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タカシの外資系物語

ウーマンズ・イニシアティブとは ?2001.11.09

私のチームにいる Yumiko さん。最近何やら、業務終了後も遅くまで残って作業をしています。


( 私 )「こんなに遅くまで、どうしたの ? 」


( Yumiko )「あぁ、タカシさん。実は Woman's Initiative Meeting の準備をしているのです」


Woman's Initiative ( ウーマンズ・イニシアティブ ) とは、わが社が取り組んでいる活動のひとつで、職場において女性が活躍できるよう、環境の改善や生活との両立に関する研究チームを編成し、経営に対して積極的に発言していこうという試みです。


そもそもわが社では、業務面・待遇面において男女の区別はありません。実際に、私が現在携わっているプロジェクトでは、私は NY 本社のエレンにレポートしていますし、彼女の上司もまた、トロント在住の女性シニアマネージャーです。しかし、いざ経営層にまで目を向けてみると、残念ながらまだまだ女性の進出は限定されていると言わざるをえないでしょう。


ウーマンズ・イニシアティブでは、「国ごとの女性ネットワーク作り・情報交換」「女性のリーダーシップ育成プログラムの開発」などの活動が実施されています。この取り組みを開始して以来、グローバルベースで以下のような成果が上がっています。


・ Working Mother 誌 ( US ) が、わが社を 7 年連続で、「働く女性のための職場ベスト 10」に選んでいる


・ わが社の女性ボードメンバーの割合が、1993 年の 6.5% から、2000 年には 14% と 増加している


などなど。確かに、東京オフィスにおいても、女性の発言力が増しているような気がします。


私の前職は銀行員でした。当時、銀行業界においては、まだまだ男女差別がはびこっていたような気がします。最近いくつかの都市銀行で、「女性支店長」が誕生したようですが、逆に今まで女性が支店長になれなかった事実の方が驚くべきことなのでしょう。


能力の積極的活用は、何も女性に限ったことではありません。能力があれば、男女を問わず、仕事が回ってくるのは当然のことです。「女性は体力的に劣る」とか、「女性は叱りにくいから」なんていう恣意的な要素が入っていることが問題なのです。


ただ、私は個人的には、男女それぞれに「より適した業務」があることも事実だと思っています。例えば、重い荷物を運ぶのは男性の方が適しています。一方で、お客様にお茶を出すのは、女性の方が適しているのではないでしょうか。本当の「雇用機会均等」とは、男女がお互いに適性を認め、助け合うという関係なしには成り立ちません。私は現在の会社で、「職場における理想的な男女関係」を構築するために、ウーマンズ・イニシアティブ活動の手助けをしていこうと考えています。


さて、先日オフィスの模様替えがありました。例の Yumiko さん、何やら重そうに書類を運んでいます。


( 私 )「かしてみな、ここはボクに任せて … 」


( Yumiko )「やーだ、タカシさん。私の方が力持ちですって、大丈夫、大丈夫 !」


… うーむ …。これでは私の立場がないではないか …。でも事実だし …。代わりにお茶でも入れますかな、と …。とほほ …。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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