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タカシの外資系物語

ネットワーク・プリンターの恐怖 ( ニューヨーク紀行その 2 )2001.07.20

前回の続き )NY での私の仕事は、まず顧客に対するプレゼンテーション資料を作成することでした。3 日後のプレゼンテーションを控え、私は本社重役への挨拶もそこそこに、早速資料作成に取りかかることにしました。


NY オフィス全体は、「smart space」という業者からの貸事務所になっており、ビルの 3 フロア全体を借り切っています。このようなオフィスが NY だけで 5 か所。北米全体では 100 以上のオフィスを借りているようです。


グローバル企業の場合、オフィスの賃料というのが大きな問題になります。地価が下がったとはいえ東京の賃料はずば抜けて高く、グローバルから見ると「東京のやつらは、なんて広い場所を借りているんだ ! 王様気分じゃないのか…」という印象だそうです。おいおい、値段だけで判断するなよー、東京のオフィス事情は大変なんだから… と言いたくなります。


さて、いつもとは勝手が違う私は、とりあえず応接室のソファーに座って作業を開始しました。前にも書いたと思いますが、外資系企業では、たとえ机がなくても仕事ができなくてはなりません。イスがあるのはまだましなほうで、私は立ったままで仕事をしたことがあります。


何とかドラフトレベルの資料を仕上げられた私は、試しにプリンターから出力してみることにしました。ネットワーク用の LAN に接続するための DATAPORT は、オフィスのいたる所にあります。LAN に接続し、プリンターを指定しようとしたのですが、私の近くにあるプリンターにはうまく接続できません。


「ま、いっか…」私はプリンターを適当に選んで、出力ボタンを押しました。待つこと 10 分。私がいるフロアのプリンターには、出力されている形跡がありません。


「このプリンターは、どこにあるの ?」私は自分の PC を見せて、尋ねてみました。「あぁ、これは 2 つ下のフロアの受付の横だよ」。


「しょうがないなぁ…」ぶつぶつ言いながらエレベーターを降り、資料が出力されているプリンターまで来ました。「ここで作業することにしよう」。


しばらくして作業は終了し、顧客の名前とロゴを挿入して、いざ出力です。「このプリンターを指定して、と… あらよっと。あぁぁーー、プリンター間違えた… やばい !」さあ大変です。顧客の名前も入れてしまった以上、どこかに出力しっぱなしというわけにはいきません。


「こ、このプリンターは、どこ ?」「これはね、ここから 2 ブロック先の 7 番街 の第 2 オフィスの 46F の第 1 会議室だよ」…がーーーん !


要するに、NY に点在するオフィスのすべてのプリンターがネットワークで接続されており、私は違うビルのプリンターを指定してしまったようです。


みなさん、NY のネットワーク・プリンターにはご注意を ! では行ってきます。トホホ…

 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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