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タカシの外資系物語

自分の責任範囲とは ?2001.01.26

外資系企業では、自分の責任範囲 ( =役割 ) が明確に決められています。私の勤める会社では、セクション・ヘッドにあたるパートナー ( 部長レベル ) は、セクション自体の中長期計画とリソース配分、マネージャーは個別プロジェクトの進行と管理、それ以外のスタッフは実際のハンズオンの作業という具合です。


しかし、プロジェクトはチームプレーにより成り立っています。チームプレーとは、各人が自分の持ち分をこなした上で、別のメンバーの手助けをしたり、チームの足りない部分を補ったりすることを言います。


私が外資系企業に入って一番戸惑ったことは、チームメンバーがほかのメンバーの仕事ぶりを、ほとんど干渉しないことでした。仕事が進まなくて困っているメンバーをフォローすることがほとんどないのです。各人は自分の役割分担が終了すれば、さっさと家に帰ってしまいます。


「なんて冷たい人たちなんだ。こっちはこんなに大変なのに」


入社当時の私は、ひとり憤りを感じていたものです。


私は 2 年前にマネージャーになり、プロジェクトを管理する立場になりました。昇格時に受けたマネージャー研修で、私は大きなショックを受けたのです。 「プロジェクト管理とは、問題点の解決の連続である。問題点の解決とは、付け焼刃の対応でごまかすことではなく、プロジェクトの不備をその場で抜本的になくすことである」


これは私の会社における「プロジェクト管理方法論」の冒頭にある文章です。要するに、プロジェクトの特定部分が遅れるというのは、マネージャーが各人に割り当てたタスクの配分見積もりを誤ったか、そのスタッフのスキルに合わないかのどちらかである。それをあやふやにしたまま、他のスタッフのサポートでごまかしながら進むというのは、のちのち取り返しのつかない問題を引き起こしかねない ……。


結果として、プロジェクトの進行が少しでも遅れると、スタッフの増強または配置換えなどがおこなわれます。実際にこれらの施策はかなり頻繁に実施されるので、配置換えがおこなわれた場合でも、「私はダメだったんだわ」というイメージをスタッフに与えずに済んでいるように思います。また、「気合いで乗りきるぞー ! 」なんていう残業は殆どないので、スタッフを無意味に疲弊させずに済みます。


純粋な日本企業で働いたことがある私にとっては、かなりの発想転換を迫られたのですが、今となってはこのやり方を非常に気に入っています。また外資系企業の強みも、このあたりに秘められているような気がしてなりません。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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