これについても日系・外資系共通に、「自分で身に付ける」しかないのかもしれませんね。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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