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和製英語に気をつけよう(37)ー パワハラ2017.09.12

 
  「セクハラ」は英語のSexual Harassmentを短縮したものなので、「パワハラ」「モラハラ」「マタハラ」も英語が由来と思う人もいるでしょう。

 しかし、英語ではPower Harassment, Moral Harassment, Maternity Harassmentといった表現は、一般的に使われません。

 「パワーハラスメント」という言葉を生み出したのは日本のコンサルティング会社であり、英語ではAbuse of Authority(権限の乱用)、Workplace Bullying(職場でのいじめ)などと表現されます。

モラハラ ~ Mobbing


 「モラルハラスメント」はフランス語のHarcèlement Moral から来ており、仏労働法では、下記のように定められています。

「従業員の権利や尊厳を侵害し、あるいは従業員の身体的または精神的健康に影響を与え、あるいは従業員の昇進に悪影響を与えるような、従業員の労働環境の悪化を目的とした、または結果そうなる繰り返し行われる行為」

 「モラハラ」は英語では、上記のWorkplace Bullying以外に、Psychological Abuse at Work/in the Workplace(職場での精神的虐待)、Mental Harassment(精神的ハラスメント)、Verbal Harassment(言葉によるハラスメント)を使うこともできます。

 それ以外にMobbingがあります。MobbingはBullyingの酷いもので、元々、動物が群れを成して天敵を襲う行為を指し、それから転じて「集団で一人を虐める」という意味で使われます。直接的な虐めだけでなく、虐めの対象となる社員に関し悪い噂を広めたり、皆でシカトしたりといった行動も含まれます。部下が集団で上司をターゲットにする場合もあります。Mobbingという言葉は、20年ほど前にドイツの心理学者が生み出したと言われ、欧米では10年ほど前から問題視されています。社会福祉や医療、教育の現場での発生が多いとも言われています。

マタハラ


 妊婦・出産に対するハラスメント「マタハラ」は、英語ではPregnancy Discrimination。アメリカでは1978年にPregnancy Discrimination Act(妊娠差別禁止法)が制定されています。法律ができて差別がなくなったわけではなく、1997~2010年、苦情数は増え続け、その後、横ばい状態です。妊娠中も働く女性が増えたからでしょうが、とくにサービス業や介護職などの低賃金職で苦情が多いようです。

 

 日本語では、ハラスメントの内容によって、それぞれ呼称が違いますが、英語では、Sexual Harassment以外は、総してWorkplace Harassment, Harassment at Work/ in the Workplace(職場でのハラスメント)などが使われます。

アカハラ


 「アカハラ」Academic Harassmentも主に日本で使われますが、海外でも一部使われ、Academic Harassmentとは「offensive, hostile, or intimidating behavior which interferes with a student's ability to work or learn (学生が研究や学習をする力を妨げる不快な、敵対的または威圧的行為」と定義しているアメリカの大学もあります。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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