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タカシの外資系物語

「オン・ザ・ビーチ」に気をつけろ !2001.06.22

みなさんは「On the beach」というコトバを知っていますか ? 私の勤める外資系では、「仕事がなくてヒマな人」のことを、「On the beach」と言っています。「仕事をせずに、浜辺で遊んでいる」ということからきているらしく、もちろんいい意味では使われません(ちなみに、このコトバの発祥は LA で、彼らは本当にサンタモニカの浜辺で遊んでいたとか…)。


さて、外資系企業で「仕事がない」というのは、どういう状況なのでしょうか。まず、外資系企業で仕事がなくてヒマな状態というのは、ありえないことになっています。外資系の文化は、ムダを極力排除することにありますから、ヒマだとわかった時点でほかの仕事に移されるか、違う仕事ができないようなら、その場で「クビ」です。ですから、自分がヒマだと気付いた瞬間に、「これはヤバイぞ。何とかしなければ…」となるわけです。


また私の会社のように、時間ベースで顧客から対価をもらっている場合は、仕事をしているふりをしても、すぐにバレます。「うそ」の仕事をしていても、その時間に対して、顧客からお金が振り込まれてこないわけですから、当然のことです。つまり、ごまかしがきかない以上、本当に収益があがる仕事をしなければならないということになります。


自分自身が「On the beach」かどうかという判断は、2 週間に一度、本社から送られてくるレポートでおこないます。これは「Utilization Report」と呼ばれていて、各社員の稼働率(顧客からお金をもらっている時間の割合)が一覧になっているものです。


このレポートによると、ここ 3 か月の私の稼働率は「55%」でした。要するに、私の仕事のうち「45%」はお金を取れていないことになります。ちなみに、「On the beach」の境目は「50%」と言われており、現在の私の状況は非常にヤバイことがわかります。


私は稼働率が 60% を割ってくると、あるメールを管理職全員に送ります。「あなたのプロジェクトでは、リソースは足りていますか ?」つまり、「私を買ってくれませんか ?」というわけです。私の本来の専門は、「金融機関の IT 戦略」です。しかし、事態は切迫しています。背に腹はかえられません。ここは何でもやりましょう、というわけです。


このような考え方は、日系企業にはないような気がします。日系企業においても、自分の会社の収益に関心がない人はいないでしょうが、自分自身の稼働率まで気にしている人は少ないように思います。自分が会社に存在することの "意義" が計数化されるのは、精神的にも肉体的にも厳しいことですが、慣れてしまえばそうでもありません。それよりも、何を根拠に評価しているのかわからない日系企業のやり方のほうが、違和感があるように思えます。


「On the beach」に気をつけろ ! そう言えば、外資系企業に転職して以来、夏に海水浴に行く機会がなくなりました…。気のせいですかね ?

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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