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タカシの外資系物語

上司と意見が合わないとき2001.06.01

みなさんは、自分の上司と意見が合わなかったとき、どのように対処していますか ? 「とことん反論する」「仕方なく従う」 … いろいろな対処法があると思います。 多くの日系企業では、なんだかんだ言っても「長い物には巻かれろ」ということで、上司の意見に従ってしまうケースが多いように思います。それとも、そもそも「事なかれ主義」で自分の意見を持っていないため、上司と衝突すること自体、あまりないのかもしれません。


外資系企業は個性のぶつかり合いですから、たとえ上司であろうとも、意見が食い違うことは頻繁に起こります。 さて上司の意見にどうしても納得できないとき、どのように対処するのがよいのでしょうか ?


まず、意見が合わないならば、遠慮せずにその旨を伝えなければなりません。


自分の意見が却下されたとしても、後になってその正当性が理解された場合、会社から評価される可能性が高いのです ( もちろん、その意見を採用しなかった上司には、悪い評価が下されることになります )。


ですから、可能な限り、記録に残る形 ( E メールなどで OK ) で「反論」しておく必要があります。


さて、どうやらその上司は、あなたの意見を聞き入れようとしないようです。その場合は、もう 1 回だけ説得しましょう。実は、この 2 回目の議論がポイントなのです。


それでもなお、上司が意見を変えようとしないならば、そのときは諦めて従わなければなりません。


外資系企業では、「同じ議論を 3 度もするやつは能力が低い」という、何やら暗黙の了解のようなものがあります。実際に、3 度も「ムダな」議論を持ちかけたということで、クビになってもおかしくありません。


「意見」というのは、ある意味で「予想」なのですから、絶対とは言い切れません。ここは上司の意見に従って、その方針に向かって全力を尽くすことが必要です。


先日、こんなことがありました。私と上司の Jim の間で意見が食い違い、私がしぶしぶ Jim の意見を了承したときのことです。


( Jim ) 「タカシ、どうしてそんなに意地を張るんだい ?」


( 私 ) 「過去に同じことを経験したことがあるんだよ。あのときの失敗は繰り返したくない」


( Jim ) 「私はまったく正反対の経験をしたことがある。だから自分の意見を主張しているんだ。ここは私に従ってもらおう。そしてもし …」


( 私 ) 「もし ?」


( Jim ) 「もし、タカシの言い分が正しかった ( Jim の意見が間違っていた ) としても、今のわれわれには、その失敗をリカバーする能力があるじゃないか。そうだろ ?」


結局は、意見が合わないようなときにこそ、上司・部下の信頼関係が必要なのかもしれません。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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