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タカシの外資系物語

“燃え尽きる” 前に2001.11.16

自らの仕事に意欲的に取り組み、高い目標に向かって努力することは、われわれ社会人にとって「生きている実感」を与えてくれる、非常に有意義な活動だといえます。


一方で、その努力も限度を過ぎると、健康に重大な弊害を及ぼす危険性を孕んでいます。一般に、「燃え尽き症候群」と呼ばれる症状は、仕事に充実感を感じていながらも、休息を取らずに仕事に没頭するあまり、心身ともに過剰なストレスに耐え切れず、一種の「うつ状態」に陥ることをいいます。


ここ数年、過労による自殺と、それを労災認定とするかどうかというニュースが、マスコミに多く取り上げられています。生真面目で、「趣味は仕事」というような会社人間の多い日本人は、「燃え尽き症候群」になる可能性が高いと言われています。


実は私にも思い当たる節があります。昨年、ロンドンでプロジェクトに参加していたとき、スケジュールが大幅に遅れていた時期がありました。プロジェクトメンバーの中で日本人は私ひとり。私は週末も働いて、遅れを取り戻そうと主張しました。しかし、ほかのメンバーの意見は違っていたのです。「こんなときこそ、気分転換にみんなで遊びに行こうぜ !」結局、私だけ週末も出社し、他のメンバーはスイスに 1 泊のスキー旅行に出かけていきました。


私ひとりではありましたが、週末も不眠不休で働いた結果が奏効したのか、プロジェクトの遅れは劇的に改善されました。しかし、しかしです。どうもスッキリしないのです。体がだるく、意欲がわかないのです。そのときは、「長期出張の疲れかな … 」と思っていたのですが、今思うと軽い「燃え尽き症候群」にかかっていたような気がします。


個人的には、ある程度の働きすぎ状態ぐらいがちょうどいいのではないかと思っています。もちろん過労死するほど働く必要はありませんが、「楽しく仕事をする」ためにはそれなりの努力が必要です。また「勤勉」は日本人の美徳であり、グローバルベースで見ても、競争力の極めて高い部分です。無理に欧米スタイルに合わせることの方が、かえってストレスを招くのではないかと思います。


では、「燃え尽き症候群」を防ぐためには、どのようにすればいいのでしょうか。


例えば「過労死」は、会社の責任が大きいと思います。各人の仕事の質と量をつねにチェックし、ついつい働きすぎる人に対しては、強制的にでもブレーキをかけるようなしくみが必要です。また、業務に要求されるスキルと本人の能力がミスマッチすることの原因は、会社が誤ったアサインをすることにあります。アサインミスが起こったときに、本人が言い出せる環境を作り、申し出のあったときには即座に対応できる仕組みも必要でしょう。


私自身が最近心がけていることは、「ニューヨーカーの働き方を参考にする」ということです。世界でもっとも長時間働くのは、NY と東京らしいのですが、両者の決定的な違いは、「ニューヨーカーは休むときには徹底的に休む」ということです。私の同僚のニューヨーカーも、3 か月に 1 回のペースで 1 週間程度の休みを取っています。私は 1 年間ほとんど休まない生活なのですが、両者の成果はそれほど大差ありません。要は、私の場合、働かなくてもいいヒマなときに、無理に会社に来ているのだと思います。「ヒマなときは無理に会社に来ない !」このあたりは、日本の労働体系を今一度見直す必要があるのかもしれません。


私は運良く外資系企業にいますので、なんとなく「燃え尽き症候群」を切り抜ける方策を身に付けてきているような気がします。危険なのは …。そう、あなたです。一度自分の仕事ぶりを見直しみてはいかがですか ? くれぐれも、“燃え尽きる” 前に …。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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