グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

有元美津世のGet Global!

日本人だけじゃない ― 英語学習者に共通する間違い(6)2019.09.17

 先週、オーストリアに滞在中、博物館か何かに入館するときに、下記のようなやりとりがありました。

係員: What kind of ticket do you have?
私:  Regular ticket.
係員: Ah, normal ticket.

Normal


  こうした使われ方の ”normal”には、日本を含め英語圏外で、よく遭遇します。”Normal ticket”でも意味はわかりますが、英語ネイティブは”regular ticket”(一般入場券)と言います。学生やシニア向け割引などのないチケット、周遊パスのようなものでもないということです。

 基本的に、normalとは、abnormal(異常)に対する「正常」「標準的」という意味で、下記のように使われます。 

He's not normal. (彼は普通じゃない。おかしい。)
It’s not normal for a mother to take a bath together with her teenage son.
(母親が10代の息子と一緒にお風呂に入るのは、普通ではない。)

That’s a normal thing for a baby to do. (赤ん坊が、そうするのは普通のこと。)
My daughter is normal size for her age. (うちの娘は年齢からして標準的な体の大きさ。)
It’s normal for our family to stay up until 1 am.
 (うちの家では午前1時まで起きているのが普通。)


 今回、スロバキアを訪問して初めて知ったのですが、

It’s normal to take off shoes before entering a house in Slovakia.
(スロバキアでは、家の中に入る前に靴を脱ぐのが普通。)

Regular vs Normal


 “Regular coffee”は、 「カフェインレスコーヒー(decaf)」に対する「普通のコーヒー」という意味で使われることが多いですが、ニューヨークなど一部の地域では「砂糖・クリーム入りのコーヒー」を指す場合もあります。

     コーヒーを注文するときに、グループにカフェイン抜きを注文する人もいれば、給仕者は、下記のように確認するでしょう。

 So two regulars and one decaf?  (レギュラー2つに、カフェインレス1つですね?)


  一方、カフェで”Normal coffee”を注文すれば、ほぼ確実に”Regular coffee? “または”What kind?”と聞かれることでしょう。

 ドリンクを注文するときも、”normal size”でも通じますが、英語ネイティブは”regular size”と言います。

 どちらを使うべきか迷ったときには、「abnormalは存在するか?」と考えてみるといいと思います。Abnormal ticket, abnormal coffee, abnormal size *というものは存在しない、と思えば、”regular”を使うということです。

  (ただし、 たとえば、醤油を入れたコーヒーはabnormalであり、それに対して醤油を入れていないコーヒーはnormalということはできます。アメリカのsupersize [7-11のBig Gulpは約1リットル]は、日本の標準からするとabnormalですので、それに対して他のサイズはnormal sizeということはできます。)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

合わせて読みたい

---