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タカシの外資系物語

サイドビジネスにチャレンジ !2001.09.28

私は外資系企業に勤めるようになってから、あることを始めました。趣味と実益を兼ねた、非常に有意義な活動、そう「サイドビジネス」です。


もちろん日本企業に勤めていたころは、副業は禁止されていました。そもそも会社の仕事以外に何かをやって収入を得よう、なんていう考えそのものがなかったこともありますが、今思うと非常にムダな時間の過ごし方をしていたような気がします。


現在私がやっているサイドビジネスは、大きく 2 つ。1 つは文筆業です。まぁ大した文章が書けるわけではないのですが、昔から「モノ書き」に憧れており、その夢をささやかながらかなえているとも言えます。深夜や休日を利用して、IT 関連の雑誌などの記事やコラムを書いています。すべてが依頼ベースの仕事ではなく、こちらから勝手に投稿しているものもあるので、「ボツ」になる原稿も結構あります。ですから時間の割にはまったく儲かっていません。


もう 1 つは、中小企業に対して IT 関連の研修を実施しています。「それは本業だろ」という話もありますが、会社は通さずに個人ベースで受けています。というのも、会社を通すと 2~3 時間の講演でも非常に高額になってしまい、中小企業のニーズに合いません。私はその 10 分の 1 ぐらいの値段で請け負っています。こちらも準備にかける時間や参考文献などを購入していると、必要経費だけで講演代を上回ることもしばしばですから、儲かってはいません。


確かに収入が増えるにこしたことはないのですが、私が重視しているのはむしろ、サイドビジネスを通して、自分のスキルに磨きをかけることにあります。机上の理論も重要ですが、勉強だけでは得られないことが沢山あります。一方、本業では全てを自分の思うようにやるわけにはいきません。「たとえ儲からなくても、自分の好きなことを思うようにできる !」これがサイドビジネスの魅力ではないでしょうか。


外資系企業では、このような個人的な活動に対して、制約をもうけるどころか、むしろ支援してくれます。そこで得たノウハウが本業にも活きるはずだ、という発想なのでしょう。


同僚のマサオは、e ビジネス事業部のコンサルタントですが、彼のサイドビジネスは e オークションサイトの運営です。「ここ 1 週間で 50 人しか『訪問客』が来なかったよ、トホホ」と嘆いている彼ですが、本業では腕利きの e ビジネスコンサルタントとしてならしています。それというのも、自分のサイトでさまざまな「実験」を繰り返した結果が、彼のコンサルティングを、机上の空論ではない、リアリティの高いものにしているのでしょう。


いずれにしても、仕事は会社の為にしているわけではありません。それはあくまでも自分のため。そしてサービスを提供して喜んでくれるお客様の為なのだと思います。日本企業でも、従業員のサイドビジネスを禁止するなんてケチくさいことは言わずに、雇用者と被雇用者の「Win-Win の関係」を目指すべきなのでしょうね。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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