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有元美津世のGet Global!

和製英語に気をつけよう(57)ー フラット(3)2021.07.27


 前回、「フラットに接する」を取り上げましたが、同じ「フラットに接する」でも、下記のような例では意味が違うようですね。

「フラットな気持ちで戦いたい。勝っても負けても感情を表に出さない」
「辛辣なメディアの質問にも、常にフラットに接する。ポーカーフェースが選手に安心を与え...」

 こうした場合の「フラットに接したい」「フラットな気持ちでいたい」には、下記の英語表現がしっくりきます。

I’ll keep my cool.([カッとしないで]冷静を保つ。)

 また、「状態が悪くても、気分が乗らなくても、常にフラットに接する」であれば、「自分の感情に左右されない、振り回されない」という表現が使えます。

I don’t want my feelings to get in the way even if I’m not in the best shape.
I don’t want my feelings to take over no matter how unmotivated I feel.

フラットな気持ち


 「フラットな気持ち」「心をフラットにする」というのは、「感情の起伏のない」「感情の起伏をなくす」という意味のようですが、場面に応じて、いろいろな表現が可能です。

I want to calm myself down.(心を落ち着かせたい。)
I don’t want to go through an emotional roller coaster.
(感情のジェットコースターを経験したくない。)

 また、「フラットな自分でいたい」は、下記のように「冷静でいたい」「冷静を保ちたい」と表現できます。

I want to be able to stay calm.
I want to be able to keep my cool.

フラットな性格


 「フラット」の用例でも、一番意味不明で、やっかいなのが「フラットな性格」ではないでしょうか。「誰とでも上手につきあえる」「人当たりのよい」という意味のようですが、やはり「フラットな気持ち」と同様に、「感情の起伏がなく、つきあいやすい人」という意味なのかと推測します。

  そうであれば、”levelheaded”(冷静な、分別のある) “even tempered”(落ち着いた、情緒が安定した)が使えます。形容詞の”level”とは「まっすぐ、水平、落ち着いた」という意味で、 ”even”(平らな、一様な、むらのない)も似たような意味です。”Even tempered”(穏やかな)ということは、”hot tempered”(すぐカッとなる)でないということです。

The new manager is known to be level headed and down to earth.
(新しいマネージャーは、フラットな性格で、地に足がついていることで知られている。)

The ability to remain even-tempered under stressful situations is critical.

(ストレスフルな状況でもフラットでいられる能力は、非常に大事だ。)

 「誰とでも上手につきあえる」「人当たりのよい」という意味であれば、いろいろな表現が可能ですが、たとえば下記のように表現できす。

She gets along well with everyone.
She’s easy to get along with.(彼女はつきあいやすい。)
He is friendly

 次回は、英語の”flat”が「フラット」とは違い、よい意味では使われないことを説明しますが、「フラットな性格」を直訳して”You have a flat personality”などとは、くれぐれも英語ネイティブには言わないように。誉め言葉にはほど遠い侮辱的な意味(つまらない性格)になりますので。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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