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有元美津世のGet Global!

外資・グローバル転職で役立つ英語表現(28)-- Single-Use Plastics2023.01.24

 

  先週、イギリス政府が、今年10月から使い捨てプラスチック製品(食器など)を禁止すると発表しました。EUでは、2021年に禁止しており、イギリスも、ようやく仲間入りすることになったかと言われています。

  ただし、イギリスでは、プラスチックのストローやマドラー (stirrer)、プラスチック付きの綿棒 (cotton bud/swab) は、2020年に禁止されています。

  ちなみに、ジンバブエでは、10年前の2012年にプラスチック製容器の禁止が法制化されています。

 

Single Use

 

  こうした場合の「使い捨てプラスチック」は、英語では”single-use plastics”(一度使うだけのプラスチック)と言います。

  使い捨てを直訳すると”disposable”で、”disposable plastics” ”single-use disposable plastics”という言い方をする人もいますが、環境保護関連では”single use”が主流です。

  敢えて二つの表現の違いを挙げるとすれば、”disposable”は「再利用しない」「使い捨て」という事実に焦点があてられ、”single use”というのは、「一度だけ使うために作られた」ということに焦点があてられていると言えます。


The UK is finally going to join the EU in banning single-use plastic foodware.
(イギリスは、使い捨てのプラスチック食器の禁止において、やっとEUに追いつくことになった。)


Governments around the world are introducing single-use plastic product bans to reduce pollution.
(世界各国の政府は、汚染削減のために、使い捨てプラスチック製品の禁止を打ち出している。)


Japan’s Plastic Resource Circulation Act, effective April 2022, targets 12 single-use plastic products, including cutlery at restaurants and convenience stores and hair brushes and toothbrushes at lodging facilities.
(2022年4月に施行された日本のプラスチック資源循環促進法は、レストランやコンビニでの食器や宿泊施設でのヘアブラシや歯ブラシを含む使い捨てのプラスチック製品12品目を対象にしている。)


  プラスチック製ボトルに関しては、日本では「ペットボトル」という表現が主流ですが、PETが”polyethylene terephthalate”の略であることを知っている人は世界的に少なく、英語では ”(single-use) plastic bottle”という表現が一般的です。


Use of reusable bottles is encouraged instead of single-use plastic bottles.
(使い捨てボトルの代わりに、再利用可能なボトルの利用が奨励されている。)


  上記で”reusable”(再利用可能な)という単語を使いましたが、この反対は”non-reusable”(再利用不可能な)で、”single-use”と同じ意味です。


Spain introduced new indirect tax on non-reusable plastic packaging as of 1 January 2023.
(スペインでは、2023年1月1日から、再利用不可能なプラスチック包装に対して、新たな間接税を導入した。)

 

プラスチックはあたり前ではない

 

  日本で、2020年、小売店でプラスチックの買物袋が有料になった当初、不満が続出しました。有料化から一年後のアンケート調査では、全体的には8割近くが「それほど不便ではない」と答えたものの、大阪では35%の人が「不便を感じる」と答えています。

  私が子供のころは、まだスーパーがなく、皆、買物かごを持って市場に行っていました。魚屋や八百屋などでは、包装に古新聞が使われていましたが、東南アジアでは、今も古新聞が使われているところがあり、いつも懐かしく思います。全国的に70歳以上がプラスチック袋の有料化に「それほど不便を感じない」と回答しているのは、買物かごを持って買い物に行った頃のことを覚えているからでしょうか。

  なお、大阪には20年ほど前に、すでにマイバッグを持参しないといけない小規模のスーパーのチェーンがありました。(その時点で、それが主流になっていれば、今頃、国連にとやかく言われることはなかったのに。)

  コンビニなどでプラスチックのスプーンやストローが有料化される前に行われたアンケート調査でも、18~29歳の若い層で、賛成(45%)が反対(49%)を上回りました。50代以上では、賛成が多数派です。こうしたプラスチック製品やPETボトルが登場したのも、1980年代ですので、今の中高年が子供の頃にはなかったのです。

  飲食店でも、飲み物をお替りする度に、新しいストローを持ってくるところが多く(「要らない」というと怪訝な顔をされる)、若い人の方がSDGsなどへの関心が高いと思っていたのですが、どうやら私の思い違いだったようです。

  ホテルの歯ブラシやヘアブラシもなくなると不便だという人がいますが(持参せずに旅行する人がいること自体が信じられない)、そういう人は、どれだけのプラスチックの廃棄につながっているかを考えたことはあるのでしょうか? 一度、PETボトルなどプラスチックの廃棄物が山盛りになった東南アジアの海を見に行ってみるといいと思います。

  そうしたアメニティ品がホテルに備え付けられていたのが「日本のよいところ」などとワケのわからないことを言っている人がいますが、アジア各国の宿泊施設でも(ホテルだけでなくゲストハウスでも)、歯ブラシは置いてありますし(今月、泊まったベトナムの宿には櫛も)、多くのヨーロッパの人から見れば、プラスチックを乱用した「悪いところ」です。

  「日本のよいところ」を守りたいのなら、ノーベル賞平和賞受賞者のケニアの活動家が、2009年に国連で環境保護のスローガンとして提唱した”Mottainai”の精神ではないでしょうか。

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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