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タカシの外資系物語

「ハイブリッド」組織の強み2001.09.07

外資系企業の強みとは、いったい何なのでしょうか ?


「合理的な経営」「グローバルな営業展開」「ノウハウ・スキルの標準化と共有」 …。数え上げたらキリがありません。


私にとっての外資系企業の強みとは、「ハイブリッド組織」であることに尽きます。G パスカル ザカリー著『グローバル・ミー』によると、ハイブリッド組織とは、国籍を超えた人種・民族が融合し多様化することにより、単一民族組織にはない強みを発揮する、いわゆる「雑種型」組織のことをいいます。同著によると、ハイブリッド組織では、結成初期に大きな摩擦を生み出すことが多いが、その危機を乗り越えると、想像力と生産性を併せ持った最強の組織になるとのこと。


うーむ、まさにそのとおり。以前にもお話したと思いますが、つい最近まで、私のプロジェクトチームは多国籍の「地球規模チーム」でした。合計 6 か国の国籍と人種が、さまざまな国で 1 つの目標に向かって仕事をしていました。イギリス人が評価するものを、アメリカ人はくだらないというかもしれません。何かのアイデアを作る際、すべてのスタッフが異なる文化的背景を持っているということが非常に重要なのです。それぞれが別の見方をするので、コンセプト作りがしやすいのです。


また、ハイブリッド組織は、多様な個性を生み出します。私のチームのメンバーも、まさに「個性のかたまり」でした。まずプロジェクトリーダーは、アメリカ人の女性。彼女はペンシルバニア大の MBA を持っており、日本語もできる才媛なのですが、気取ったところがありません。自立志向の強い彼女は、高校以降の学費をすべて奨学金で賄ったようで、そのためか経費管理が非常に厳密だったように思います。


私の部下は、アメリカ生まれのタイ人男性でした。彼は中学、高校と 2 度にわたって「飛び級」をしているため、弱冠 22 歳で MIT の MBA を卒業しています。大学で Java プログラミングを専攻した彼は、ごく簡単なプログラムまで Java で構築してしまうため、彼が休むとだれもシステムをメンテナンスできなくて困ったものでした。


さて、日本企業はどうでしょうか。日本の多国籍企業の大部分は、日本国内に外国人は必要ないと考えています。日本企業内の多国籍化 ( 主に英語化 ) は、帰国子女や留学経験者を中心とした、一部の「グローバル日本人」が推進しているにすぎません。彼らは世界を飛びまわって、自分の会社の商品を売りこんでいますが、肝心の日本本社の経営陣は全員日本人で、「海外は彼らに任せておけ。日本は日本人がやる」と決めこんでいるのです。これではいつまでたっても、ハイブリッド化はおろか、国際化の第一歩を踏み出すことさえ難しいのではないでしょうか。


確かに日本人にとって、多様な文化を受け入れることには抵抗があるかもしれません。しかしその一歩を踏み出さねば、日本はいつまでたっても「極東の異端社会」から脱出できないことも事実です。まさに今こそ、単一組織の居心地の良さを捨て、グローバルの荒波に出て行くときなのだろうと思います。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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