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有元美津世のGet Global!

外資・グローバル転職で役立つ英語表現(22)--Sの発音2022.11.22

 

 以前から、非常に気になっていることに、日本語での英語の表記があります。日本語表記では、英語のzの発音が、「ズ」でなく「ス」になっていることが多いのです。

  たとえば、MLBやNBAのチーム名は、複数なので、sで終わるものが多いのですが、下記のように、日本語では「ス」で表記されます。しかし、英語ではzの発音です。

 

Atlanta Braves  アトランタ・ブレーブ
Chicago Cubs  シカゴ・カブ
Detroit Tigers  デトロイト・タイガー
Los Angles Angels  ロサンジェルス・エンジェル
New York Yankees  ニューヨーク・ヤンキー

 

  しかし、下記のとおり、一部のチームに限っては英語どおりの発音表記になっています。「ズ」表記でもいいのなら、すべて英語どおりの表記にすればいいと思うのですが...

 

Cincinnati Reds  シンシナティ・レッ
Seattle Mariners  シアトル・マリナー
Texas Rangers  テキサス・レンジャー

 

  日本のクイズ番組で、答えがイギリスの名優、Anthony Hopkinsだったときに、日本語表記の「アンソニー・ホプキン」が正解で、英語の発音どおり「アンソニー・ホプキン」と書いた人が間違いとされていたのは、実に気の毒でした。

  JamesやWilliamsに至っては、「ジェーム」と「ジェーム」、「「ウィリアム」と「ウィリアム」の両方が存在するという摩訶不思議…  Jonesは「ジョーン」だけなようですが。

  英語で、複数形sの発音がzでなく、sになるのは、f/gh/ph(fの音)、k(の音)、p(の音)、thの後に来たときだけです。

 

Chefs, laughs, graphs, photographs  (略したphotosでは、sはzの音。)
Books, cooks, crooks, mathematics
Cups, lamps, lips, maps, stamps
Booth, death, paths

 

g 対 z の発音

 

  さらに気になるのが、business、crazy、easy、amazing、cruisingなどの発音です。日本語表記が「ビジネス」「クレージー」「イージー」「アメージング」「クルージング」と「ジ」になっているからか、gの発音をしている人たちがいますが、英語ではzの発音です。「クルーズ」であれば、ちゃんとzの発音になっているのですが(正確には、zでなくzuの日本語発音だが。)

  同じように、”sea”や”sea”もcの発音をしている人がいますが、違いますので。日本語にはない発音です。

 

発音されないtとd

 

  アメリカの会員制量販店チェーン、Costcoは日本語表記では「コストコ」ですが、アメリカではtは発音されません。”kaws-koh”[ˈkɑs.koʊ ]と発音されます。ですから、現地で「コストコ」と発音すれば、通じない可能性が高いです。全米メキシコ料理チェーンのChiptoleも同様です。

  というのは、アメリカ英語では、子音に挟まれたtとdは、発音されないからです。dであれば、grandma、grandpa、grand pianoなどがあります。

  黙字といえば、knee、knife、knock、knowledgeなどのkが発音されないのは、皆さんも知っていますね。

  ということで、日本語の表記に惑わされないように、正しい英語の発音を覚えるように心がけましょう。

 

<余談>

  発音とは関係ないのですが、やはり日本のクイズ番組で、「感染爆発」の英語として、和製英語の「オーバーシュート」が正解で、英語では正しい”outbreak”が間違いとされていたのも、正しい英語の知識を持つ正解者が気の毒でした。こうやって、和製英語が広がっていくのでしょうね。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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