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タイで働くには?~タイのお役立ち就労情報&生活情報~2014.05.30

 
タイは東南アジアの中心に位置し、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国およびインドへの輸出の拠点として注目されています。東南アジア方面で働きたいと考えている人にとっては、進出している日系企業も多いため就労における選択肢も比較的豊富と言えるでしょう。
今回は、タイに就労する際の基本情報や豆知識、生活情報などをまとめてご紹介します。

タイの基本情報

国名: タイ王国 Kingdom of Thailand
首都: バンコク
面積: 約51万4000km2(日本の約1.4倍)
人口: 6,855万人(バンコク828万人)(2012年)
公用語:タイ語
通貨: バーツ (Baht(Bと表記される))
 ほとんどの商品にVATと呼ばれる付加価値税(7%)がかかる。
宗教: 仏教95%、イスラム教3.8%、キリスト教0.5%、ヒンドゥー教0.1%、ほか0.6%
人種: タイ族75%、華人14%、その他マレー系、インド系、モン族、カレン族など
気候: 熱帯モンスーン気候帯
年間の温度差が小さく、中央部で最高気温が33.7度、最低気温が24.7度、平均気温が28.5度程度。
暑期(3~5月)1年のうちで4月が最も暑い。赤道が近く、陽射しが厳しい。
雨期(6~10月)1日に1回程度、30~1時間の豪快なスコールがある。
乾期(11月~2月)1年のうちで最も過ごしやすい季節。北部では長袖が必要。

 

東京から飛行機で約6時間、時差は2時間。「ほほえみの国」とも呼ばれ、首都バンコクをはじめ、アユタヤやチェンマイなど仏教寺院などは多くの人が訪れ、世界各国からのバックパッカーの聖地とも言われています。プーケット島などは、国際的なリゾート地としても有名です。しかし、バンコクを中心に国際化が進んではいますが、タイでは英語はほとんど通じません。空港、高級レストラン、ホテルなどは英語が使えるところも多いですが、屋台などローカルな場では簡単な英語も通じないことがほとんどです。

 

また、習慣として握手を含むスキンシップがあまりありません。特に頭は神が宿る神聖な場所と考えられているので小さな子供の頭を撫でるなどもタブーです。他にも、女性が僧侶の衣に触れるとそれまでの僧侶の修行が台無しになってしまうと言われており、体に安易に触れないように注意が必要です。

ASEANの中心国として発展。中長期的に堅調な成長率が見込める

タイは日本をはじめとする海外からの直接投資を受け、工業化による輸出促進政策を推進し、1980年代以降ASEANの中心として製造、輸出拠点として発展してきました。ここ最近では、リーマン・ショックや大規模洪水の痛手は大きく、経済成長率は年によって大きく変動が見られます。しかし、物価は近隣諸国に比べて安定しており、失業率も低い(2013年0.7%)ため、今後も中期的に3~6%程度の成長率を維持できる可能性が高いと言われています。

 

<タイのGDP成長率推移>
 2008年 2.5%(内政の混乱とリーマン・ショックにより低迷)
 2009年 -2.3%
 2010年 7.8%(輸出の拡大、内外の需要回復)
 2011年 0.1%(大規模洪水被害)
 2012年 6.4% (洪水からの復興、自動車販売好調)
 2013年 2.87%

タイの日系企業の進出と日本人の就労状況

在タイ日系企業数は6,000社を超え、中国に次いで日系企業の進出が多い国です。特にバンコクは自動車産業が集まり、他にもエレクトロニクス産業でも世界のハードディスクドライブの生産シェアの約4割をタイが占めるなど、ASEAN諸国の製造、輸出の重要な拠点となっています。


日本人の就労においては現地採用が多く、以下のような職種があります。多くの人がホテルや旅行業、日本語教師を求職しますが、これらは需要よりも常に供給が多く採用が多いとは言えません。

 

<職種例>
営業、マーケティング、秘書、タイ語通訳、コーディネーター、生産管理、品質管理、購買、工場長、経営管理、経理財務、機械・電気・IT・化学系エンジニア等
※日本語のみで対応可能な業務(日本人向けのコールセンターや日系企業向けの法人営業など)もしばしばあります。

 

<給与の目安>
実務経験3~5年程度の場合
文系職種で40,000~60,000THB
理系職種で50,000~70,000THB

 

実務経験10年前後の場合
  60,000~100,000THB

 

滞在に必要なビザと、就労に必要な就労ビザ&労働許可証の取得方法
タイに訪問する際、観光目的で1回の滞在期間が30日未満であれば日本人ではビザは必要ありません。ただし、この場合にも、タイ入国時にパスポートの有効期限が6カ月以上であること、30日以内にタイを出国する復路の航空券チケットがあることが必要となります。またビザなしで入国して、滞在を延長したい場合にも一度出国(日本以外でもOK)する必要があります。

 

滞在でビザが必要になる場合
・滞在期間が30日以上の場合
・観光以外の目的(留学・就労など)の場合

 

ビザはタイ大使館やタイ領事館で受け取り可能ですが、近くに大使館などがない場合には、ビザ取得の代行業者を利用すると良いでしょう。

※タイの情勢上、ビザの申請や取得について変更される可能性があります。最新情報は在日大使館もしくは領事館にてご確認下さい。
外務省 駐日外国公館リスト http://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/asia.html

 

タイで就労を希望する場合には、有給・無給(ボランティア)を問わず、就労ビザ(ノンイミグラントBビザ)および、労働許可証(ワークパーミット)の2種類が必要です。

 

タイでは外国人の就労において厳しい制限があり、基本的に自国民の雇用機会を侵害する外国人の就労は認められておらず、アルバイト感覚で働くことはできません。つまり、タイで働くには、技術移転、外貨獲得、タイ人の雇用創出といった、タイに利益をもたらす人しか就労ができないのです。
そのため、労働許可証は個人での申請はできず、就労予定の会社から労働局に申請を行います。

 

就労ビザ(ノンイミグラントBビザ)
<必要な書類>

・パスポート原本(6ヶ月以上の期限があるもの)
・申請書1枚(存外タイ国公館にあります)
・写真2枚
・タイへの航空券または航空券予約確認書
・英文経歴書
・タイの就職先からの英文のインビテーションレター(招聘状)
・ワークパーミット検討結果報告書(あれば)
・就職先の日本本社からの英文推薦状または親族などからの英文身元保証書
・申請手数料

 

労働許可証(ワークパーミット)
<必要な書類> ※就労予定先企業に提出

・パスポート原本
・パスポートコピー(写真面、タイ入国スタンプ、ノンBビザ、入国カード)
・英文職務経歴書
・写真(5cm×6cm)3枚
・健康診断書
・英文卒業証明書(最終学歴のもの)
・英文在職証明書(直近の勤務先会社発行のもの)
・労働許可証返納証(以前労働許可証を取得していた場合)パスポート

 

まずは、就労ビザ(ノンイミグラントBビザ)を取得し、採用の内定が出たら、労働許可証(ワークパーミット)の書類を企業に提出します。


なお、労働許可証の有効期限は就労ビザに準ずるため、就労ビザの有効期限には十分に注意しましょう。労働許可証があれば、タイ国内で就労ビザの有効期限の延長手続きが可能ですが、期限切れとなると一から手続きのし直しになってしまいます。

 

また、これとは別にタイに連続して90日以上滞在する場合には、90日ごとに入国管理局に通知書を提出する義務があり、怠ると罰金を科せられることがあります。通知書の提出は代理人でも可能なため、提出漏れがないように気を付けてください。

物価、住宅、食事、交通など生活環境は?

<通貨・物価>現在使われている主流通貨はタイ・バーツ。100円で約30B(≒1USドル)です(2014年4月)。空港ではUSドルも使用可能ですが、ベトナムやラオスのように街中でUSドルが使えることは少なく、基本バーツの使用のみです。屋台などでは大型紙幣は取り扱ってくれないことも多いので必ず少額紙幣を用意しましょう。主要都市ではクレジットカードも利用可能。物価は日本のおよそ3分の1程度です。

 

<住宅>単身の場合には、バンコクでは安ければワンルームの家賃が5,000~10,000B程度です。一般的に家具がついている物件が多いですがテレビ、冷蔵庫など家電製品は個人購入となる場合もあります。また、物件によってはお湯が使えないところもあるようなので、事前によく確認するようにしてください。

 

<交通>バンコクの交通渋滞は世界的に有名です。朝夕、特に月曜と金曜は渋滞が酷くなります。タクシーも非常に多く、バンコクではどこでも拾うことができます。しかし近年では、高架鉄道や地下鉄も整備されてきて新しい市民の足として定着しつつあります。しかしタイ中部・北部ではまだまだ交通は発達しておらず、道路の整備もままならないところもあります。

 

<食事>トムヤムクン、ソムタム、パッタイ、タイカレーなどのタイ料理は日本でも専門店がとても増えていますが、現地では、屋台や食堂を利用すれば1食あたり50バーツほどでこれらを食べることができます。また、吉野家、CoCo壱番屋、大戸屋、丸亀製麺など日本食チェーン店の進出も進んでいるので、日本の味が恋しくなっても安心です。

 

日系企業の進出も盛んで、経済状況も比較的安定しているタイ。タイで働くためには労働許可証が必要となりさまざまな条件がありますが、日本人雇用は近隣アジア諸国と比べても少なくない状況と言えるでしょう。

 

就職を考える際には、可能であれば事前に現地に出向いて、気候や食事などの生活も含めながらよく検討することをおすすめします。

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