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有元美津世のGet Global!

インドでの就職2018.03.13


 ちょっと前にインドでの怖い話を書いて脅かしてしまったかもしれませんが、インドの治安が他の地域に比べて悪いわけではありません。ボッタくりや引ったくりは東南アジアの方が多いと思いますし、スリなんかはヨーロッパの方がひどいのではないかと思います。

 海外旅行経験の乏しいアメリカ人にも「なんで、そんな危ないところにばかり行くの?」と言われるのですが、「いや、インドの学校で乱射事件とか聞いたことないけど」と言いたくなります。ネパールで知り合った豪女性は、ニューオリンズに半年滞在している間に、拳銃強盗に遭いました。それも治安が悪くない住宅街で(私も毎年数週間、滞在する地区)。なお、盗られたのはiPhone。スマホ一台のために命まで狙われるのです...

 ベトナムで、ベトナム航空勤務20数年のインド人パイロットが経営するインドレストランによく行くのですが、彼が「報道されているほどインドの治安は悪くないんだよ!」と力説していました。その通り、”報道されているほど” ”皆が思うほど” は悪くないと思います。

インドに進出する日本企業


    一時、BRICsの一員としてもてはやされたインドですが、近年、その経済は減速していました。しかし、モディ首相の経済政策が功をなしてか、今年度は中国に勝る経済成長(7.4%)が見込まれています。

 インドに着いて、まず驚くのは異様なほどスズキの車が多いこと。スズキが日本のメーカーであることを知らない人なら(そんな人は世界に山ほどいる)、インドの車だと思うでしょう。*   同社のインドの自動車市場でのシェアは、なんと50%!(ちなみに2位は韓国の現代で12%。)

 昨秋、インド工場での火災がニュースとなったユニ・チャームは、2009年にインドに進出しましたが、二年ごとに売上を倍増しており、赤ちゃん向け紙おむつ市場で一位のP&Gとの差を縮めています(50%vs.36%)。インドで生産能力を上げるため、今年、3つ目の工場が稼働するそうです。

 他にも、インドに進出する日本企業は年々増えており、2016年には1300社以上に達しました。

インドでの就職


 そうした流れを反映してか、Daijobのサイトの求人でも、インドでの求人が東南アジア並みにあるようです。日系企業での勤務で、やはりメーカーが多く、管理職や営業職が大半ですが、秘書職もあります。ただし、やはりインドでは、概して東南アジアより高い英語力が求められるようです。

 「TOEIC 735-860が条件で、年収250万円以上?!」と思う人もいるかもしれませんが、物価の安いインドでは、年収250万円あれば、そこそこの生活ができます(または貯金ができます)。管理職になると年収600~1000万円クラスもあり、かなりいい生活ができるでしょう。(それ相当の苦労を伴うと思いますが...)

 「インド大好き。住めるなら無償でもいい」「自分を鍛えたい」という人にはインターンシップという手もあります。**   東南アジアよりも英語力はつくと思います。それよりも、恐い、汚い、カオスのイメージの先行するインドで、半年~一年サバイバルすることは、その後の人生を歩む上で大きな自信となるはずです。

 

  

* インド国営企業との合弁でインドで製造されているので、正確にはインド車。スリランカでも、同社が50%のシェアを握っている。

** 有償の場合もあり。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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