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有元美津世のGet Global!

コロナ下の転職 ― バイリンガル求人動向2021.05.11


 二年続きの緊急事態宣言下のゴールデンウィーク、時間を持て余した人もいるのではないでしょうか。
コロナが世界を揺るがし始めて早一年。ライフスタイルや生き方について、考えを巡らせた人も少なくないでしょう。中には、「自分のキャリアを見つめ直すきっかけになった」「転職することにした」、はたまた「勤務先の将来が不安になった」という人もいるのでは?
 現に、3月に行われたネットでのアンケート調査(リクルート)では、転職活動中の正社員1000人以上の64%が、コロナが転職活動のきっかけとなったと回答しています。転職活動を始めた理由では、「会社の戦略や方向性に不安を感じた」(35%)がもっとも多く、「よりやりがいのある仕事をしたいと思った」(27%)、「職場の風土や人間関係を見つめ直した」(26%)というのがそれに続きました。「対面の仕事は避けたい」「テレワークできる会社がいい」という人もいるでしょう。
 今年2月に行われた別の調査(アスタミューゼ)では、「既に転職する意思が固まり、積極的に探している」という人が、昨夏に比べ20%以上増えていました。パンデミックが始まる前の2019年夏と比べると、さらに大きな増加幅です。
  転職・退職理由として、今年2月には、それまでと違い「自分のキャリアプランと違う仕事に配属された」が急増し、「経営の方向性を感じられない」が2位へと上昇しました。これは、コロナの影響で、組織編成や事業戦略の見直しをする企業が増えているということかもしれません。

バイリンガル求人動向


 コロナの影響で、2020年、求人は低迷しましたが、今年に入り(少なくとも3月の時点では)求人状況は、徐々に回復傾向にあり、Daijob.comによるとバイリンガル人材の求職者動向も全体的に活発化しているようです。

 3月のDaijob.comでの求職者を見ると、今年2月に比べて、とくに大きく伸びたのが「クリエイティブ」(52.7%増)で、「コンサルティング」(19.8%増)、「営業」(18.9%増)が、それに続きました。

バイリンガル求人動向


 下記のように、昨年の3月と比較しても、ほとんどの業界・職種で伸びており、とくに「電気・機械」(42.1%増)の伸びが著しいです。前月比・昨年同月比ともに、IT業界の求人数が下落しているのが意外ですね。


 コロナ禍で、旅行業や飲食業など一部の業界は、大変な試練を強いられている一方、コロナの特需によって大きく業績を伸ばした業界や企業もあります。コロナ禍で、ずっと求人活動を続けている企業もあるのです。
 コロナの中、先行き不透明で不安になるのは無理もないですが、日本の労働市場が中長期的に人材不足であることには変わりありません。上記のように一カ月で求人数が50%以上伸びる職種もあるわけですから、「転職したいが、今は、ちょっと様子を見よう」という人も、求人情報は小まめにチェックしておいた方がいいでしょう。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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