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タカシの外資系物語

ホッチキスの止め方2000.05.19

日本人の仕事は、非常に丁寧だといわれます。それはそのとおりなのですが、外国人は「丁寧にする必要がないから、丁寧にしていない」だけなのです。


以前、外国人スタッフと一緒に、ホッチキス止めの作業をしたことがあります。私は性格は雑ですが、20 枚程度の書類の端を揃えてから、ホッチキスで止めていました。一方、彼の作業を見ていると、どうも工程がひとつ抜けているのです。そう、書類の端を揃えるための「トン、トン」という作業がないのです。彼は無造作に書類をとって、そのまま「パチン、パチン」と止めていきます。仕上がりは、どう見ても私のものより雑な仕上がりです。


私が「どうして端を揃えないの ? 」と聞くと、逆に「どうして揃えなきゃいけないの ? 」と問い返されました。彼のいい分は「端を揃えること自体に、ほとんど意味はない。そもそも社内の会議に使用する資料なのだから、必要な資料が 1 人分ずつまとまっていれば、それでいいではないか。そんなムダなことをしているぐらいなら、もっとクリエイティブなことに時間を使いたい」というものでした。


それを聞いた私は妙に納得したのです。確かに端がピッタリと揃っているほうがいいに決まっています。しかしそのこと自体は、会社にとっては、まったく収益をもたらすことではないのです。彼のいうように、内部資料なのですから、極端な話、読めればそれでいいのです。


私は日本の銀行にも勤めたことがありますが、日本の企業は、まさに彼のいう「ムダなこと」に時間とおカネを使いすぎています。実際にはどうでもいいようなことに力を注ぐばかりに、肝心なことをする時期を逸し、毎日残業ばかりしているのではないでしょうか。


さて、先の会話のあと、私は彼よりも早いスピードで、端を揃える処理とホッチキス止めを行いました。彼が「パチン、パチン」をやる間に、「トン、トン」「パチン、パチン」をやったのです。これは、日本人の意地ということで ……。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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