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タカシの外資系物語

リストラに打ち克て !2001.10.26

最近、企業における「リストラ = 人員削減」が大きな話題になっています。従来のリストラは、外資系企業や外資が経営を握っていた企業が中心であったものが、いわゆる「伝統的な日本企業」においても活発に行われるようになってきました。


そもそも企業のダイナミズムで見れば、その時々に応じた形で会社の規模を操作することは当然の経営施策でしょう。現に株式市場などのマーケットでは、人員削減などのリストラを好意的に受け止めているようです。


しかし一方で、リストラされる側に立ってみれば、昨日まで保証されていた生活基盤の根底を覆す大事件です。「あなたをリストラします」「ハイハイわかりました」と、いうわけにはいかないでしょう。


また、最近のリストラは、いわゆる「窓際族」だけのものではなくなったことが特徴的です。リストラ対象が、30 代の若手社員にも及んできているのです。


さて、私が 4 年間外資系企業で働いた経験から、「リストラに打ち克つ」方法をお話ししたいと思います。


重要なことは、あなた自身が企業にとって「かけがえのない人材」になる、ということにつきます。これは何も、「トップの営業実績をあげる」とか「次々に企画が採用される」なんていう、夢のような話をしているのではありません。私が言っているのは、もっともっと「些細な」ことです。


例えば、私の場合でお話しましょう。私はオフィスのレイアウト変更や引越しがあるときには、われ先にと「引越し隊長」に立候補します。実は私は引越しが大の苦手なのです。引越し後に、どこに書類が置いてあるとか、新しいプリンターの設定がどうなったとか、そういうのが煩わしくて仕方がありません。ですから、他人が決める前に、自分で決めてしまおうというのが、立候補の本当の目的です。しかしこれには、副次的な効果がありました。つまり、引越しがある度に、「タカシがいないとダメだ … 」とみんなが思うようになったという事です。そうなれば、しめたもの。例えどんなにつまらない作業だったとしても、「職場のみんなが認めている、自分にしかできない作業」があるわけですから、いきなりリストラされる可能性は小さくなるのです。


それでもリストラされた場合に備えて、次のことを実施しましょう。それは、自分の「市場価値」を客観的に測る、ということです。よく「資格さえあれば何とかなる … 」という人がいますが、ハッキリ言って、大半の資格は、あっても何ともならないと思った方がいいと思います。文系の資格で何とかなるのは、不動産鑑定士や司法書士、会計士、税理士などといった超難関資格です。数か月の勉強で手に入る資格は、再就職する際に即座に有効とはなりえないと考えたほうがいいでしょう。そうなると、自分の「価値」を客観的に把握できている人の方が、優位に話が進みます。たいていの「お手軽な」資格持ちは、それにこだわるあまり、「自分はもっと高く売れるはずだ … 」という幻想から逃げ出せずにいるのです。


自分の「市場価値」は、その道のプロである「人材会社」や「ヘッドハンター」に聞いてみるのがいいと思います。


以上、非常に厳しいことを書きましたが、これが現実です。私だって、自分の市場価値の「低さ」に泣き出したいくらいなのです。しかし泣いていても始まりません。とにかく、リストラに打ち克とうではありませんか ! 皆さんの健闘を祈っています。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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