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タカシの外資系物語

給料の話2001.04.06

今回は、外資系企業の給料の話をしましょう。一般的に、外資系企業の給料は、日本企業より高く設定されています。私の場合でも、前職の銀行員時代と比較して、ボーナスを含めると 1.5 倍ぐらいの年収になりました。


しかしここ数年、目立って貯金が増えたわけではありません。私の給料は、一体どこに消えてしまったのでしょうか ?


私は銀行員時代には、会社の寮に住んでいました。場所は東京・府中の高級住宅地の中にあり、バス・トイレ付きのワンルームマンションでした。費用は駐車場付きで、月々なんと 9000 円 ! 今は、川崎にあるマンションで月々の家賃が 10 万円ほどです。


また、外資系企業に移ってから、タクシー帰りが増えました。NY 本社と電話で話をするためには、夜 10 時まで残っていなければならず、話が長引けば終電もなくなってしまいます。毎日タクシーというわけにはいかないので、週何回かはカプセルホテルに泊まったりしていますが、それでもお金はかかります。


というわけで、増えた年収の大部分は、これらの費用として使われていたわけです。 要するに、外資系企業の給料が高いのは、日本企業でいうところの「福利厚生」や「必要経費」すべてが含まれているからなのです。いわゆる「可処分所得 ( 自分のために使えるお金 )」の総額は、外資系、日系とも、大差はないと思います ( まぁ、外資系企業の方が若干多いというイメージでしょうかね )。


確かに、外資系金融機関の一部には、年間数億円の稼ぎがあり、港区の高額マンションに住み、スポーツカーを乗り回すトレーダーがいるのかもしれません。しかしそれは、ほんの一握りの話。大半は、日本企業に勤める方々と同じような生活水準であると思って間違いないと思います。 リスクの高い職種を選べば、一攫千金を狙うことは可能です。しかしそれは実力だけではなく、人並みはずれた強運 - ジャンボ宝くじや toto ( サッカーくじ ) で 1 等を当てるぐらいのレベル - が必要なのだと思います。 おそらく、外資系企業の魅力は給料ではないのでしょう。お金では計れない部分、つまり仕事のやりがい、自分自身のスキルアップ、企業風土などに「本当の」魅力があるのではないかと思っています。


逆に、あまりにもお金に固執する人は、外資系企業での成功は難しい、というのが私の経験からくる実感です。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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