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有元美津世のGet Global!

外資・グローバル転職で役立つ英語表現(10) - Sustainable Tourism2022.06.21


 観光客獲得に向け、各国が掲げる「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」は、日本語でも、そのまま使われており、耳にする機会が増えているのではないでしょうか。

 国連世界観光機関(UNWTO)では、”Sustainable Tourism”を下記のように定義しています。*

 

Tourism that takes full account of its current and future economic, social and environmental impacts, addressing the needs of visitors, the industry, the environment and host communities

(訪問客、業界、環境および受け入れる地域社会のニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光)

 

 簡単に言うと、「環境や地域社会に負荷を与えない形での観光」ということですね。

 「過去2年、海外からの観光客が入って来ず、地元で穏やかに暮らせた」というのは、日本に限った話ではありません。コロナ前、オーバーツーリズムが世界の観光地を悩ませていました。人口160万人のバルセロナには、年間3200万人の観光客が押し寄せ、嫌気がさした住人によって、街のあちこちに“Tourists go home!”という張り紙がされたり、抗議デモが起こっていました。長期の賃貸物件を民泊に変えるオーナーが続出し、住居を奪われる人たちが出ていたのも、バルセロナだけではありません。

 私が4月訪れたベネチアでは、浸水が頻発し、すでに始まっている地盤沈下をクルーズ船がさらに悪化させており、かつ衝突事故も起こっていました。大型客船乗り入れ禁止は何年も前から叫ばれていましたが、2019年、ユネスコに「危機にさらされている世界遺産(World Heritage in Danger)」に登録され、やっと昨年、巨大客船の運河内乗り入れが禁止されました。

 コロナで旅行が中断した結果、多くの国で「パンデミック終了後、以前の状態に戻っていいのか?」ということが問われており、「これを機にツーリズムのあり方を考えよう」という動きが高まっているのです。残念ながら、パリやローマなどヨーロッパの観光地は、今、コロナ前より混雑しているようですが...

英語表現


 ここでは、sustainable tourismに関する英語表現を紹介したいと思います。日本語の「観光公害」にあたる英語は”overtourism”と考えられていますが、他にも使える表現を記しておきます。

Kyoto was one of those cities that were completely overrun by tourists before the pandemic。
(京都は、パンデミック前に、完全に観光客に占領されていた都市のひとつだ。)

Some countries stopped promoting their cities because of overcrowding and littering.
(混雑とポイ捨てのため、都市を宣伝するのをやめた国もある。)

Boracay is an example of how tourism growth can have negative effects.
(ボラカイ島は、ツーリズムの成長が、いかにマイナスの影響を及ぼし得るかの例である。)

The island was shut down for six months for rehabilitation.
(再生のために、半年、島を閉鎖した。)

It has been successfully rehabilitated and become a model for sustainable tourism.
(島は再生に成功し、サステナブルツーリズムのモデルとなっている。)

Sustainable tourism is gaining popularity around the world.
(世界中で、サステナブルツーリズムが脚光を浴びている。)

Awareness of their impact on the planet has increased among tourists.
(観光客の間で、自分たちが地球に対して及ぼす影響への気付きが増している。)

A lot of work is needed to reduce the negative impact on the environment.
(環境に対するマイナスの影響を減らすために、やらなければならないことがたくさんある。)

We should prepare ourselves to resume tourism under the new normal.
(我々は、ニューノーマルでのツーリズムの再開に備えるべきだ。)

UNWTO is promoting Tourism for Inclusive GrowthBenefits of tourism should be enjoyed widely and fairly and no one should be left behind.
(国連世界観光機関は、「包摂的な成長のための観光」を推進している。観光業の恩恵は広く、公平に享受されるべでき、誰一人取り残されるべきではない。)

You should always remember to travel responsibly.
(常に、責任ある旅行をすることを心がけるべきだ。)

Responsible travel means being socially and culturally aware when you travel.
(責任ある旅行とは、社会や文化への影響を意識しながら旅行することだ。)

India’s Ministry of Tourism has launched the Responsible Traveller campaign.
(インドの観光省では、「責任ある旅行客」キャンペーンを開始した。)**

How can I be an ethical/sustainable traveler?
(どうすれば、倫理的な/持続可能な旅行ができるのだろうか。)



* ちなみに、UNWTOに加盟していない国は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスを含むヨーロッパ11ヵ国など35ヵ国。

** イギリス英語ではtraveller, アメリカ英語ではtraveler 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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