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タカシの外資系物語

CROSS ROAD2001.11.30

「CROSS ROAD 右へ曲がるのか、左へ折れるのか、まっすぐ進むのか、今立ち止まるか … 」


これは、いまや押しも押されもせぬ人気作家、辻仁成さんがかつて在籍したロックバンド、ECHOES の「CROSS ROAD」という歌の一節です。高校時代に ECHOES をよく聴いていた私は、「将来、自分にも人生の明暗を分けるような、重大な転機が訪れるのかな … 」と、ぼんやり考えていたのを覚えています。さて、私が経験した「CROSS ROAD」とは、どのようなものだったのでしょうか。


半年ほど前のことです。コーヒーショップで順番を待っていた私は、妙にジロジロと私の顔を見ている男性がいることに気づきました。( な、なんなんだよ、いったい …。あれ ? どっかで見たことあるかなぁ … )


とその時、その男性はおもむろに私の方に駆け寄って来たのです。


「タ、タカシさんですよね ?」


「え、ええ … ( うーむ … だれだっけ … )」


「ボクですよ。銀行のときにお世話になった、コウジですよ !」


「コウジ、コウジ … えーーっと … おぉー、あのコウジかぁー !」


彼は、銀行のディーラー時代に私のアシスタントをしていた「コウジ」君でした。


「久しぶりだなぁー。今、何やってんの ?」


彼は、私が辞めた半年後に銀行を辞め、そのまま外資系の証券会社でディーラーを続けているとのこと。今期は成績が良かったらしく、どうも私の倍ぐらいの給料をもらっているようです。


「タカシさんって、どのくらいもらっているんですか ?」


うーーむ … 。私は答えに窮してしましました。かつて私が教え、面倒を見た「コウジ」君が、いまや私の倍の給料をもらっているのです。「金がすべてではない !」とは言いながらも、内心穏やかでなかったのは事実です。


実は、私が今のコンサルティング会社に転職する際、他にもいくつかの選択肢がありました。1 つは、コウジ君と同様に、外資系金融機関のディーラー。もう 1 つは、日系 IT ベンダーでした。いろいろ悩んだあげく、候補は 2 つに絞り込まれました。今の会社と外資系金融機関です。それぞれメリット・デメリットがあり、甲乙つけ難かったように思います。私が前者のコンサル会社に決めた理由は、結局のところ、「外資系金融機関よりはリスクが低い」ことだったように思います。確かに外資系金融機関で成功すると、コウジのように若くして「ン千万プレーヤー」になることが可能です。ただし、うまくいかなかった場合には、一銭も給料がもらえない、または解雇される、という可能性が高いこともまた事実です。いわゆる「ハイリスク・ハイリターン」というやつです。


冷静に判断すると、コウジ君は「リスクを取る」ことを選択したわけですから、それによる成功について、だれにも文句を言われる筋合いはないでしょう。そこには、人並み以上の努力があったはずなのですから。


転職を考える際に、重視するポイントはいくつかあると思うのですが、こと「給料」に関しては、私の方から皆さんにアドバイス出来ることがあります。それは、「給料アップは死守する」ということです。


経験のある方ならお判りいただけると思いますが、転職には何かとストレスが伴います。転職当初に仕事でつまずいた時などには、「どうして辞めちゃったんだろう … 」と途方に暮れることもあるでしょう。そのように弱気になっているときに、給料まで下がっていたのでは、普通の精神力の持ち主なら、メゲてしまう可能性が高いのです。「つらいことは多いけど、給料増えたもん !」という、自分だけの逃げ道を作っておくことが重要です。


コウジとの会話の後、若干メゲていた私ですが、「ま、銀行にいる時よりは給料もらってるから、ね !」ということで立ち直りました。私は、「CROSS ROAD」でリスクの低い方を選択しました。「辞めないのが一番リスクが低い !」というあなた、銀行も潰れるような時代ですよ ! あなた自身の「CROSS ROAD」をしっかりと見据えて、賢明な選択をしてくださいね !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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